昨今、よく新聞やニュースなどでも耳にするアパートやマンションなどでの騒音問題。
テレビの音や楽器の演奏、スピーカーで音楽を聴くなど、自分では日常の行動だと思っていてもそれが騒音になることもあります。
「何時までなら音楽を流して良いのか」という疑問をお持ちの方もいると思いますが、単純に「〇時」と言い切るのは難しいです。
音楽がどのようなトラブルを引き起こすのか、考えてみましょう。
また、どのような対策があるのかもお話しします。
何時までという常識がなく、深夜に音楽を演奏する人も
騒音は意外と身近な問題です。
関係ないと思っていても、ある日突然巻き込まれてしまうこともあるのです。
私の体験談となりますが、関西のアパートで一人暮らしを始めた頃、夜中の2~3時ごろに隣の部屋からギターの音とかすかな歌声が聞こえてきたことがありました。
深夜という時間帯であり就寝中でしたが、音楽のせいで目が覚めて眠ることができませんでした。
しかし、直接お話しに行くのは怖かったため、警察に通報し注意をしてもらいました。
それから隣人が音楽を演奏することはなくなりました。
このときは、隣人が素直に音楽の演奏をやめてくれたので大きな問題にはなりませんでしたが、こういった騒音に関係するトラブルは多いです。
実際に、賃貸アパートでは何時から何時までという時間帯に限らず、騒音トラブルが一番多いという報告もあります。
私の経験では、深夜に一人であったため、やむなく警察に通報しました。
しかし、音楽や楽器の演奏に限らず日常的な子供の声や足音、喧嘩する声など生活音がどうしても気になる場合は、まずは管理会社に相談しましょう。
その場合「いつ」「どの辺りから」「どんな音が」「どれくらいの頻度で」聞こえてくるのかをしっかり記録・録音して、管理会社の方に伝えるようにしましょう。
アパートや賃貸住宅で聴く音楽の音量の目安
前項での隣人の音楽の話ですが、隣人の方も悪気なく演奏していたということを後に聞きました。
その隣人も何時までなら演奏して良いのか、と警察に尋ねたとのことです。
一般的には音楽の演奏は夜の9時くらいまでが目安といわれていますが、騒音を感じる感覚は人それぞれのため、「何時まで」とはっきりした時間を明言するのは難しいものです。
小さいお子様のいるご家庭ならもっと早い時間に静かにしてほしいでしょうし、逆に夜働いている方ならお昼に帰って寝ているので、お昼静かにしてほしいでしょう。
実際、私も深夜に働いていたときにはお昼の工事現場の音がうるさくて気になって眠れなかったことがあります。
集合団地などでは家族連れの方がほとんどなので夜〇時以降は静かに、など大体のルールは定まっています。
しかし、アパートは色々な事情、ばらばらな時間帯で生活している人が集まるので問題が複雑化しやすくなります。
では、一般的に人が気になる音の大きさとはどのくらいなのでしょうか?
賃貸住宅の隣近所に迷惑がかからない音量の目安は45~55デシベルとされています。
数値だけではわかりにくいですが、一般的な音に置き換えると45~55デシベルは昼間の霊園、図書館、通常の人の話し声に相当します。
アパートでの一般的な生活音
生活音のデシベルを調べてみると、子供の駆け足が50~66デシベル、洗濯機が64~72デシベル、目覚まし時計が64~75デシベル、ピアノが80~90デシベル、人の話し声(大声)が88~99デシベルでした。
ほとんどの生活音が基準とされている数値を上回っていることがわかります。
確かに、マンションやアパートに住んだことのある人は、隣からこのような生活音が聞こえてきた経験があるのではないでしょうか?
テレビやスピーカーから流れる音楽も生活音に含まれますが、これらはボリューム調節が可能です。
大音量で流していたら隣人に迷惑がかかりますが、かといって音を小さくしすぎてせっかくの映像や音楽を楽しめなくなってはスピーカーを使っている意味がありません。
もちろんヘッドホンを使うということもできますが、音楽が好きな方はスピーカーで音を楽しみたいという方が大多数ではないでしょうか?
では、アパートで何時まででも自由に音楽を楽しむために、どのような対応策があるのでしょう。
何時まででも音楽を楽しみたい人は
まず、アパートでスピーカーを聴きたい人は設置場所にも注意が必要です。
一般的にスピーカーの音量は、80~90デシベルとされています。
もし、スピーカーで音楽だけでなく映画なども楽しむ場合、重低音が振動となり響きやすいので注意が必要です。
何時まででも音量を気にせずに楽しむなら、防音対策グッズは必須です。
・防音マット
ゴム製のものが一般的で、厚いも生地の方が防音効果は高いが、その分高額となります。
1000~10000円ほどです。
・防音シート
壁やドアに貼ったり、防音マットと併用して使うこともできます。
ただし、人の話し声やテレビの音を防げる程度であり、重低音や振動はあまり防げません。
木造や壁の薄い建物では一定の効果がありますが、コンクリート造の厚い壁や床はもともと防音効果があるため、あまり効果は得られません。
2000円~20000円ほどです。
・遮音カーテン
布自体に音を吸収する性質があるため、一般的なカーテンでも防音効果は多少あるものの、より防音効果を高めるためには厚地の布カーテンを使うと良いです。
防音レースカーテンと併用するとさらに防音効果が高まります。
窓をしっかり覆えるように窓より大きめのサイズを購入し、隙間のないようにとりつけます。
10000円ほどです。
・遮音テープ
ドアや窓の隙間に貼って音漏れを防ぐ効果があります。
ただし、テープだけでは防音の効果は薄く、他の防音グッズの補助的な役割で使うと良いでしょう。
100円~1000円ほどです。
防音室を作れば何時まででも
そもそもの話になってしまいますが、アパートの壁さえもともと防音になっていれば、このような騒音問題の心配はほとんど起きません。
鉄筋コンクリート造の厚い壁だと一定の遮音効果はありますが、木造や壁が薄いとそれは期待できません。
部屋に防音設備を導入したり、1部屋完全の防音室に改築する方法もあります。
それをれば何時まででも音楽や楽器の演奏を楽しむことは可能です。
しかし、アパートなどの賃貸の場合は管理会社の許可がいりますし、多額の費用がかかります。
一般的な工事金額は以下です。
・床(防音機能のある床材に変える)25~30万
・壁(吸音材と遮音シートをいれる)18~25万
・窓(防音機能のある窓ガラスにする)5~13万
・防音室(一室まるごとリフォームする)160~700万
これだけ見ても、かなりの費用がかかります。
そうなると、改築はあまり現実的ではありません。
防音の賃貸アパートを探す
防音の賃貸アパートに住むという方法もあります。
このような賃貸物件はどこにあるのでしょうか?
防音設備のある賃貸物件は、音楽大学の近くに集中しやすい傾向にります。
ただ、防音つきの賃貸物件を見つけたあとも注意は必要です。
もし、楽器を演奏される方は、事前に管理人さんに自分の楽器の種類を伝えておかなくてはいけません。
例えば、同じ楽器でもリコーダーとトランペットの響き方は全然違うように、楽器の種類によって音の聞こえる範囲は全然違うからです。
それとプラスして管理人さんに音を出してよい時間帯を事前に聞いておくことも必須です。
物件や場所によっては、防音設備のある賃貸でも、夜中の演奏は断られる可能性はあります。
防音設備のある物件でも、何時まででも自由に演奏してもよいということではないようです。
自分のためにも音楽を楽しむなら防音対策を
アパートで音楽を流してよいのは何時までかという質問には、おそらく大多数の方が8~9時くらいまでではないかと答えるでしょう。
しかし、人々のライフスタイルが多様化してきている現代でそれを一括りにはできません。
隣人トラブルを避けるためにも、賃貸で音楽を楽しみたいのなら防音対策をして音楽を楽しむ工夫をすることが大切です。