新築の住宅を建てた後に、「失敗した!」と気づくことで多いとされることのなかに、「コンセント」のことがあります。
家自体のことで頭がいっぱいになり、コンセントの位置や数のことは意外にも忘れがちで、適当に決めてしまい、住み始めてから不便なことに気がつくケースが多いと言われています。
そこでここでは、新築の住宅を建てる際に、コンセントで失敗しないようにするためのポイントをご紹介します。
新築住宅を建ててから気づいた!「コンセントの失敗」とは?
新築の住宅を建てた後によくある「コンセントに関する失敗」ですが、具体的にはどのようなことで後悔している場合があるのでしょうか。
失敗例には、おもに次のようなことがあります。
●掃除をしたときに「コンセントが足りない」ことに気づいた
コンセントの数が足りないことや、部屋の中途半端な位置に付けてしまったことにより、掃除機を使用中に何回もコンセントを差し替えなければならないという失敗です。
●家具を置いたらコンセントの位置がかぶってしまって使いにくい
食器棚や洋服ダンスなどのように大きな家具を置いたときに、コンセントの位置とかぶることに気づいたというものです。
その状態でコンセントを使用するためには、家具を置く位置を必要以上に手前にしなければならなくなり、壁とのすき間が大きい分、ホコリやゴミなどがたまりやすくなってしまうことも考えられます。
●キッチンでは小型家電の数が多く、コンセントが足りなかった
キッチンでは、炊飯器やトースター、電子レンジなどのような小型家電が多く、同時に使用する可能性も高いので、コンセントが足りないと作業に時間がかかってしまいます。
新築住宅でコンセントの失敗を防ぐために!数の目安
新築で住宅を建てる際のコンセントでの失敗を防ぐために、まずはコンセントの数の目安を見ていきましょう。
前章でご紹介したように、コンセントでの失敗例を見てみると、「コンセントの数が足りない」ということが大きな原因となっていることがわかります。
それでは、1部屋につき、コンセントはいくつくらいあれば困らずに済むのでしょうか。
コンセントの数は多いほど良いかもしれませんが、居室での目安としては次のようになります。
・4畳半~6畳:3個
・6畳~8畳:4個
・8畳から10畳:5個
特に、リビングでは、テレビ・DVDプレーヤー・テレビのアンテナ・ゲーム機など、テレビ周りで電気を使うものが多くなります。
そのため、使用する電化製品の数を前もって数えておきましょう。
もし、コンセントが足りなければ、タコ足配線を使う手段もありますが、できるだけ直に差し込めるようにしたいものです。
また、キッチンでは6個程度あると良いとされています。
洗面所やトイレ、廊下や玄関にも2個程度あると便利です。
このように、コンセントの数の目安としては、上記のようになります。
しかし、コンセントについて検討するうえで、何個あれば良いという数を決めるだけでは、住み始めてから「失敗した…!」ということになりかねません。
それでは、コンセントの数以外には、どのようなことを考えたら良いのでしょうか。
コンセントの数も大切!付ける場所や高さはもっと重要?
1部屋に何個くらいのコンセントがあれば良いのかについては先ほどお話しした通りですが、コンセントの数を決めるだけでは、後になって「失敗した」と感じることが出てくるかもしれません。
新築住宅を建てる際に、コンセントで失敗をしないためには、数だけではなく、場所や高さについても検討することが必要です。
電化製品には、高い位置に設置するものや、高い位置で使用するものがあります。
高い位置にコンセントがあると良いものとしては、エアコン・冷蔵庫・洗濯機などが挙げられるでしょう。
特に、エアコンは一般的に、天井近くに設置されるものですので、コンセントも上部にあることが理想的です。
そして、冷蔵庫や洗濯機などは床に置くものですが、一度置いてしまえばほとんど動かすことはありません。
そのため、高さの低い位置のコンセントに差し込んでいると、ホコリなどがたまりやすくなってしまいますので、なるべく高い位置にコンセントを付けることをおすすめします。
また、パソコンを使用する場所にも、高い位置にコンセントがあると便利です。
パソコンは、基本的にはテーブルや机の上で使うものですので、テーブルの上で使用するのにコードが届く範囲でコンセントを付けると良いでしょう。
新築住宅を建てる方におすすめ!コンセントがあると良い場所
新築の住宅を建てるためにこれからコンセントの位置を決めるという方に、コンセントがあると便利だという場所をご紹介します。
●玄関(シューズボックスの上)
通常であれば、玄関にもコンセントを付けるかと思いますが、「意外にあると便利」という場所のなかに、シューズボックスの上というのが挙げられます。
いずれ、水槽を玄関に置きたいという場合や、おしゃれなランプなどを置きたいという話になったときに、シューズボックスの上の高さの位置にコンセントがあると使いやすいでしょう。
●トイレ
トイレにも、コンセントが2つくらいあるのが理想的です。
固定で使用するものとしては、ウォシュレット便座があり、それに使用するコンセントは、トイレの奥側にあっても良いでしょう。
もう1つは、ドアに近い側に付けることにより、冬場に暖房器具を置いて使用するのに便利です。
●納戸のなか
掃除機やスポーツ用品など、普段使わないものを入れておく納戸ですが、納戸のなかを掃除したいときや、充電式の掃除機を充電する場合に、コンセントが納戸のなかにあると便利でしょう。
●階段の上下の踊り場
納戸と同様に、階段を掃除する際に掃除機を使用するためにコンセントが必要になります。
上記のような場所にコンセントを付けることにより、「失敗した…」というのではなく、「付けて良かった」と思えることでしょう。
コンセントで失敗しないために知っておこう!電気の容量
これまで、新築の住宅を建てる際に失敗しないように、コンセントの数や付ける場所についてお話ししてきましたが、他にもコンセントに関して知っておいたほうが良いことがあります。
コンセントには、その回線で使用できる「電気の量」というものが決められています。
一般のご家庭用のコンセントでは、1つのコンセント(穴の合計)で使用できる容量は「1500Wまで」となり、回路1つにつき「2000Wまで」と決められていることが多くなっています。
容量以上のものを一度に使用してしまうと、安全を損なう可能性もありますので、それぞれの電化製品の消費電力を知り、考えながら使用することが必要です。
それぞれのメーカーや機種により違いはありますが、おもな電化製品の消費電力は、次のようになっています。
●炊飯器:1300W前後
●オーブントースター:1300W前後
●コーヒーメーカー:800W前後
●テレビ:300W前後
●アイロン:1200W
●ドライヤー:1200W
このように見ると、先述したように、1つの回路につき2000Wまでと決められていますので、オーブントースターとコーヒーメーカー・炊飯器を同時に使用することは避けたほうが良いということがわかるでしょう。
消費電力が大きい電化製品をいくつも使用する可能性のある場所は、「回路を分ける」ということも検討してみてはいかがでしょうか。
もし、電力のことで迷った場合は、電気の専門の方に相談してみましょう。
家の外側にもコンセントが必要!?その用途とは
電化製品というのは、家のなかで使用するというイメージがあるかもしれませんが、じつは、家の外でもコンセントが必要になる場合があるものです。
具体的には、次のようなものがあります。
●車庫などの防犯センサー
●車を掃除する際に使用する掃除機・高圧洗浄機
●庭の芝を刈る際に使用する芝刈り機
●庭などをイルミネーションで飾る場合
このように、意外にも家の外でも電気を使用する機会があります。
新築の住宅を建てるときであるからこそ、後になって「失敗した」と思うことのないように、実際に住んでいることを想像して、家の外側のどの辺りにコンセントがあると良いかも検討しましょう。
しかし、家の外になりますので、雨風にあたる可能性も考えられます。
そこで、水に濡れて漏電や劣化してしまうことを防ぐためにも、防水のものを付けると良いでしょう。
また、外にコンセントがあると、夜間などに通りがかかりの人に使用される恐れもありますので、フタ付きや鍵のかけられるタイプのものを付けることをおすすめします。
新生活をイメージしながらコンセントの位置もしっかり決めよう!
これから新築の住宅を建てる場合に、コンセントの数や位置について、どのようなことに気をつければ良いのか、おわかりいただけたでしょうか。
コンセントを付ける位置や高さ、数についても大切なことですが、電気には「決められた容量がある」ということも忘れないようにしてください。
電気の専門の方と相談をしながら、生活しやすい場所にコンセントが付けられるように決めていきましょう。