賃貸住宅を探す際、建物の構造を確認していますか?
家賃や立地条件、築年数しか見ていないという人もいるのではないでしょうか。
賃貸住宅の構造として多いのが木造ですが、遮音性や防音性を気にするのであればRC造がおすすめです。
コンクリートの壁厚がしっかりした物件であれば、高い遮音性・防音性が期待でき、快適な生活にも関わってきます。
それでは、RC造の賃貸住宅について見てみましょう。
RC造とは鉄筋コンクリート造!
みなさんは、不動産会社の賃貸住宅や、売り物件の広告などを見たことがあるでしょうか。
建物の紹介欄には、木造やRC造などの記載があり、これは建物の構造をあらわしています。
住宅に使われているのは木造が一般的ですが、ほかにもS造やRC造、SRC造などがあり、S造は鉄骨造、RC造は鉄筋コンクリート造、SRC造は鉄筋鉄骨コンクリート造を意味します。
賃貸住宅に住んだことがある人で、特に騒音に悩まされたことがある人は、RC造やSRC造の住宅を中心に探しているという人も多いでしょう。
上記の構造の中でも、今回の記事ではRC造にスポットを当ててお話ししていきます。
RC造は鉄筋コンクリート造という意味であるとお伝えしましたね。
もう少し詳しくご説明すると、RC造のRCとは「Reinforced Concrete」のことで、補強されたコンクリートという意味です。
鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込み、固めて建物を構築します。
鉄筋は引っ張る力に対しては強く、熱に弱くさびやすいという特徴を持ちます。
一方、コンクリートは熱に強く引っ張る力に弱いという特徴を持ちます。
このふたつを合わせることにより弱点を補い合い、建物の強度を増しているのです。
柱・梁・床・壁が鉄筋コンクリートで構成されているのですから壁厚もあり、遮音性・防音性も高いのです。
RC造住宅のメリットは耐火・耐久・遮音!
RC造の主な建材であるコンクリートは不燃材料です。
そのため、高い耐火性が大きなメリットのひとつといえます。
賃貸住宅は集合住宅であることがほとんどですから、耐火性にすぐれていることは住むうえで安心材料にもなりますね。
そして、強い耐久性も持ち、日本に住んでいるからには逃れられない地震にも強いのです。
また、住宅のデザインの自由度も高く、おしゃれでモダンなRC造の賃貸住宅も多く見かけます。
遮音性・防音性を重視した物件ですと壁厚がしっかりあることが多く、周りの環境を気にすることなく生活することができるでしょう。
一人暮らしで静かな生活を楽しみたい人や、子どもが小さくて周辺への騒音が気になるという人には、RC造の住宅がおすすめできます。
壁厚がしっかりあるRC造の住宅は遮音性抜群
木造の集合住宅に住んでいて、近隣の騒音に悩まされたことがあるという人は多いです。
そのため、「次に引っ越すときはRC造に住む」と決めて賃貸住宅を探している人が多いそうですよ。
しかし、注意してほしいのはRC造だからといって、すべての物件が壁厚があって遮音・防音がしっかりしているわけではないことです。
RC造やSRC造であっても、木造と同じくらいの遮音性能しかない建物もあるのです。
鉄筋コンクリートで造られているのに、どうしてなのでしょうか。
一般的に、RC造の住宅というと想像するのは、外壁・界壁(隣家との境界の壁)ともに鉄筋コンクリートでできている物件ではないでしょうか。
このような建物であれば、上下階・隣家の音をしっかりと遮音してくれますので、遮音性・防音性が高い建物といえます。
しかし、壁も鉄筋コンクリート造で壁厚もありますので、その分建築費もかかってる建物となり、造りがしっかりしているため、家賃が高めに設定されていることが多い傾向にあります。
もし、遮音性・防音性にすぐれた賃貸住宅に住みたいと考えるのであれば、RC造という部分だけにに着目せず、壁も鉄筋コンクリートでできているのかなども確認しましょう。
遮音性があまりないRC造住宅もある?!
それでは、RC造なのに木造と同じくらいの遮音性能しかない建物もあるというのは、いったいどういうことなのでしょうか。
実は、RC造といっても外壁のみ鉄筋コンクリートで、界壁が石膏ボードという建物も存在するのです。
外壁は鉄筋コンクリートなので外からの音は遮音できますが、隣家からの音を遮音することは難しいでしょう。
石膏ボードとは、石膏を主な材料としてそれを板状にし、板紙で包んだ建築材です。
安価で丈夫、しかも断熱・耐火性にすぐれているとして、なくてはならない建築材のひとつです。
一般住宅や賃貸住宅を問わず、多くの住宅の間仕切りとしての壁材や天井材として使われています。
しかし、住宅内での間仕切り材が隣家との界壁に使われているわけですから、遮音性・防音性はあまり期待できません。
壁厚は建物によって違いますが、石膏ボードであれば鉄筋コンクリートの壁の遮音性や防音性にはかなわないことがほとんどです。
ただし、建築費は抑えられますので、家賃もその分抑えられていることも多いようです。
壁厚だけじゃない!壁材も確認しよう
RC造といっても、壁材や壁厚によって遮音性・防音性に差があるということがわかりました。
ひとつの目安として、家賃設定を見るという方法もありますが、家賃設定は構造だけでなく立地や築年数も関係してくるため、素人がそれだけで判断することは難しいです。
そして実際に、内見で壁を直接見たとしても、どういう構造の壁なのかを判断するのは難しいのです。
不動産会社によっては壁材や壁厚を教えてくれることもあるようですので、まずは確認してみましょう。
そしておすすめなのは、賃貸住宅の内見の際に壁を叩いてみることです。
叩くといっても本気で叩くのではなく、ノックするような感じで「コンコン」と軽く叩いてみてください。
軽い音、中が空洞になっているような音であれば、石膏ボードなどの壁材が使われている可能性があります。
一方、叩いた感触が重く、叩いてもあまり音がしないような硬い壁であればRC造の壁である可能性が高いです。
見た目でわからなくても、叩いてみると音の違いは、はっきりしています。
はじめは音の違いを見分けるのは難しいかもしれません。
お住まいになっている住宅の壁を軽く叩いてみて、どのような音がするのかを確認しておくといいですよ。
壁厚がなくても遮音・防音できる
遮音性・防音性を重視してRC造の賃貸住宅を探していても、家賃や立地の兼ね合いから、なかなか良い賃貸住宅が見つからないということもあるでしょう。
それであれば、RC造に限定せず、木造や鉄骨造にも視野を広げてみてはいかがでしょうか。
先ほどお話ししたように、RC造でも遮音性・防音性がそれほど高くない物件もあります。
そのような物件に住むのであれば、きちんと防音対策がなされている木造に住んだ方が快適な生活が送れる可能性があるのです。
例えば、間取りの工夫によって、遮音性や防音性を高めている賃貸住宅があります。
一般的に、賃貸住宅は縦長の部屋が横並びにずらっと並んでいる間取りのものが多いと思います。
このような間取りだと、界壁と界壁に囲まれた部屋は上下左右からの音が気になってしまいますよね。
間取りに工夫をしている賃貸住宅とは、例えば部屋と部屋の境界に廊下を配置して界壁部分を極力減らしたり、界壁に収納や水回りを設置して遮音性を高めている物件です。
壁厚があまりなかったとしても、このような工夫があれば遮音性・防音性はかなり違います。
RC造だから遮音性・防音性が高いと考えず、遮音性や防音性を気にした建物であるかの方が大切なのです。
RC造にこだわらず、賃貸住宅に何を求めているのかということから物件を探すと良いかもしれません。
RC造だから遮音性が高いと安心しない
RC造だからといって、必ずしも遮音性・防音性に優れているわけではありません。
壁材や壁厚、建物の構造は、外見を見ただけではわからないものです。
RC造だからといって安心せず、内見の際に壁や間取りなどをしっかりと確認しましょう。
また、RC造にこだわらず、さまざまな物件を見てみることもおすすめします。
木造だったとしても、希望に沿った好物件が見つかるかもしれませんよ。