生活環境が変わったり、気分転換にほかのアパートに引っ越しすると決めた場合、現在の住まいの契約を解約しなければなりません。
解約する時期によっては、家賃が日割りで行われるのか、そうでないかで大きく変わります。
それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
契約書の内容を確かめましょう。
賃貸借契約書に記載されている解約方法を確認しよう
アパートに住み始めて、はじめて契約を解約するかたもいらっしゃるかもしれませんね。
損をしないためにも、契約書の内容を把握してから解約の手続きを行いましょう。
アパートを借りるときの賃貸借契約書を用意してください。
なくしてしまった場合は、管理会社に連絡をして賃貸借契約書のコピーをもらってくださいね。
なお、アパートを探した不動産会社と、さまざまな手続きを請け負う管理会社は別であることが多いため、どこに連絡をしたら良いのかを再度確認しましょう。
まず、賃貸借契約書内にある解約に関係する項目をチェックします。
ここでのチェックポイントは、どのように解約の通知をするかです。
●いつまでに
30日前、1ヶ月前、60日前までに、など事前通知の期間が定められています。
この期間内でないと家賃を余計に支払うことになり得るので、引っ越しを決める前に目を通しておきましょう。
いつ解約するかは、契約終了月の家賃が日割り・半月割り・月割りなのかを参考にするのもひとつの方法です。
●どのように
書面である場合はその通りに従い、何も書かれていなかった場合は、どのように解約を通知したら良いのかを管理会社に連絡をして聞いてみましょう。
アパートの解約時の家賃はいくら?日割り計算とは
2つ目に、チェックしていただきたいのは、解約するときの家賃です。
ここでの確認ポイントは、契約終了月の家賃が住んでいた日数だけの日割りなのか、それとも半月割りなのか、月割りなのかです。
どの方法をとっているのかで、支払う金額が異なります。
さきほどの賃貸借契約書内にある解約に関係する項目と一緒に、以下のような記載がされています。
「30日に満たない期間の家賃は、契約終了月を除いた日割計算した額とする」
「契約終了月は日割計算は行わず、月割り単位で計算した額とする」
などです。
まず、日割りで計算する場合の特徴を見てみましょう。
●日割り計算
例えば、1月12日にアパートの契約を解約するとします。
日割りで計算すると、1月1日から1月12日までの、12日間の家賃を支払う義務があります。
実日数(31日)を割った計算式と、1ヶ月を30日として算出するケースがあるので注意しましょう。
日割り以外は何日に解約するかで支払い金額が変わる
日割り計算のほかに、半月割りと月割り方法があります。
それぞれの特徴を見てみましょう。
●半月割り
こちらは注意しなければならないことがあります。
1日~15日まで月の半分を支払うケースと、1日~31日まで丸々1ヶ月支払うケースがあります。
分かりやすくお話すると、1月12日に解約した場合は、半月分である1月1日~1月15日までの家賃がかかります。
ですが、1月16日に解約した場合は、1月1日~1月16日まですでに住んでいて、そこから半月分となるため、感覚的には1ヶ月分かかってしまいます。
半月の計算では、1日~15日までに解約したほうが得策といえます。
●月割り
1月12日に解約しても、1月1日~1月31日までの1ヶ月分の家賃がかかります。
となると、月初めに解約するとなると、少々損となってしまうのです。
アパートによっては、短い期間内でも解約に違約金が発生することもあります。
解約日を数日延ばすことで、違約金を払わなくて済むこともあるのです。
アパートの明け渡し日と解約する日は、同じ日に揃える必要はありません。
月割りの場合、実際は1月25日に退去して、解約日を1月31にしても良いのです。
アパートの解約通知を提出
日割り計算なのか半月割り、月割りなのかを確認したら、敷金にまつわる内容を見てみましょう。
解約時になにかとトラブルになるのは、この敷金の精算についてです。
貸主が負担するものなのか、借主が負担するものなのかは、特約に記載されていることもあります。
解約に関する内容を確認したら、通知書を提出します。
契約内容を見たり、管理会社に電話で聞いたりして、どのように提出したらいいのかを再度確認しましょう。
提出内容は、郵送であったりファックスであったりと様々ですが、送った後にきちんと届いているがを電話してみると間違いが起こりにくいです。
解約通知書が届いているのかどうか、解約日や退去立会時間に不備はないかなどを電話で聞いてみましょう。
管理会社が忙しくなる3~4月はとくにアパートの解約が多い時期のため、確実に手続きができているかどうかが重要です。
提出しているからと大丈夫だと思っていても、間違いがあるまま進んでいては困りますよね。
アパートに入居するときも日割り計算される
ここからは、新たに入居の契約で注意していただきたいポイントをお話します。
アパートの解約をすることと同様に、契約を交わすときも、賃貸借契約書次第では大きく異なります。
●物件情報
万が一間違いがあっては大変です。
念のためご自身の目で確認することをおすすめします。
・物件名は、アパートやマンションの名前です。
・所在地は、これから使っていく住所になります。
・構造は、木造や軽量鉄骨、RCやSRCなどのことです。
・工事完了年は、アパートが建て終わった年で、築年数を表します。
・面積は、部屋の広さのことです。
・間取りは、1R・1K・1LDKなどがあります。
・住戸番号は部屋の番号を表します。
●設備等
トイレや洗面器、シャワーなどアパートに設備している内容です。
設備の中に、残置物扱いになるものがあるときは、注意が必要になります。
残置物とは、前の住人が置いていったものを撤去せず、そのまま残っているものです。
使用しても問題はありませんが、故障しても修理を受けないことがほとんどなので、注意しましょう。
残置物は、ガスコンロやエアコンなどが多く置かれています。
●入居日
多くの物件では、入居月は家賃を日割りで計算されています。
家賃を30日で割り、住んだ日数分を足したもを日割りで計算していきます。
例えば家賃5万円の物件に1月18日に入居する場合、50,000円÷30日×12日=20,000円になるということです。
なお、この中には共益費も含まれています。
賃貸借契約書で支払う金額を把握しておこう
入居時に確認したいポイントの続きです。
●契約期間
大半を占めるアパートは、2年契約であることがほとんどです。
契約している内容によっても異なりますが、2年経過していなくても解約手続きはできます。
2年契約であっても、2年きっちり住まなくてはいけないわけではありません。
大抵は日割り計算で清算します。
ただし、解約についてのお話で触れた通り、違約金がかかる場合があるので注意しましょう。
違約金がかかる物件の特徴としては、敷金や礼金の支払いがなかったり、相場より格安である物件に多い傾向があります。
●支払い額
家賃や敷金、礼金など、契約時に支払う金額や、月々に払う家賃の金額に間違いがないかを確認しましょう。
●連絡先
なにかトラブルが起こったときの連絡先が書かれているか、見てみましょう。
借主と、管理している会社の住所や電話番号が記載されています。
●解約時
前編でお話してたことを元に、チェックしてみましょう。
退去することも考えて契約する
アパートに住むときは、外観や部屋の雰囲気に気をとられがちです。
最も大切なことは、契約書に書かれています。
この内容をしっかりと理解して住まいを決めましょう。
また、入居するときは資金が全くかからなくても、退去するときに多額を要する場合もあります。
解約することを踏まえて選ぶことも大切です。。