突然アパートの管理会社が変わるという通知が来たら、どうしていいかわからない人も多いのではないでしょうか。
「詐欺の可能性もあるのではないか」「以前と同じように住み続けられるのか」「再度いろいろな手続きをする必要があるのか」など、様々な心配がありますよね。
今回は、アパートの管理会社が変わるという通知が来た場合に、入居者が注意すべきことについて詳しくお話しします。
管理会社が変わる通知に見せかけた詐欺がある!?
まず注意したいのが、管理会社が変わるという通知に見せかけて、家賃をだまし取る詐欺の可能性です。
実は、こういった詐欺は実際に起こっています。
通知文に偽の口座番号を記載してそこに振り込ませる手口なので、入居者が入金してしまうと取り戻すのはかなり難しいようです。
ひと月分の家賃といえば高額ですので、必ず念入りに確認をしましょう。
この時確認の連絡をするのは、通知を出した新しい管理会社にではなく、従来の管理会社のほうです。
手元にある契約書や、アパートにある管理看板に記載のある電話番号に連絡して、管理会社が本当に変わるのか、新しい管理会社がどこになるのかを確認しましょう。
ここで確認を取ることができれば、まず大丈夫です。
ちなみに巧妙な詐欺の場合、従来の管理会社の名前でいったん通知をしてから、新しい管理会社の名前で再度通知をするケースもあるようです。
従来の管理会社からの通知があったからといって安心せず、必ず電話で事実確認をすることをお勧めします。
アパートの管理会社が変わる理由は?
アパートの管理会社が変わるのは、どんな理由があるのでしょうか?
理由はいろいろありますが、まず多いのは前管理会社の管理にオーナーが不満を持っていた場合です。
空室が多かったり、入居者への対応が遅かったりすると、オーナーが他の管理会社に相談をして変更になるケースがあるようです。
他には、新しい管理会社のほうがサービスが良く、積極的に営業をしているケースが多いです。
近年は管理会社も管理獲得のため自社のサービスに力を入れていますので、管理手数料が安かったり清掃の頻度が高かったりすると、オーナーとしても変更したくなるようです。
入居者としてはあまり関係ないと感じるかもしれませんが、管理会社によってアパートの住み心地が変わることも少なくありません。
もし教えてくれるようなら、新しい管理会社に変更になった理由を尋ねてみても良いですね。
アパートの管理会社が変わると家賃の支払い方法も変わる?
アパートの管理会社が変わると家賃の振込先も変更になるため、家賃の支払い方法を変えなければならないことがあります。
厄介なのは、今まで便利にクレジットカードの自動支払いや口座自動引き落としができていたのに、自動での支払いができなくなるケースです。
自動での支払いができなくなると、毎月振込手続きをしなければなりません。
また、新たにクレジットカードや口座の自動支払いの手続きができたとしても、管理会社が変わったことで毎月の手数料が高くなるケースもあります。
このように、入居者にとってマイナスがあるとき、家賃の振込先の変更について断ることができるのでしょうか?
結論としては、振込先の変更を断ることはできません。
しかし、変更された口座に入居者がどう賃料を支払うかは選択できる場合があります。
管理会社が提示してきた自動引き落としの手数料が高ければ、毎月銀行やATMからキャッシュカードで振り込み手続きをすることが可能な場合もあります。
この時、同じ銀行のキャッシュカードを使用すれば、手数料も最低限で済みます。
逆に、口座自動引き落としをしたいのにできないという場合は、手持ちの銀行口座で自動送金手続きをする方法があります。
ただし、自動送金手続きの手数料はやや高めの銀行が多いので、手数料をよく確認して他の方法も検討することをお勧めいたします。
管理会社が変わると書類は引き継がれるの?
アパートの管理会社が変わる時、入居者が今まで提出している賃貸借契約書やその他個人情報の書かれた書類はどうなるのでしょうか?
結論としては、原則として書類は全て新管理会社に引き継がれます。
ただ例外として、一部の書類が引き継がれない場合があります。
引き継がれるのは、賃貸借契約書や賃借人、連帯保証人の身分証明書の写し、収入証明などの書類です。
一方、引き継がれない可能性のある書類は、家財保険の契約書、入居申込書などです。
家財保険については、管理会社が変更になると、次の更新時に新管理会社の家財保険に変更するよう勧められることが多いです。
入居申込書が引き継がれなかった場合は、新管理会社から入居者の勤務先や緊急連絡先などの提出を求められることがあります。
管理を円滑に進めるための手続きですので、できるだけ協力することが望ましいですね。
管理会社が変わるとサービスのレベルが変わる?
管理会社が変わると、入居者に対してのサービスが良くなるのでしょうか?
前管理会社に不満があるから管理会社を変えることが多いと書きましたが、その不満とは入居者対応ばかりとは限りません。
例えばオーナーによっては、アパートの清掃や点検にかかる費用が高すぎて不満だったり、手厚いリフォーム工事の費用が経営を圧迫していたりすることもあるのです。
そのため、新管理会社に変わってから管理内容が簡素になり、その結果入居者へのサービスが悪くなってしまうということも起こり得るのです。
ただし、そういったことばかりでなく、管理が代わって引き継ぎができていないだけ、ということも中にはあります。
特に、気温や季節が変わって起こるようなことは、新管理会社も気づくのは難しいものです。
もし入居者として気づくことがあれば、できるだけ新管理会社に情報提供すると良いでしょう。
アパートの所有者が変わって管理会社も変わるケースがある?
アパートが売却されて所有者が変わり、それに伴って管理会社も変わるというケースがあります。
所有者も変更、管理会社も変更となると、入居者としては大変不安になりますね。
こういった場合でも原則的に書類は全て新管理会社に引き継がれます。
また、賃貸借契約も新所有者に引き継がれるので、入居者はそのままの条件で住み続けることができます。
ただ、やはり所有者が変更になるため、アパートの経営方針が変わる場合があります。
例えば、今までは家賃が安くても優良な入居者を入れたいという方針だったのが、できるだけ家賃を高くし入居者の質は問わないという方針に変わるということもあるでしょう。
その場合、やはり素行の悪い入居者が増えますし、アパート全体が荒れたようになることもあります。
またその逆で、今まで空室が多く荒れていたアパートが、清掃が行き届いてきれいになり、入居者が増えるようになったというケースもあります。
所有者の変更については、入居者としては良くなるか悪くなるか運次第といったところでしょうか。
アパートの管理会社が変わる時、入居者として積極的に協力しよう
アパートの管理会社が変わる場合に、入居者が注意すべきことについてご紹介しました。
特に、家賃を騙し取る詐欺については、十分に注意していただきたいと思います。
管理会社変更時には、入居者としては煩雑な手続きが多く辟易するものです。
しかし、今後の管理が良いものになる可能性があるので、積極的に協力し情報提供をしましょう。