壁一枚で仕切られているような賃貸アパートでは、普通に生活しているだけでも音が漏れ、ときには騒音トラブルに発展します。
特に日中は問題なくても、時間帯によっては騒音となってしまう生活音は様々あるのです。
ここでは、ドライヤーの音にスポットを当てて、騒音トラブルにならないための知識をご紹介します。
ドライヤーの音も騒音になる?!
賃貸アパートにお住いの方で、騒音に関する悩みを持った経験のある方は少なくありません。
そんな悩みの種となる騒音の中には、大音量で音楽を聴いたり、友人と大騒ぎをしたりといった明らかな騒音もあれば、普通に生活をしていれば仕方のない生活音もあります。
ドライヤーの音も騒音となり得る生活音の一つで、場合によっては近隣の迷惑になってしまう場合があります。
一般的に販売されているドライヤーの騒音レベルは、パチンコ店の店内や走行中の電車内と同等レベルとされています。
もちろん、これはドライヤーを使用している場での騒音レベルですので、近隣に対して伝わる音がそのままの騒音レベルで伝わるわけではありません。
しかし、アパートの構造や時間帯によっては、それなりの騒音になってしまうことは間違いありません。
そのため、木造アパートのように音が漏れやすい物件であれば、使用する時間帯や使用時間を見直してみることをおすすめします。
今現在、特に苦情を言われていなくても、今後近隣住民の生活パターンが変わったり、生活音が気になる人の近隣に住むようになったときに、トラブルに発展することも考えられるのです。
賃貸アパートで夜間の時間帯のドライヤーは何時までならOK?
騒音になる可能性のあるドライヤーの音ですが、ドライヤーを使用しないわけにもいきません。
では、夜間のドライヤーは何時までならOKなのでしょうか。
インターネットに載せられている皆さんの意見は様々です。
・22時~23時くらいまでならOK
・0時を過ぎたら辞めて欲しい
・ドライヤーの音くらいなら気にならないから何時まででもOK
つまり、個人の考え方や生活パターンによるため、賃貸アパートのように色々な人が住む集合住宅において、ハッキリと「何時まではOK!」とは言い切れません。
ドライヤーを使用する時間帯として多いのは、朝のお出かけ前と夜のお風呂後です。
朝の時間帯は近隣の住民の生活パターンにも寄りますが、一般的には活動しているが多い時間帯です。
人が活動しているときは、余程の騒音でない限りあまり気にかけないため、ドライヤーの音程度であれば気にならないでしょう。
しかし、夜のお風呂後の時間帯となると、お仕事で帰りの遅い方は深夜にドライヤーを使う場合もあり、近隣の住民は床に就いているもいらっしゃいます。
静かな部屋の中で横になっていれば、起きているときは気にならないような音も聞こえ、騒音と感じてしまうこともあるでしょう。
個人の捉え方にもよりますが、近隣の住民が寝ていると思われる時間帯にドライヤーを使用する場合は、注意が必要です。
賃貸アパートでも安心のドライヤー選び
ドライヤーの音の原因は、内蔵されているファンが回転することで発生します。
ドライヤーに内蔵されたファンが回転することにより、吸い込み口から空気を取り入れ、ヒーター部分を空気が通ることでヒーターの熱を奪い、温風となって吹き出します。
小さなファンで髪を乾かすため、十分な風量を送るためにはファンをかなりの高速回転をする必要があるのです。
そのため、賃貸アパートで夜間の時間帯にドライヤーを使用するときは、ファンの回転を通常より控えめにする、風量の少ないモードで使用すると、ドライヤーの音を軽減することができます。
しかし、風量を下げれば髪を乾かすのに時間がかかるため、髪が長い人には向きません。
そこで、髪が長い人にもおすすめなのが、静音性の高いドライヤーです。
一般的なドライヤーの音は80dB前後、静音ドライヤーの音が50dB前後といわれています。
購入の際には、50dB前後の静音ドライヤーを選ばれると良いでしょう。
また、内蔵されているファンにも種類があり、通常のドライヤーに比べてファンの羽の枚数が多く、少ない電力で十分な風量を作り出すことができるシロッコファンを搭載したドライヤーも販売されています。
シロッコファン搭載のドライヤーは遠心力を利用して風を送るため、ファンが高速回転しなくても効率的に十分な風量を作り出すことができるのです。
時短ドライヤー術で少しでも音が出る時間を短く!
音は、長い時間聞こえ続ければ気になりますが、短い時間であれば気にならないという場合もあります。
「賃貸アパートにおける夜間のドライヤーは短い時間で済ませる」というのも、ドライヤーの音で騒音トラブルにならないための対処法の一つです。
毛量が多い方や髪が長い方でも、短い時間で効率的に髪を乾かす術をご紹介しましょう。
①タオルドライを徹底する
タオルでしっかり髪の水分を拭き取ることが大切です。
このとき、大きなバスタオルを使うよりもフェイスタオルサイズの物を使用し、濡れたら乾いたものと取り替えましょう。
②粗い目のブラシでとかす
濡れた髪をブラシでとかすことで、水分が毛先に集まります。
③毛先の水分をペーパーで拭き取る
タオルよりも吸収力が高いとされる、ティッシュペーパーやキッチンペーパーで、毛先に集まった水分をしっかり吸い取ります。
④乾いたタオルを髪に被せてその上からドライヤーを使用する
タオルを被せてドライヤーを使用することで、タオルの中がサウナのような状態となり、髪の水分がタオルに吸収されていきます。
タオルが吸収した水分は、ドライヤーの熱により蒸発するので、吸収された水分が髪に戻ることはありません。
被せるタオルをマイクロファイバー素材の吸水性の高い物にすると、更なる速乾性が期待できます。
ドライヤーによる騒音で迷惑をかけにくい物件選び
「気にせず夜間の時間帯にドライヤーを使用したい」という方は、物件選びの段階で注目して欲しいポイントがあります。
・木造アパートよりも鉄筋コンクリートのアパート
音の響きにくさを考えると、より機密性の高い鉄筋コンクリートの物件の方が優れています。
・中部屋よりは角部屋
角部屋は、必然的に隣接している部屋数が少なくなります。
隣の部屋と接していない部屋でドライヤーを使用することで、音の響き具合を抑えることができます。
・石膏ボードの壁よりはコンクリート壁
部屋の壁をノックしたときに、響くような高い音が鳴るようであれば、防音性が低めの石膏ボードの壁である可能性が高いです。
硬いコンクリート壁を使用した部屋の方が防音性に優れています。
・部屋の真ん中で手を叩いてみる
気になる部屋の内見に行かれたときに、部屋の真ん中で手を叩いてみてください。
音の響きが返ってくる部屋は、きちんと防音されている部屋といえます。
防音性が低い部屋の場合は、外部に音が抜けてしまうため、音の響きは返ってきません。
ポイントをチェックして、できるだけ音の漏れにくい物件を見極めましょう。
賃貸アパートの1階でも気を付けたい夜間の時間帯の騒音
夜間に出す音に関しては、日中は気にならなくても、静かな部屋で床に就いた状態だと気になるため、近隣の迷惑になる可能性が格段に増えます。
特に「うちはアパートの1階だから大丈夫」と思っている方、夜間の時間帯は1階の部屋に住んでいる方のほうが注意が必要なのです。
足音や掃除機の音、引き戸の開閉音はどちらかと言えば階下に響きますが、ドライヤーの音のように部屋全体に響く音は、上の階にも響く可能性があります。
ましてや上の階の方が床に就いていれば、床に近い位置に耳を当てた状態になるので、より音が聞こえやすいのです。
どうしても夜間に活動することが多く、騒音で上の階の方に迷惑をかけるようであれば、天井に貼れる防音ボードや吸音ボードも販売されているので、活用するのも一つの方法です。
夜間に出す音に関しては、「1階だから大丈夫」ということではなく、「1階だからこそ気を付ける」ということを覚えておきましょう。
知識を活かして騒音トラブルを避ける
何気なく使用しているドライヤーの音も騒音となり得ることもあり、何時までならOKとは一概にいえないことがお分かりいただけたでしょうか。
静音性の高いドライヤーを使用したり、時短ドライヤー術を行うことで、騒音トラブルを防ぐことはできます。
ぜひ、生活の中に取り入れてみてください。