アパートの賃貸借契約書を紛失したらどうしたらいい?

いざアパートを退去しようとしたときに、契約書が見当たらない。

契約書がなければ、どうなるのでしょうか。

原状回復で不利になったり、退去時の費用に影響があるのでしょうか。

契約書を紛失した際の対処方法と予防をご紹介しましょう。

アパートの賃貸借契約書を紛失したときの対処方法

アパートの賃貸借契約書、これは大変重要なことであることは、皆さんご存知だと思います。

紛失したとき、どうすればよいのでしょうか。

紛失の対処には以下の方法があります。

・仲介業者にコピーを依頼する
・貸主にコピーを依頼する
・再発行する

この3点が挙げられます。

仲介業者(不動産業者/宅地建物取引業者)には、業務に関する帳簿を5年間保管する義務があります。

この帳簿類が虚偽のものではない証拠として、契約書類も同じ期間保管しているところが多いはずです。

また、株式会社では会社法によると、重要書類の保管期間は10年間となっています。

契約した時期にもよりますが、まず仲介業者へ相談してみましょう。

仲介業者が契約書を廃棄済みであったり、コピーを断られた場合は、原本を保管している貸主へ取り次いでもらうよう、相談してみましょう。

コピーをもらえることが多いと思われますが、中には応じてもらえないことがあるかもしれません。

その際は、再発行手続きを仲介業者へ依頼することになります。

手続きとしては、はじめの契約書作成と同じと考えられます。

アパートなどの賃貸借契約書には印紙税は必要ありませんが、作成手数料などを請求される可能性もあります。

また再発行の際、今までどおりの内容かどうか、確かめようがありません。

内容をよく確認して、時間と手間がかかることを理解しておくことが必要でしょう。

アパートの賃貸借契約書を紛失したときのリスク

アパートの賃貸借契約書を紛失した場合、どのようなリスクが考えられるでしょうか。

悪用されるのではないか、という心配ですが、賃貸借契約書の悪用というのは考えづらいのではないでしょうか。

原本を持っている者が、都合のいいように書き換えることも最悪、考えれられるでしょう。

しかし、廃棄、拒否されなければ、仲介業者の控えで、契約内容の確認はできるかと思われます。

個人情報の流出は否めないリスクですが、内容は住所、氏名、電話番号、連帯保証人、印鑑の情報です。

可能性があるのは、電話、はがきや封書によるダイレクトメールや架空請求、空き巣など。

不審者による被害があれば、すぐに警察に届け出ることができるよう、十分注意をしておきましょう。

また、紛失したままだと、原状回復の特約や入居時に確認した修復義務を負わない箇所の特記などがあった場合、根拠を示すことができません。

賃貸借契約書を紛失したら、保管者へ確認しましょう

アパートの賃貸借契約書を紛失したのが、借主の場合は仲介業者もしくは貸主へ相談します。

貸主が紛失した場合、仲介業者もしくは貸主へ原本の複写依頼をかけます。

貸主から申し出の場合、仲介業者や借主から断られることは少ないかと思われます。

双方が紛失し、仲介業者にも控えがない場合、どうすればよいでしょうか。

賃貸借契約書がないままでは、契約期間や賃料、退去時の取り決めがはっきりしていない状態であるため、書面の作成は必要かと思われます。

契約が過去10年以内の場合、日付や契約期間、契約内容などは、仲介業者の帳簿で確認することもできるので、情報提示の協力を依頼しましょう。

仲介業者の帳簿(取引台帳)は、10年の保管期間が義務付けられていますので、そちらで確認することが可能かと思われます。

簡単なことではありませんが、双方の契約内容に相違がなく、契約日付、期間など合意できれば問題ないかと思われます。

賃貸借契約書が送付の途中で紛失したとき

アパートの賃貸借契約書の紛失が、郵送中の事故であった場合はどうすればよいでしょうか。

誤配や差戻しなどで出てくる可能性もあります。

仲介業者から来るはずだったものが、届かない場合、通常、重要書類として書留もしくは配達証明付きの郵送がなされるはずです。

その対応を怠ったという意味で、まずは仲介業者へ聞いてみるのがよいかと思われます

自分が発送したもの、または自分で調査する場合は、まず、相手方が確実に発送したことを確認します。

郵便局を利用したのであれば、窓口もしくはインターネットの「調査に関する内容入力」へ申し出ます。

「調査に関する内容入力」へ必要事項を入力し、経路に沿って調査してもらうことができます。

その後、郵便局から調査結果が報告されるシステムです。

なかなか報告されないときは、申し出時に発行されたIDとパスワードで「調査状況のご紹介」から現状を知ることができます。

郵便局では、郵便物(手紙)、レターパック、ゆうメール、いずれも書留または代金引換としないものは損害賠償の対象となりません。

運輸会社を利用された場合も、追跡番号が発行されるため、各社窓口やインターネットでの追跡調査サービスで対応していますので、利用することができるでしょう。

アパートの賃貸借契約書はなぜ重要な書類なのか

アパートの賃貸借契約書は、貸主と借主の意思が合致した内容を記載しているものです。

事実事項や問題になりそうなことについて契約書に明記し、お互い確認することで、後のトラブルを防ぐ意味があります。

貸主、借主の双方が同じ契約書を保管するのは、改ざんや紛失を防ぐ効果があるため、といわれています。

もし、一方が契約事項を守らなかった場合、契約書がなければ、特に特約事項の違反などを証明することが困難となります。

コピーでも手元にあれば、相手へ申し出る根拠となります。

ただし、裁判になった場合、偽造や改ざんを行った、と言われてしまう可能性があるため、原本の証拠能力よりは劣るものとされています。

これらのことから、紛争になる可能性は低いとしても、いざというときには必要なものです。

契約書の保管には、十分注意を払う必要があるといえるでしょう。

賃貸借契約書など大切な書類の紛失を予防しましょう

アパートの賃貸借契約書などをどのように保管されているでしょうか。

紛失してしまう要因として、『整理好き』というものが挙げられます。

意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、整理が苦手な人やため込むタイプの方は、『書類が部屋からなくなる』ということは稀なのです。

埋もれ、重なった書類の中、突っ込んだ書棚、大事だからとしまった箪笥の奥などから、たいていは見つかります。

これに対して日頃から整理整頓される方は、目に入る書類を片端から一気に、可燃ごみとして捨ててしまうことが多いのではないでしょうか。

仲介業者の封筒にい入れたまま、というのも経年による紙の劣化で不要と判断してしまい、捨ててしまう可能性があります。

中身を出して、クリアファイルなどに入れ、容易に捨てることができないような工夫なども必要かもしれません。

アパートの貸借契約契約書を紛失したとき

・仲介/管理業者借/(貸)主へ複写依頼する
・双方紛失時は再作成も考慮する

・トラブルのとき、根拠とされる証拠がない
・個人情報が漏れる可能性がある

・契約内容に関することは、コピーでも証拠として扱える
・原本があるという証拠になる