賃貸アパートでエアコン付きの物件、というのは珍しくありません。
エアコンは設置するときも、取り外すときも費用がかかりますし、エアコン本体自体も安価とは言えないので、学生の方や一人暮らしの方にはとても助かりますよね。
しかし、エアコンは電化製品であるがゆえに、ある日突然故障したり、水漏れを起こしてしまうことがあります。
ここでは、水漏れのときの対処法や予防法についてお話したいと思います。
アパートのエアコンから水漏れしたときの対処法(応急処置)
アパートのエアコンから突然水がポタポタ。
場合によってはかなりの量の水が漏れ出すこともあります。
もちろん専門業者を呼ぶのが一番ですが、夜中にトラブルが発生すれば、すぐに来ては貰えません。
だからと言ってそのままにしておくわけにはいきませんよね。
水漏れの原因としてよくあるのは、ドレンホースの詰まりです。
室外機から伸びているドレンホースは、外にあるため、風によって飛ばされてきたゴミや枯れ葉が溜まり、塞がれてしまうことがあります。
ドレンホースが塞がることで本来外に排水されるべき水が行き場を失い、水漏れという形で室内において排水されてしまっているわけです。
この場合は、細長い棒などを使って、可能な限り中に溜まったゴミを掻き出しましょう。
通りを良くすることで、とりあえず業者さんが来るまでの応急処置にはなると思います。
また、エアコンの送風口から飛び出すように水が漏れる場合は、エアコンフィルターが目詰まりを起こしている可能性が高いです。
エアコンフィルターを掃除機で吸うなどして、目詰まりを解消させましょう。
賃貸アパートのエアコン修理は誰が費用を払うの?
近年珍しくなくなったエアコン付き賃貸アパートですが、自分で用意する必要がなく助かる一方、水漏れが起きたり、修理が必要になったときどうすればいいのか、費用面など、心配なこともありますよね。
エアコンが故障した場合、先ずは賃貸借契約書と重要事項説明書を確認しましょう。
ここで確認すべき点は2点。
・修繕費用は誰が負担するのか。
・設備にエアコンが含まれているか。
契約書の特約事項に借主負担なのか、貸主負担なのか記載されていることが多いです。
記載が特にされていなければ、契約書の設備という項目に、エアコンがあるかないか確認をしてください。
設備の項目に記載されていれば、故障した際の修理費用は大家さんの負担になります。
但し、借主の過失による故障となると借主負担となる場合がありますので、お掃除などのケアはきちんとしておきましょう。
設備の項目に記載がない場合、前の住人の残置物であったり、あくまでもサービスで設置してくれているものである、ということになります。
この場合は大家に修繕義務はなく、借主がそのまま使い続けたければ自己負担で修理、必要なければ処分と借主の判断に委ねられます。
アパートのエアコンから水漏れしたら必ず大家か管理会社に連絡を
賃貸アパートのエアコンで少量の水漏れが起きたとき、そのエアコンに関して以下のような情報があったとします。
・入居前から設置されていた。
・設置項目にも含まれている。
・掃除もしていた。
この場合、貸主負担で修理してもらうことで解決しそうなお話ですよね。
借主はエアコンの機能は使えており、水漏れも少量であったことから、いつか止まるだろうと安易に考え、放置してしまいました。
結果、少量ではあるものの水漏れは確実に続いており、見えなかった部分の壁クロスが剥がれ、カビが生えてしまい、床にもシミができてしまったのです。
こうなってしまうと、通常貸主負担で修理してもらえるはずのものが、異常状態の通知義務を怠り、水漏れを放置した保管義務にも違反するため、エアコンの修理だけでなく、壁や床の補修費用まで借主が負担しなければいけなくなります。
賃貸に住む以上、異常が起きたときは必ず大家さんか管理会社に連絡を入れることを忘れないようにしましょう。
エアコンの水漏れを起こさないためにできること
一般的にエアコンの水漏れの原因は、ドレンホースに問題があるか、エアコンの内部の問題です。
もちろん修理しなければ解消しない問題もありますが、この問題の多くは『お掃除』をすることで解消出来ることを知っていますか?
水漏れトラブルを起こさないために、チェックしたいお掃除ポイントがあります。
・ドレンホースのお掃除
内部の水を外に排水する役割のあるドレンホースですが、この管はとても細く詰まりやすいです。
詰まることによって水漏れの原因となりますので、たまにチェックをしてお掃除をしておくと安心です。
アパートのベランダなどに設置した室外機の、ホース出口部分にゴミが溜まっていれば取り除いてください。
ホース内部に関しては、割り箸などの細長いものを使ってたまにゴミを掻き出すと良いでしょう。
・エアコン内部のお掃除
エアコン内部のフィルター奥にはフィンと呼ばれる部分があり、冷房機能を使うと結露してしまいます。
少々の結露であればドレンホースから外に排水されるのですが、結露の量が増えてしまうと外に排水される前に室内に水滴が垂れてきてしまうのです。
フィンの結露を解決するために、フィルターやフィンのお掃除をする必要があります。
基本的にホコリを取り除いて目詰まりを解消することが必要なので、掃除機でホコリを吸い取りましょう。
フィンに関しては、さらに市販されているエアコンクリーナーなどを使用するのがオススメです。
エアコンからの水漏れで家財が被害を受けたらどうする?
賃貸アパートのエアコンからの水漏れによって、以下の状況になったとします。
・初めから付いていたエアコンが故障して、水漏れを起こした。
・エアコンの下に置いていた家具はびしょ濡れで、使いものにならない。
このような場合、大家さんは弁償してくれるのでしょうか。
残念ながら家財道具まで弁償してくれる大家さんは、ほんの一握りかと思われます。
よほど明確な証拠があり、大家さん側に過失があったとしてもです。
通常エアコンの説明書には、『エアコンの下に他の電気製品や家財などを置かない』と注意書きの禁止事項として記載されています。
つまり家財がエアコンの水漏れ被害に遭っても、禁止事項を守ってないからでしょうと言われてしまえばそれまでなのです。
そこでトラブルが起きたときに頼りになるのが家財保険です。
エアコンの水漏れによる家財の破損でも、目に見えて被害が分かるものに関しては補償してくれます。
但し、エアコンの老朽化による被害や本体の故障による被害である場合は対象外となり、補償されませんのでお気を付けください。
アパートで気をつけたいエアコンの排水漏れ
エアコンには室外機がありますが、この室外機からの排水が階下に漏れ、トラブルになる場合があります。
賃貸アパートにおいて、ベランダに室外機を置く方は少なくないでしょう。
室外機なんだからベランダに置くのは当たり前、と思われるかもしれませんが、アパートの規約にベランダに水を流すことを禁止する項目がある場合、水漏れを起こすと入居者の過失とされてしまいます。
「室外機はベランダに置けないのか」という疑問を持っている人もいるかもしれませんが、そうではありません。
ベランダにはどんな建物であっても、雨水などをベランダに溜めないために排水溝があります。
要は室外機の排水が直接排水溝に流れ込むようにしておけば、水漏れをすることはありませんし、問題なくベランダに室外機を置くことができるわけです。
通常はエアコンを設置してくれる業者さんが、室外機から排水溝まで直接水が流れるようドレン管という配管を用いて工事します。
この工事が不完全であったり、何らかの理由で不具合が起きていると、排水溝に排水が届かず、水漏れを起こしてしまうことがあるわけです。
この機会に、ご自宅の室外機の排水が直接排水溝に流れているのか、確認してみてください。
きちんとメンテナンスをして快適なエアコンライフを
エアコンの老朽化や本体の故障など、手の打ちようのない場合もありますが、大抵の水漏れは日頃のお手入れによって防ぐことができます。
水漏れに対する予防法や対処法を身につけておくことは、大きな安心に繋がります。
アパートに初めから設置されているエアコンは上手に使えば大変助かるものです。
しっかりメンテナンスして水漏れ知らずのエアコンで快適な生活を送りましょう。