アパートと聞くと、どのようなイメージを持つでしょうか?
同じ築年数で立地が一緒なら、RC造のマンションタイプよりお得に暮らせる一方、音のことでデメリットを感じる方が多いと思います。
夜中も快適に生活できるのか、どこまで気を付ければいいのか、ご紹介していきます。
夜中だけではない。共同住宅の騒音問題
共同住宅とは、アパート・ハイツ・マンションタイプなど、いくつかの世帯が同じ建物で生活する住宅のことを言います。
同じ建物内に住んでいるので、トラブルに発展することも多くあります。
そのトラブルで一番多いのが、騒音トラブルです。
夜中まで騒いだり、音楽を大音量で聞いているなどマナーを守れない人もいたり、生活リズムが違うことでのトラブルも発生します。
また、ペットが飼育できる建物では、鳴き声が一日中止まないことでクレームが発生したりと、夜中だけ気を付けていればいいというわけでもありません。
分譲マンションでは、入居者の入れ替わりもそこまで激しくありません。
しかし、賃貸の共同住宅となると、入居者の入れ替わりもありますし、だれが入居してくるのかわかりません。
共同住宅に住んでいるということは、そういったリスクも一緒に背負っていることと、お互いに気を付けながら、譲歩しながら生活をしていくことが大切になってきます。
アパートとマンションの違いとは?音の響きが違うわけ
賃貸を探す際に、選択肢として挙げられるのが、アパートかマンションかもしくは戸建てかです。
アパートやハイツと呼ばれる建物と、マンションと呼ばれる建物とは、具体的に何が違うのでしょうか。
これらは厳密には決まられていませんが、一般的には木造や鉄骨造であるものはアパート・ハイツ。
鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートでできたものを、マンションと呼びます。
簡単に言うと、構造によって呼び方が違います。
構造上、木造であったり鉄骨造は、上下階だけでなく横や斜めの部屋にも音が伝わりやすいので、音の面ではデメリットを感じている人が多いのです。
夜中に騒いだり、大きな音で音楽をかけてのトラブルなどの発生はしやすくなります。
マンションなら音の問題は解決されるのか
アパートが音が響きやすいとなると、マンションタイプを選択する人も多いのですが、それで音の問題は解決されるのでしょうか。
音を気にして引っ越しをする人には、色々な事情があると思います。
・住んでいたアパートに、夜中でも騒いだりしている人がいた。
・夜間勤務がほとんどで、早朝や夜にお風呂に入ったり洗濯をしたりと、生活音を出してしまい、近隣に迷惑がかかるかもしれないと気にしている。
・まだ幼い子供がいて、部屋を走り回ったりすることで、音が響かないかと心配をしている。
・逆に、子供の走り回る音が気になって、耐えられなくなった。
など、理由はさまざまです。
マンションは、構造もしっかりしていて音を伝えにくくする効果はありますが、全く聞こえないことはありません。
子供の走り回る音などは、上からの音であれば聞こえてきます。
玄関ドアの開け閉めは、共用廊下に響き渡るので、予想以上に聞こえる場合もあります。
全く聞こえないというイメージをもって、マンションタイプに引っ越すと、失敗のもとになるので、あくまで聞こえにくくなるという認識を持つことが大切です。
また前述した通り、マンションタイプは鉄筋コンクリート造が多いのですが、木造や鉄骨造に比べて建築コストが高くなります。
コストが高いということは、賃料もハイツなどに比べて賃料を高く設定しています。
エレベーターが設置されていれば、維持管理費も必要となるので共益費・管理費が高くなり月々の支払額がさらにアップしてしまうデメリットもあります。
夜間の騒音を防ぐアパートを決める際の環境を選ぶコツ
新生活を始める際に、騒音トラブルを防ぐポイントを見てみましょう。
まず、立地場所です。
線路の近くはもちろん電車の音がしますが、もし普段昼間は仕事に出ていて不在であることが多い場合は、検討してもいいかもしれません。
その際はその路線のダイヤを見てみましょう。
もし、早朝・夜間に貨物列車が通るなどの路線であれば夜寝付きにくい、目が覚めてしまうなど問題がありますが、私鉄沿線など終電が早めの路線なら近隣相場よりお得に住めるかもしれません。
幹線道路の近くも、場合によっては夜間まで音が響いてくることがあります。
トラックがたくさん走っていたり、バイクの音など昼間は気にならないことが、いざ生活してみると夜中気になりだすこともあります。
近くを走っている道路の夜間の状況も、契約をする前に確認しておくと、失敗はなさそうです。
単身用アパートに引っ越しを検討している場合は、学生が多いかどうかも確認したほうがいいかもしれません。
夜中に騒ぐなどのクレームは、比較的学生が住んでいるアパートが多いです。
大学が近くにある地域は、一度不動産屋さんに聞いてみることをおすすめします。
夜間も安心?音のトラブルを防ぐアパートを決める際の建物を選ぶコツ
マンションタイプでは金額が合わなくて、どうしてもアパートに決定するしかない場合は、どのような建物を選べばいいのでしょうか。
環境については前述した通りですが、入居者間の音のトラブルについて見ていきましょう。
まず、近隣からの音がうるさくて引っ越ししたい人場合は、以下を確認・検討してみてください。
・アパートでも最上階の角部屋を選びましょう。ただし、角部屋であっても隣住戸と壁が接している部分はあります。
・隣住戸と壁が、部屋のどの部分が接しているかをチェックします。
・普段多くの時間過ごすリビングの壁が隣住戸と接している場合は、お互いの生活音が響いてくる可能性がでてくるので、注意が必要です。
・トイレやお風呂洗面所などの水回り同士が、隣住戸と接している場合は、少しでも離れることで聞こえにくくなります。
子供さんがいる家庭で他の部屋に迷惑をかけたくないと考えている世帯は、1階の角部屋を選びましょう。
夜間勤務の人も、2階より1階のほうが音の響きは軽減されます。
ファミリータイプの物件であれば、まだ小さな子供さんがいる家庭も入居していることが多いので理解されやすいと思います。
それでも、クッションを引くなど、なるべく工夫をすることをお勧めします。
あとは紹介してもらう不動産会社の人に、過去に騒音でのトラブルがなかったか聞いてみるのもひとつの方法です。
音対策が進化し続けるアパート
アパートも新しいものがどんどん建築されていきますが、設備もその都度進化を続けています。
アパートは音が響きやすい、というイメージを払しょくするために、各メーカーが開発を進めているのです。
例えば、シャーメゾンでおなじみの積水ハウスは、シャイド50やシャイド55などの遮音性に優れた商品を提案しています。
大人の足音やいすを引きずる音、スプーンなど食器を落とした時の軽い音まで、高い遮音性を発揮するようです。
大和ハウス工業も、同じく遮音性に優れたアパートを提案しています。
他にも床材の下にクッション材を入れて下階への音を軽減するなど、年々アパートの遮音性能が上がってきています。
現在でいうと、新築や築5年以内の物件に使用されているので、まだまだ賃料は下がってきませんが、いつかアパートから騒音のイメージや夜中も休まらないというイメージはなくなってくるのではないでしょうか。
共同住宅であることをひとりひとり意識することも大事
アパートの騒音問題について紹介してきましたが、大切なのは一人一人が相手の気持ちを考えて生活をすることです。
その上で、自分に合ったアパートを探していくことが、いい物件に出会えるコツかもしれません。
新生活で後悔しないよう、不動産屋さんに相談に乗ってもらうのも大切ですよ。