賃貸住宅のフローリング、ワックス剥がれは誰が負担する?

現代の生活様式に合わせて、多くの賃貸住宅がフローリングを採用しています。

生活の中で、最も多くの時間を過ごすのはフローリングの部屋ではないでしょうか。

だからこそ汚れやすいともいえるフローリングは、ワックスがかけられていることも多いですね。

生活の中で、ワックスが剥がれてしまうということが起きることもあります。

ワックス剥がれななぜ起きるのでしょう。

修復は誰の負担になるのでしょう。

生活によってフローリングのワックスが剥がれてしまう

賃貸住宅といっても、いろいろなお部屋があります。

最近では、床にフローリングが使われるのが主流になっているようです。

フローリングには、汚れやキズを防止するためにワックスがかけられていることが多いのですが、住んでいるうちに剥がれてきてしまうこともありますね。

ワックスがはがれてしまう原因ですが、いろいろな要因が考えられます。

もともと剥がれやすいものや、入居者の使い方によって剥がれてしまったものなどです。

ワックスの剥がれは、入居者の生活によっても左右されます。

ワックスは自然に劣化しますが、いろいろな要因がワックスを剥がれやすくしてしまいます。

油料理をする、消毒液(エタノール)や除光液をこぼした、ジュースやペットのおしっこが付いたままにしてしまった、などです。

また、家具を引きずった、子どもが引っ掻いた、敷物がこすれてしまったなどの物理的な剥がれも生じます。

こういった原因で剥がれてしまうと、退去時にワックスを塗りなおす料金を請求されてしまうことがあります。

ワックスが剥がれやすいフローリングがある?

しかし、ワックス剥がれが入居者のせいではないこともあります。

賃貸住宅は、入居者が退去すると部屋をクリーニングします。

ワックスが塗られていない床でしたら、水拭きのあと洗剤を使って拭かれます。

ワックスが塗られている床でしたら、さらにワックスを塗って仕上げられます。

ワックスは、ワックス剥がしをしない限り簡単に剥がれるものではありませんので、クリーニングのたびに塗り重ねられていくということになります。

ワックスは、使い方によっては劣化が早まります。

例えば、料理をしたときに油がフローリングに飛んで、そのままにしてしまったとします。

そうなるとワックスにシミができ、黒くなったり剥がれやすくなってしまいます。

退去の際に、この部分のワックスを剥がして塗りなおせば良いのですが、そのまま上からワックスが塗られてしまうことも少なくありません。

シミなどができて剥がれやすくなってしまったワックスの上から新たにワックスを塗っても、剥がれやすさは改善しません。

また、ワックスが不要な床材に塗られている場合も、ワックスが剥がれやすくなってしまう原因になります。

現在では、ノンワックスの床材も増えてきています。

また、ビニール床もワックスが剥がれやすいことが多いです。

賃貸住宅では大家と入居者どっち負担?

入居者のせいではないワックス剥がれは、入居者が負担する必要はありません。

もし、入居してすぐに剥がれ始めてしまったようでしたら、すぐに不動産屋に連絡してその旨を伝えましょう。

退去時に、ワックス剥がれがある場合は、不動産屋によって対応が変わります。

もし、入居者の不注意によってフローリングのワックス剥がれが起きてしまった場合は、ワックス剥がしと塗り直しの費用を請求されることがあります。

小さな剥がれくらいは気にしない不動産屋もいます。

賃貸住宅の退去時のトラブルは大変多く、国土交通省が一般的なルールを示した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」という指針を設けています。

このガイドラインには、どのような場合に大家と入居者のどちらが負担するべきかが示されています。

入居者は退去時に、原状復旧をしなければいけません。

原状復旧とは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」です。

簡単にいいますと、通常に使用した建物の自然な経年劣化は大家が負担し、入居者の故意や過失によって発生した損耗は入居者が負担する、ということです。

具体的に、大家と入居者の負担は、どのように分けられるのでしょう。

賃貸住宅はワックス剥がれの原因によって負担者が変わる

賃貸住宅の損耗について、どちらがどのような負担になるのか、書き出してみましょう。

【大家】

・フローリングのワックスが剥がれた

経年劣化の場合は大家の負担になります。

ワックスがけは、通常の掃除範囲と言い切れません。

物件の維持管理の意味合いが強いため、基本的には大家負担です。

・フローリングの日焼け

日照による自然な劣化は、入居者の責任にはなりませんので大家負担になります。

・全体的に汚れてしまったので、クリーニングをかける

通常の使用範囲での汚れは、経年劣化ですので大家負担になります。

・冷蔵庫の裏側のクロスが電気ヤケで変色した

こちらも通常の使用範囲になりますので、大家負担です。

続いて、入居者の負担になるものを見てみましょう。

【入居者】

・フローリングのワックスが剥がれた

入居者の故意や過失によるものは、入居者の負担です。

掃除を怠った、ペットや子どものいたずら、キャスター付きのイスによるものなどがあります。

・フローリングの色落ち

入居者の管理が悪かったために発生したものは、入居者の負担になります。

ただし、これはあくまでもガイドラインに沿ったものになります。

交渉次第で折半になるケースもあります。

賃貸契約を結ぶ際に、よく確認しておくことが大切です。

日々のお手入れが大切!賃貸住宅だからこそ丁寧に住もう

フローリングを必要以上に劣化させないためには、日々のお手入れも大切です。

普段から気を付けていれば、賃貸住宅でもフローリングをキレイに使い続けることができますよ。

フローリングは、コーヒーや油などをこぼしてしまうと、シミになってしまうことがあります。

フローリングのいちばんの敵は、水分なのです。

液体をこぼしてしまった時は、すぐに拭き取ることが大切です。

こぼしたまま放置してしまうと、シミ、変色の原因となり、元に戻すのが難しくなってしまいます。

もし、しばらく放置してしまったという場合は、雑巾に中性洗剤を染み込ませて拭き取りましょう。

傷がつく原因として多いのが、家具の移動です。

キャスターが付いたイスを使うのであれば、カーペットを敷くなどの工夫が必要です。

また、テーブルやイスの脚にはフェルトを貼っておくと良いでしょう。

日々のお掃除ですが、フローリングは水分が苦手です。

水拭きではなく、乾拭きが基本になります。

それでも落ちない汚れの場合、水分を含んだ雑巾でやさしく拭きましょう。

表面を保護するために、ワックスを塗ることも有効です。

フローリングに傷がついても慌てない

故意でなく、過失であっても賃貸住宅のフローリングに傷をつけてしまうと、ショックを受けますよね。

ワックスを塗ってあったとしても、ちょっとした家具の移動で、フローリングに傷がついてしまうこともあるのです。

フローリングに傷がつくことはよくあることです。

あまり気にし過ぎずに、ある程度傷が付くことは仕方がない、と考えておきましょう。

また、小さな傷は修復できることも覚えておきましょう。

一般的なものは、ホームセンターなどで販売しているフローリング補修キットです。

フローリングのへこみや傷、えぐれなどを補修することができます。

フローリングは、材質によってそれぞれ色が違います。

その色に合わせて、色を作ることから始めます。

補修キットには、数種類のクレヨンのような補修材が入っています。

この補修材を溶かして使います。

近い色のものを使うか、もしくはコテの上で数種類を混ぜ合わせて近い色を作りましょう。

作った色の補修液を、そっと傷にのせます。

押し付けてはいけません。

やさしくのせて冷めるのを待ちます。

1分ほどで、固まります。

しっかり固まったことを確認したら、ヘラで盛り上がった表面を平らに削っていきます。

最後に水分を含んだ雑巾で拭き、完了です。

丁寧に住んで傷を最小限に

賃貸住宅では、小さな剥がれや傷にも敏感になってしまうものですね。

確かに、賃貸住宅ですとそこからトラブルに発展してしまうこともあります。

しかし、経年劣化としてくれる大家もいます。

気になるようでしたら、早めに相談すると良いですよ。

賃貸住宅であったとしても、持ち家であったとしても、自分が住んでいる家なのですから丁寧に住みたいものですね。