地方から都会に出てきた人は、まず物価が高いことに驚くと思います。
最初に立ちはだかる壁は、一人暮らしの家賃ではないでしょうか。
田舎なら、これだけ出せばファミリーマンションに住めるのに、と驚くことでしょう。
しかし、志があってせっかく都会で一人暮らしを始めるのです。
テクニックを駆使して一人暮らしを実現させましょう。
都市部の一人暮らしの家賃相場の現実
一般的に、家賃は給料の1/3程度が無理のない生活の基準であるといわれます。
しかし、一人暮らしを始める若い世代にとっては、どうしてもその基準を超えてしまうことが多いはずです。
大卒初任給の平均は約20万円で、手取りに直すと16.7万円程度になります。
1/3の金額は5.5万円程度ですが、共益費込みで5.5万円の物件を探そうと思っても、東京などでは難しい話です。
実際、東京の若年層を見てみると、4割以上が給料の1/2にもなる高い家賃の物件に住んでいるというデータもあるほどです。
初めての一人暮らしなら、夢もあるでしょう。
新しいきれいなマンションで夢の一人暮らしをと考えてしまうのはみんな同じです。
そう考えて、たとえば給料の半分にもなる高い家賃の物件に住むことにした場合、どんな生活になるのでしょう。
東京で暮らす20代前半の一人暮らしをモデルに検証してみます。
家賃が高い東京での一人暮らしは可能か
大卒初任給は、実は都道府県によって差があります。
平成26年のデータですが、東京都の大卒初任給は212,100円と、全国平均よりは少し高い金額です。
ここから、手取り額を算出すると、概算で16.9万円程度になります。
引かれるのは、健康保険1.1万円、厚生年金2万円、雇用保険600円、所得税4,000円、また初年度は引かれませんが、住民税が7,500円程度です。
家賃の高さと同時に、給料から引かれる金額の多さにびっくりですね。
しかし、自分で社会保険に加入し、税金を納めることは大人への第一歩です。
仕方ありません。
これからとりあえず1年間は、16.9万円で生活すると腹をくくりましょう。
一方、会社から近い23区内のマンションに住むことにしたため、家賃は高くなります。
23区の相場は、一人暮らしの1Kや1DKでも中心地周辺は12万円以上で、とても手が出ません。
しかし、中心地から外に行けば行くほど安くなり、なんとか8.5万円の物件を見つけ、住むことになりました。
これでも東京23区の1Kや1DK相場では最安です。
では、ここから一人暮らしを始めていきましょう。
家賃の高い一人暮らしの生活費配分
まずは、一人暮らしで、家賃以外の生活費について見ていきます。
家賃を引くと、使える予算は貯蓄も含めて8.5万円程度になります。
残業代がつくとその分浮いてきますが、毎月定額で予算を組むことが必要なので、いったん残業代は除外します。
もし入ったら、貯蓄に回すくらいに思っておきましょう。
ここで、総務省の家計調査から、単身世帯の支出に関するデータを拾い出します。
・食費37,861円
・水道光熱費9,598円
・日用品5,555円
・衣料品5,408円
・医療費6,217円
・交通通信費19,704円
・教育娯楽費18,419円
これは年齢や居住地を限定しない全国平均のデータですが、合計で102,762円にもなります。
しかし、あなたがこれをそのまま支出していたのでは、生活が成り立ちません。
ここから分かることは、あなたは普通より節約生活をしなければ、高い家賃を払って生活していけないということです。
努力なくしては夢の都会暮らしは実現しません。
では、具体的にどの部分が削れるか見てみましょう。
家賃が高い一人暮らしで節約できるものは
家賃が高い一人暮らしで、一番節約できそうな支出は食費です。
全国平均は37,861円ですが、これには外食費なども含まれています。
これをとりあえず2.5万円まで削りましょう。
それには、まず外食を控えて自炊をしなければなりません。
本来は2万円でまかなうこともできるのですが、せっかく新しい環境に住まうわけですから、たまには外食もしたいでしょう。
ただ、外食産業は原価3割が基本です。
つまり、同じものでも自炊に比べると外食は3倍かかると心してください。
上司の場合はおごってもらえる可能性大ですが、同僚と最低限のお付き合いというものも大切です。
誘われるままに外食するのではなく、予算を立てて月何回かに決めましょう。
うまくお断りするというのも社会人としての勉強です。
そして、断った次に誘われたときは、存分に同僚との外食を楽しんでください。
外食費は1回3千円をめどに、自腹は月2回までくらいが食費2.5万円の限度かと思います。
また、新人の特権なので上司のお誘いはありがたくお受けしましょう。
家での食費が削減できます。
一人暮らしの食費を抑えるポイントは自炊生活
ところで家賃の高い一人暮らしにおいて、自炊生活をいかに安く押さえるかのポイントがあるので、ご紹介します。
自炊を安く押さえるコツは、激安スーパーの利用や一般のスーパーでも見切り品を利用することです。
主婦でもないのにと思うかもしれませんが、これで食費はかなり安くなります。
激安スーパーは、物件を探す際に、必ず目をつけておくべきです。
買う商品は、野菜や卵、飲料や調味料、冷凍食品などがおすすめです。
生鮮食品は、外国産なども扱っていて安いのですが、気になる方は気になりますね。
そこで、肉や魚については一般のスーパーで買うという使い分けも必要です。
残業後に一般のスーパーに立ち寄ってみてください。
同じ肉や魚でも、賞味期限が明日までなどの見切り品が売られています。
値段は3割引や半額などもあり、同じ材料でもかなり利用価値の高いものがあります。
見切り品でも、帰ってすぐ小分けして冷凍すれば、鮮度は保持できます。
もしくは、調理しておいて、食べきれない分を冷凍する方法もあります。
また、その日の食事は見切りのお弁当などで済ませる方が安くなる場合もあります。
調理の光熱費がかからず、品数も多く、コンビニなどより家庭の味に近いものが食べられます。
このような激安スーパーと一般のスーパーの見切り品の利用で、3割程度の食費が削減できます。
目標は食費2.5万円以内、超えれば貯金が少なくなると心得て、がんばりましょう。
節約した分は予備費として残しておこう
他にも節約できそうなものがあります。
20代前半のみなさんなら、毎月6,000円以上を支払って病院に行くというのはあまりないはずです。
また、通信費は、普通のスマホユーザーなら格安に変えるだけで5,000円は節約できます。
通勤交通費は会社から支給されることが多いので、交通通信費としては合計5,000円もあればまかなえます。
教育娯楽費についてはいわゆる小遣いにあたりますので、自分次第でどうにでもなります。
自己啓発のための書籍の購入や娯楽費を含めても1万円程度におさえれば、食費以外で3万円近い節約ができます。
代わりに予備費として、急な病院や交際費、各予算から足が出た場合に使える予算を1万円程度手元においておきましょう。
ここまでで、食費で1.5万円、その他で2万円支出を削ることができました。
全国平均の支出約10.5万円から3.5万円削減できれば、支出合計は7万円になります。
残った1万円~1.5万円は預貯金に回しましょう。
ざっくりまとめると、
・食費2.5万円
・光熱費1万円
・日用品5,000円
・衣料品,5000円
・交通通信費5,000円
・教育娯楽費1万円
・予備費1万円
・貯金1万円
以上の生活費を目安にしていただければ、高い家賃の都会の一人暮らしをなんとか乗り切れ、少ないながら貯金もできるはずです。
高い家賃、しかし試練は乗り越えるためにある
みなさんが初めて経験する一人暮らしが、家賃が高く、給料の半分にもなるというのはなかなかの試練です。
しかし、試練を乗り越えれば、RPGと同じで強さが身に付きます。
レベルアップしたあなたで次のステージにチャレンジできるというものです。
そしてあなたの社会人生活は始まったばかりです。
ここで大切なお金の使い方と貯め方をしっかり身につけて、次の目標に進んでいっていただきたいと思います。