自分の家の間取りや自分が住みたい家の間取りを、簡単にエクセルで書きたいと思いませんか?
エクセルには罫線が入っていますので、それに合わせて線を引くと、確かに簡単にできそうですね。
しかし、罫線は縦横の幅が違います。
幅が合えば、普通の方眼紙と同じような面になりますので、エクセルで間取りを書くことができます。
そこで今回は、自分の家や自分が住みたい家の間取りを書くときに使える、エクセルでの書き方をご紹介しましょう。
エクセルを使った家の間取りの書き方は?
住宅の間取り図を書く時は、製図板の上に住宅の平面図や側面図を書くための紙を貼り、鉛筆または太さが変えられる専用のペンで書いていきます。
その時、鉛筆やペン先の太さを変えて、壁の厚さや仕切りの種類がわかるように書く必要があります。
他にも、専用のテンプレート、ティー定規などが必要で、色々と面倒です。
しかし、ここ20年ほどは、ほとんどの建築士は手書きではなくCADを使って書いています。
注文住宅を建てる時は、建築士の人が書いた平面図や屋根伏図・基礎伏図・側面図などを見ながら、細かい打ち合わせをしていきます。
全く住宅のことがわからない人でも、自分の家を建てる時は、できるだけ自分の希望を取り入れたいものです。
そんな時に、自分で住宅の間取りが書けて、「ここはこんな風にしたい」と、希望を平面図に表せたらいいですね。
しかし、「パソコンが得意だし、手書きにするとぐちゃぐちゃになりそうだから、CADで書いてみたい」と思って建築パース用のCADをわざわざ購入(ダウンロード)するのは、もったいないです。
確かに、CADを使うと、かなり専門的なこともできるため、ただの平面図だけでなく屋根伏図や基礎伏図などを書くこともできます。
必要な強度の計算もできます。
しかし、ここまでくると、素人ではわからないところも出てきますので、そこまでは必要ないでしょう。
平面図だけをエクセルで書くという、簡易的な方法があります。
エクセルを利用した家の間取りの書き方を知っておくと、自分の家だけでなく、友だちや家族が家を建てる時にも一緒に考えることができます。
エクセルを使って、家の平面図を書いてみましょう。
エクセルで間取りを書くメリット
まずはエクセルで間取りを書くことのメリットです。
エクセルで書くことのメリットは、方眼紙と違い、書いた線を変更したい時に簡単に消すことができて跡が残らないことです。
また、パソコンに保存をしておけば、必要な時に必要な相手に送信したり見せることができます。
紙で持ち歩く必要もなく、汚れたり破れたりすることもありません。
USBなどに保存をしておけば、他のパソコンでも見ることができます。
パソコンがあれば書くことができるので、書くための紙も鉛筆も必要ありません。
鉛筆の太さも気にすることなく、線の太さを簡単に変えることができます。
太い線と細い線がはっきり表せるため、玄関の上りなのか部屋の間仕切りなのかなどが明確になります。
線の太さは、平面図の書き方を学ぶときの基本になりますが、エクセルならその幅も選択をすることで簡単に変えることができます。
エクセルはパソコンの中には必ずと言っていいほど入っているソフトですので、一度書き方を覚えてしまえば、いつでも簡単に住宅の平面図を書くことができます。
そして、書き方がわかれば、専門家が書いた住宅平面図の大まかなこともわかります。
窓の位置や収納の位置、玄関や浴室・トイレ・キッチンの形もわかりますので、建売の家を購入したり、賃貸を借りる時にも便利です。
これが、エクセルで住宅の間取りを書く、書くことができることによる、直接的・間接的なメリットです。
エクセルで間取りを書くときの準備とゾーニングの書き方
それでは、エクセルで間取りを書く際に必要な準備について、お話ししましょう。
いきなりエクセルを立ち上げて、そのまま線を引いても、わけがわからなくなります。
そこで、先に下書きを書いて準備をしましょう。
ノートを用意してどんな家を作りたいかを考え、大まかな間取りを書きます。
この時、子ども用でも良いので方眼ノートがあると便利です。
初めに決めるのは、家の大まかな造りです。
平家づくりなのか、二階建て、三階建てなのかや、駐車スペースが家の中に入るビルトインなのか、それとも屋外にあるのか、といったことです。
次に細かい造りです。
部屋は何室必要なのか、ダイニングキッチンは独立しているものか、1つの部屋なのかということも考えておきます。
もちろん、実際に家を建てる場合は、土地の面積から建蔽率(けんぺいりつ)や容積率も無視はできませんので、あらかじめ建築士の人と相談をしておくことも大切です。
希望は、ノートの一番高い順番に箇条書きにしておきます。
細かい間取りで決めておくことは次のようなことです。
・部屋の数(寝室/子ども部屋/和室/洋室など)
・玄関の位置と形
・収納の数と位置
・階段の形と位置
・トイレ・浴室・洗面所の位置と数
・リビング/ダイニング/キッチン(LDK)の種類
・ベランダやポーチ/バルコニー
箇条書きにしたものを元に、ゾーニングを書いてみましょう。
ゾーニングとは、部屋を配置することです。
ゾーニングの書き方としては、家の大まかな外壁を書いて、その中のどこにどの部屋を置くかを考えて入れていきます。
この時は大まかなもので良いので、あまり細かい書き方は気にしせずに書きます。
部屋の位置だけでいいので、〇でも□でも場所がわかるように書きましょう。
ここで気を付けておくことは、浴室・洗面所・トイレ・キッチンなど水回りの位置です。
水回りはできるだけ近くにし、二階と一階の位置もほぼ同じ位置にします。
二階建て以上の建物なら階段の位置にも注意してください。
人の動き(動線)にも気を付けてみましょう。
ゾーニングが終わったら、次は線に合わせて大まかな間取りを決めます。
二階建て以上の場合は上の階の間取りから書くと良いでしょう。
この時は、玄関や窓も入れて、実際に玄関や窓が開いた時のイメージも考えてみましょう。
方眼ノートなら、2マスで畳1帖分1.82メートル、正方形にして4マスで1坪(1.82メートル×1.82メートル)と考えると書きやすいです。
住宅メーカーが「メーターモジュールを採用します」といっている場合は1マス1メートル、2マスで2メートル畳1帖分も2メートルのイメージになります。
エクセルでの間取りの書き方
ここまで準備ができたら、いよいよエクセルで間取り図を書いていきます。
エクセルを立ち上げ、罫線を正方形の形にします。
まず、エクセルの左上の部分をクリックし、全選択にします。
全選択にして罫線のマスを正方形に近い形にします。
全選択にしたら幅を「5」文字にしてクリックします。
次に、縦は「30」ptにしてクリックします。
すると、100%の画面でおよそ2マスで1.82cmになります。
私のパソコンで上の数値にすると、100分の1の縮尺のサイズの正方形が作れました。
これで、イメージした部屋が作りやすくなります。
次に、下書きで作った間取りにそって部屋を書いていきます。
不安な人は、同じ画面を他のシートにコピーしておきましょう。
部屋の大きさが決まったら、セルを結合していきます。
この時も二階建ての住宅なら、二階の間取りから書いていくと、一階を書くときに階段やベランダの矛盾が生まれにくくなります。
全体の部屋の間取りが決まったら、外壁の線を引きます。
太線が良いでしょう。
次に、中くらいの線で内壁を引きます。
最後に、押し入れやクローゼットなどの収納の位置や出入り口を決めます。
出入り口は玄関だけでなく、ベランダやバルコニー、庭に出るサッシの引き違い戸も出入り口になります。
玄関ドアの片開き戸や引き違い戸は、正確に書くことが難しいなら、▲のマークで大丈夫です。
階段の上り下がりの矢印も入れておくと良いですね。
ここに玄関ドアが来ます、といったマークを書き込んでおきましょう。
最後に「挿入」をクリックし、図形を出します。
ここから、出入り口や窓、収納などのマークを作り、挿入していきましょう。
間取りのレイアウトだけでいい場合は、出入りの場所だけを線で表しておけば十分です。
今回は間取りのため、ここまでの書き方で充分ですね。
エクセルだけを使った間取りの書き方は以上になります。
本格的な間取りの書き方ができるエクセル用テンプレート
今回はエクセルを使った住宅の間取りの書き方をご紹介しましたが、ワードを使う間取りの書き方もあります。
ワードの場合は、方眼を作ることが難しいため、専用のテンプレートをダウンロードして書くことになります。
エクセルでも専用のテンプレートがあり、これをダウンロードするともう少し本格的な間取りを書くことができます。
テンプレートの画面の指示に沿って、自分が書きたい間取りを書いていくと、簡単に住宅の間取り図ができます。
テンプレートを利用した間取りは、本格的なものに仕上がり、壁の厚さや出入り口のマーク、キッチンやトイレ・バスタブ・家具なども置くことができます。
無料でダウンロードできるものもありますので、本格的な間取り図や平面図を書いてみたいという人には良いかもしれませんね。
ネットで住宅の情報を探すと出てくる間取り図の中には、こういったテンプレートを利用して書かれているものもあります。
建築士が書いた本格的な平面図は、図面の中に間柱の位置や電気の差込口、換気扇など詳細も書かれているため、間取りだけを見ることには適していません。
色々なことが書かれすぎているので、素人が見ても、何が書かれているかよくわからないからです。
そのため、こういったテンプレートを利用して書いた間取り図が、最近は主流になっているのです。
エクセルの間取りではわからないところを内覧でチェック!
住宅を販売したり貸しているメーカーでは、エクセルやワードで作れるテンプレートを利用して書いた間取りを、サイトや雑誌に掲載しています。
建築士が書く平面図には、電源の差込口や換気扇、エアコンの取付場所なども書いてあります。
側面図になると、窓の高さや柱と柱の間に入る筋交い、部屋と部屋の間の段差なども書いてあります。
「電源の差込口なんてどこでもいいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、家具やベッドを置いた時に電源の差込口が隠れてしまうと、見た目はきれいですが、実際に利用する時には不便です。
また、エアコンの取り付け口がどこについているかによって、エアコンの大きさも決まってきます。
こういった情報は、エクセルで書いた間取り図ではわかりません。
エクセルを使った間取りの書き方では、テンプレートを利用しても、ここまで細かいことはできないからです。
モデルハウスや家の内覧会では出来上がった家を見ることができるので、実際の家を見て使いやすい、使いずらいを判断することができます。
住宅を購入する場合は数千万円以上のお金がかかりますので、しっかりと見て購入しますよね。
しかし、賃貸の場合はネットで探して、その中から選ぶことが多くなります。
賃貸でも、そこで生活する以上は、妥協で決めた部屋ではなくしっかりと気に入った部屋を探すことが大切です。
前もって、必ず内覧をしましょう。
内覧の時には、全体の清潔感や新しさ、広さを確認することも大切ですが、ネットの間取りではわからない細かいところもしっかりと見るようにしましょう。
エクセルを利用して間取りを書こう
家を建てる時、自分が気に入った家を建てるためには、3回建て直すことだそうです。
しかし、家を3回も建て直すのはなかなか難しいですね。
今、賃貸の家に住んでいる人、これから新しく家を建てたいと思っている人は、事前にエクセルで間取り図を書いてみましょう。
エクセルの間取りの書き方は、意外と簡単でしたね。
間取り図を書いたら、イメージをしてみてください。
そして何年か経ったとき、自分が家を建てる時に、その中から最も気に入った間取りを選んで、家を建てて下さい。