アパートの契約には更新があり、その際に更新料を取られることがあります。
なかには更新料の設定に不満を感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
また、退去の連絡を翌月の家賃が発生しないと取り決められた時期に行ったにも関わらず、翌月も変わらずに引き落としがされてしまうこともあるようです。
この場合、更新料は返金してもらえるのでしょうか。
ここでは更新料にまつわる疑問や注意点についてお答えしていきます。
返金してもらいたい!アパートの更新料の意味とは?
アパートの契約は、一般的に2年間で設定されていることが多いです。
もし、契約期間を満了した後も継続して住み続けたい場合は契約を更新する必要があり、物件によっては更新料が必要になるところもあります。
当たり前のように請求されることもある更新料ですが、なぜ設定されているのか素朴に疑問を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、更新料が設定された元々の意味について考えていきましょう。
更新料がなぜ設定されているかというと、月々の家賃の負担を抑える代わりに、別の形で徴収するという意味があったようです。
ただ、更新料の設定によって月々の家賃は低く設定されているかもしれませんが、更新料分の請求も更新時にはされることから、トータル的には支払っている金額は更新料がない物件と変わらないということになります。
家賃だけに注目すると低いほうがいいと思いがちですが、更新料がある場合はトータル的な支払いにも注目する必要があるでしょう。
また、退去が更新間際の場合、更新料の引き落としがされてしまい、返金してもらえるのかなどの問題も発生してきますので注意が必要になります。
アパートの更新料!設定してない地域なら返金不要
アパートの更新料ですが、実は地域によって違いがあるのをご存知でしたか?
今住んでいる地域しか知らない場合は、違いに気づかないこともあるでしょう。
仕事の都合上、全国を転勤で引っ越しするような方は、地域によっての違いにとまどうこともあるかもしれません。
こちらでは、全国のアパートなどの賃貸物件での更新料の傾向をお伝えしていきます。
まず注目したいのが、関東圏で更新料を設定している物件の多さです。
平成17年度4月から18年度3月までの1年間のあるデータによると、東京都は65%ですが、神奈川・千葉などは80%を超えており、設定率の高さがうかがえます。
一方、大阪・兵庫では更新料を設定している物件が調査では0%であることから、この地域は更新料の設定がほとんどないと言っても良さそうです。
更新料の返金などの煩わしさがない分、請求が家賃だけであるのはシンプルで分かりやすいかもしれませんね。
それでは、京都ではどうかと言うと、更新料物件の割合が55%程度とのことでしたので、物件としてはほぼ半々の割合でしょうか。
ただし、京都の場合は更新料を2ヶ月や3か月で請求されることが多いようですので、更新料がある物件を選ぶか選ばないかでの差が大きく出そうです。
関東圏では更新料は家賃の1ヶ月分というところが多いことからみても、京都の更新料の高さは際立った数値であると言えます。
その他の地域では、15~40%位までが多いようです。
アパートの更新料の請求!必ず払わなければいけないの?
アパートの更新料の有無や額は、地域によって差があることをお伝えしてきました。
大阪や兵庫なら更新料がない物件が沢山あることから、支払いへの不満や返金などのトラブルも起きにくいことでしょう。
それでは、更新料がある物件に住んでいる場合、更新日が近づいてきたものの支払うことに納得がいかない方も中にはいらっしゃるかもしれません。
その場合、支払いを拒否することはできるのでしようか?
更新料に関しては、裁判で実際に争われています。
その中の判例として、「更新料は家賃の前払い的な意味があり、賃貸借契約を有効に続けるためのもの」とされたものがあります。
これは、更新料が有効なものであると判決していることになります。
基本的には更新料の請求にはきちんと支払う必要があるということになるのです。
ただし、これには条件があります。
更新料のことが賃貸借契約書にしっかりと盛り込まれていることが条件なのです。
賃貸借契約書に記載があり、不当に高額な更新料でなければ、更新料の請求には応えなければいけないと覚えておきましょう。
更新間際の退去!更新料の返金はしてもらえる?
アパートの更新料は基本的に払う形が正解のようでしたね。
それでは、正当な理由で返金してもらえる場合をこちらで確認していきましょう。
返金してもらえる例として、「更新が間近で退去の連絡を契約通りの退去1ヶ月前に連絡したにも関わらず、更新料が引き落とされてしまった場合」があります。
これは、家賃なども自動引き落としになっているために起こったトラブルだと考えられますが、更新しない旨を退去1ヶ月前に連絡している場合は、この更新料の引き落としは返金されるはずです。
おそらく管理会社などの手続き上の遅れなどが原因かと思われますので、一度管理会社のほうへ確認をしてみましょう。
また、退去日の連絡を電話でした場合、言った言わないのトラブルも考えられますので、伝えた相手を覚えておくことや、文書でも伝えておくことによってこのようなトラブルを防ぐことも大切です。
アパートの更新が過ぎてからの退去!返金は?
アパートを更新する連絡を管理会社に連絡して更新料が引き落とされた後、引っ越しする必要性から急に退去しなければならないこともあるでしょう。
この場合、更新料は返金してもらうことができるのでしょうか。
基本的には、更新するとの契約を交わした以上、一度支払った更新料の返金はされません。
ただ、更新日からどれくらい経過したかにもよると思いますが、数日から1週間程度であれば更新料を返金してもらえる可能性はあります。
ただし、これは貸主との交渉次第ということですので、あくまでも相談という形であり基本的には返金してもらえないというスタンスでいたほうが良いでしょう。
退去が更新日に近い場合は注意が必要になってきます。
特に、更新後の引っ越しの場合は更新料が戻ってこないのが基本ですので覚えておきましょう。
アパートの更新料を払わなかった場合はどうなる?
アパートの更新料、更新日が来たら基本的には払わなければなりませんが、もしこの更新料を支払わなかった場合はどうなるのでしょうか?
まずは支払いの請求がくるはずですが、それを拒み続けている場合、最終的には契約違反を理由に退去通告を受けることになるでしょう。
契約書に更新料の記載がされており、不当に高額な金額でない場合は支払いの義務が基本的にあるためです。
最悪の場合は、退去通告だけでなく訴訟問題にまで発展してしまうこともあります。
このようなトラブルを避けるためには、できるだけ更新料の支払いがあるアパートは避けるか、更新日前での引っ越しをしましょう。
更新日前での引っ越しなら、基本的に間違って引き落とされて返金してもらう心配もありませんよね。
ただし、更新料を支払いたくないばかりに更新日前に引っ越しをするのは少し早合点かもしれません。
更新料を払わずに済んだとしても今度は新しい物件での諸費用がかかってきますし、何より新たに引っ越し代が発生してしまいます。
単に更新料に注目するのではなく、物件を変えた時にかかる費用についても考える必要が出てきますので、その点は注意してください。
アパートの更新料は退去日に注意しよう
アパートの更新料は基本的に支払うことが決まっていますので、更新料の支払いを免れることは難しいです。
ですから、退去が決まっている場合は、更新日をまたがない日程にすることが大切です。
また、アパートの更新料は誤って引き落とされてしまった場合は返金してもらえますが、更新日を過ぎた場合の返金は基本的にしてもらえませんので注意しましょう。