BSについて、どの程度ご存知ですか?
BS(BSデジタル放送)は、人工衛星を利用した放送です。
地上波デジタル放送と違い、「宇宙」を中継して配信しているため、視聴に専用のアンテナが必要となります。
こちらの記事では、意外と知らないBSの特性やBSを視聴するために必要なツール、契約などについてご説明します。
また、暮らしの中で知っておきたい「NHKのBS契約」と「アンテナの有無」との関係性などについてもお話ししていきます。
BS・CS・地上波とは?デジタル放送について改めて知っておこう!
テレビやパソコンで視聴できるデジタル放送には、
・地上デジタル放送
・BSデジタル放送
・CSデジタル放送
の3種類があります。
地上デジタル放送は、放送局からの電波をテレビ塔や山頂の中継地点を経由して、映写装置(テレビやパソコン)に配信する放送です。
これに対して、BSとCSは、2つとも「人工衛星」を利用した放送で、放送局からの電波を一度宇宙の衛星に送り、衛星を中継して各映写装置に配信する放送です。
BSは「Broadcasting Satellite(放送衛星)」の略、CSは「Communication Satellite(通信衛星)」の略で、共に衛星を介していますが、この2つには大きな違いがあります。
BSは、テレビ放送の目的で打ち上げられた衛星を利用しているのに対し、CSは、主に企業の通信目的で打ち上げられた衛星を一般向けに利用しており、使われている衛星が違うのです。
この2つの放送を視聴するためには、対応する専用の「チューナー」と、宇宙からの電波を受け取る「アンテナ」が必要となります。
日本のデジタル放送には、民放が提供する無料の放送と、受信契約が必要な有料の放送、NHKのような運営費用を支払って視聴する公共放送などがあります。
それでは、BSは、他のデジタル放送とどのような違いがあるのでしょうか。
「BS」の特性とは?契約するとどんな番組が視聴できる?
BSデジタル放送では、どのような番組を観ることができるのでしょうか。
一般的な地上波デジタル放送と、どのような違いがあるのかご紹介していきます。
BSには、地上波と同じように、無料放送で配信している民放チャンネルと、受信料を払って視聴する公共放送の「NHK BS1」と「NHK BSプレミアム」があります。
さらにBSでは、有料放送で配信している以下のような民放チャンネルがあります。
●BSデジタル放送の「有料」民放チャンネル
・WOWOWプライム
・WOWOWライブ
・WOWOWシネマ
・スターチャンネル1
・スターチャンネル2
・スターチャンネル3
・グリーンチャンネル
・BSアニマックス
・FOXスポーツ&エンターテイメント
・BSスカパー!
・J SPORTS 1
・J SPORTS 2
・J SPORTS 3
・J SPORTS 4
・BS釣りビジョン
・シネフィルWOWOW
・日本映画専門チャンネル
・ディズニー・チャンネル
上記のような各放送局とそれぞれ契約し、月額視聴料を支払えば、いろいろなジャンルの番組を観ることができます。
有料放送には、映画やアニメ、スポーツや釣り、音楽やディズニーなど、専門チャンネルが多くあります。
そのため、地上波だけでは物足りないという人におすすめです。
また、地上波のチャンネル数が少ない地域や、山など障害物の多い地域でも、BSは視聴することができるというメリットを持ちます。
BSは、チューナーとアンテナ設置さえすればすぐにでも視聴が可能なので、趣味や受信状況など、自分の視聴環境に合わせて利用するとよいでしょう。
なお、こちらでご紹介した番組は2019年時点のラインナップですので、「契約したい」と思われた方は、見たい番組が放送されているか確認してから契約しましょう。
BSを視聴したい!見るために必要なアンテナや契約はどうしたらよい?
それでは、実際にBSを視聴したい場合、具体的にどのような手順を踏めばよいのでしょうか。
まず必要なことは、BSを受信する設備が整っているかどうかを調べることです。
BSを視聴するには、専用のアンテナが必要です。
まず、自宅にBSアンテナが設置されているかどうか確認しましょう。
中古物件やアパート・マンションなどでは、元々アンテナが設置されているケースがあります。
アンテナの有無を確認し、設置がない場合には、アンテナを購入して取り付けます。
この他、自宅のテレビに「BSチューナー」が内蔵されているかどうかの確認も必要です。
これは、リモコンやテレビの後ろ側を見ると分かります。
リモコンの場合は、BSボタンがあれば対応機種となります。
また、テレビの後ろ側で確認する場合は、「アンテナ入力」の記載と「BS・110度CS」の記載があれば、チューナーが内蔵されていることになります。
古いアナログテレビなどをお使いの場合は、対応していないこともあります。
そのような場合は、専用チューナー付きのレコーダーや対応のテレビが必要ですので、確認の上、購入を検討しましょう。
BSは、設備以外に「契約」が必要な場合もあります。
前項でもお話ししたように、有料チャンネルを視聴したい場合は、各放送局との契約が必要です。
契約については、各放送局に問い合わせましょう。
視聴料金は、放送局によって異なり、800円前後のものから2,500円前後のものがあります。
BSの視聴に必要なアンテナ!無い場合は購入して設置しよう
「BSを視聴したけれどアンテナがない」という場合には、契約などの作業の前に設備を整える、専用アンテナの「購入」と「設置」が必要となります。
アパートやマンションの場合には、BSアンテナが設置可能であるかどうか、大家さんや不動産会社に確認しておきましょう。
取り付けは、業者に依頼する方法と、自分でキットを購入して取り付ける方法があります。
アンテナの取り付けは、さほど難しいものではありません。
アンテナキットで購入すれば、取り付けアームやケーブルも付属されているので、自分でも取り付け可能です。
いろいろなメーカーのものがあるので、ネットショップなどで価格や受信の安定性など比較して、自分に合うものを見つけてみるとよいでしょう。
アンテナの取り付け場所は、大抵ベランダの手すりや支柱が多いですが、直接取り付けると傷つくおそれもあります。
アパートやマンションなど、傷に注意が必要な賃貸物件の場合は、ベランダでも室内でも置くだけで使える「自立スタンド式のアンテナ」もおすすめです。
BSアンテナの設置とその際の注意事項
各放送局と契約していろいろなBSチャンネルを楽しむには、契約以前に「アンテナの設置」が必要ですが、設置の際、どんな準備をしたらよいのでしょうか。
こちらでは、BSアンテナの設置時に必要なアイテムや、設置の際の注意事項についてお話しします。
BSアンテナの設置時には、以下のアイテムが必要です。
・「BS・110℃CS」アンテナキット
現在では、衛星放送アンテナは、BSとCSの両方に対応したアンテナが主流です。
同方向から受信できる110℃CSにも対応のアンテナを購入すれば、スカパーなどさらに幅広い分野の放送を楽しむことができます。
・ケーブル
付属のケーブルの他に、視聴環境の良くなるケーブルや、窓を経由しても窓がしっかり閉められる隙間ケーブルなど、状況に応じたケーブルが販売されているので選んで利用しましょう。
・プラスドライバー
BSやCSのアンテナ調整時に必要です。
・BSコンパス
衛星の位置が確認できるアプリです。
このBSコンパスを使うと、アンテナの方向確認が簡単にできます。
これらのアイテムを準備した上で、説明書通りに取り付けを行いましょう。
取り付けの際には、注意事項がいくつかあります。
1.BSアンテナはなるべく高い位置に固定すること
障害物を避け高感度で受信できるようにします。
2.アンテナ入力をよく確認して間違えないようにケーブルをつなぐこと
差込口が間違っているためBSが観れないケースが割とあるので、気をつけましょう。
3.受信レベルを見ながらアンテナの角度を微調整すること
観れないチャンネルが無いよう、しっかり調整しましょう。
NHKのBS契約とアンテナの有無の関係性は?
BSは、受信設備さえ整えれば、視聴可能です。
有料チャンネルも、契約さえすればすぐに楽しむことができます。
ただ1つ、BSアンテナの設置に関してよく挙げられる疑問点があります。
それは、NHKのBS契約についてです。
「BSアンテナを設置したら、公共放送のNHKと衛星契約をしなければならないのだろうか」といった疑問が多く挙げられています。
結論からいうと、BSアンテナが設置され受信設備が整っている場合には、基本的に契約をしなければいけません。
NHKの受信料の支払いに関しては、法律で以下のように定められています。
「協会の放送を受信することができる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」
このように、法律で定められているため、状況によって支払い義務が成り立ちます。
ただ、テレビを持っていない・BS分配器がないなど、視聴が可能でない環境の場合には、契約を回避することもできるので、NHKの訪問員に事情を理解してもらうようきちんと説明しましょう。
最近のアパートやマンションでは、ニーズに応えてBSアンテナが付いている物件がほとんどです。
受信設備が整った状況で、BS利用を考えていないからと契約を断ることは現状なかなか難しいので、契約の可能性について頭に入れておきましょう。
BS放送について知識を深めて利用してみよう!
BSでは、専門チャンネルなど多彩な番組が視聴可能です。
衛星放送のため、BSアンテナを設置し設備さえ整えれば、場所を選ばず視聴することができます。
契約せずに無料で視聴できる民放チャンネルも地上波に匹敵する数で存在し、有料ですが地上波では観られないような専門チャンネルも多く配信されています。
これを機に、BSの魅力を再確認して視聴してみてはいかがでしょう。