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退去時のアパートの壁紙の張り替えはだれが負担する?

2019.9.15

住んでいたアパートを退去する際、原状回復が求められますよね。

原状回復に関する項目の中では、壁紙の張り替えに関するトラブルが、最も多いと言われています。

壁紙は、お部屋の面積を大きく占める上、ちょっとしたことで汚れたり傷つきやすく、張り替えになることが多い箇所です。

今回は、壁紙の張り替え費用の負担についてまとめました。

退去時の壁紙の張り替えについて

壁紙はお部屋の面積を大きく占めるものであり、お部屋の印象を大きく左右するものですよね。

ただ、長年住んでいると汚れに気づきにくいものであるため、退去時になぜ張り替え費用を支払わなければならないのかと、借り主が不満に感じることも多いと言います。

しかし、基本的に賃貸物件を借りる入居者は、退去時に「原状回復」の義務が課されます。

原状回復を簡単に説明すると、「退去する際、入居時の状態に部屋を戻すこと」とされています。

ただ、壁紙というものはちょっとしたことで傷つきやすく、また汚れやすいものです。

そのため、原状回復にかかる費用が敷金だけでまかないきれないことも少なくありません。

借り主が、壁紙の張り替え費用を負担する可能性が高いものに関しては、「故意に傷つけてしまった場合」です。

これは、家具を移動させる際に壁紙を傷つけてしまったり、掃除を怠ったことでできた汚れなどが挙げられます。

これらの場合は、アパートの退去時に借り主が張り替え費用を負担することになる可能性が高くなると言えるでしょう。

借り主が壁紙の張り替え費用を負担する可能性が高いもの

先ほど、壁紙の張り替えについて借り主が負担する可能性が高いものは、「故意に傷つけてしまった場合」とお伝えしました。

では、どんなケースが該当するのかさらに詳しく掘り下げてみましょう。

●タバコのニオイやヤニによる黄ばみ

アパートの部屋で長年タバコを吸っていると、壁紙にタバコのニオイが染みついたり、黄色いヤ二が汚れとなって移ってしまいます。

また、傷や汚れの場合、その面だけを張り替えればいいのですが、タバコの場合は壁全体にダメージが及んでしまうことも珍しくありません。

そのため、前面張り替えになるケースも珍しくないのです。

●掃除を怠ったことでできた染みや汚れ

賃貸契約では、借り主に対して「常識的な範囲の掃除」が規定されていることも多いです。

掃除を怠ることでできた染みや汚れに関しては、借り主が負担する可能性が高くなるでしょう。

例えば、料理による油染みや結露を放置したことでできてしまったカビなどが挙げられます。

●ペットの尿のニオイや引っかき傷

ペット特有の尿が壁紙に染みついてしまったり、引っかき傷が広範囲についてしまっている場合は、張り替えとなるケースが多いです。

貸し主が壁紙の張り替え費用を負担する可能性が高いもの

では続いて、貸し主がアパートの壁紙の張り替え費用を負担するケースについて見ていきましょう。

その前に、国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものについて簡単にご説明します。

これは、原状回復をめぐる貸し主と借り主の費用負担のトラブルを避けるために、主に裁判での事例を集約してルールとして策定し、一般的な基準をまとめたものです。

このガイドラインによると、居住していた期間の経年劣化による損耗については、借り主に原状回復の義務はないとされています。

この経年劣化とは、例えばポスターを貼っていた場所の日焼け跡、電化製品の裏に接していた壁の電気焼け、画鋲などのピン跡などが挙げられます。

そのため、経年劣化として考えられる壁紙の汚れや傷は、基本的に貸し主が負担することになると考えられています。

アパートの壁紙の張り替え費用は耐用年数によって変わる

ここまで、壁紙負担のケースについてお伝えしてきました。

借り主が壁紙を故意に傷つけてしまったり汚してしまった場合、基本的には費用を負担する必要がありますが、費用を負担しなくてもよいケースもあります。

ここで、注目していただきたいのが、壁紙の耐用年数についてです。

壁紙の耐用年数は、6年とされています。

そして、国土交通省が公表しているガイドラインにも記されていることですが、壁紙は6年経つことで価値が1円になるとされているのです、

つまり、アパートに入居してから6年経っている場合に関しては、借り主に張り替え費用は請求できないという考えです。

壁紙だけでなく建物や設備は、月日が経つうちに新品の状態から徐々に古くなり、それと共にだんだん価値も下がっていきます。

そのため、新品の壁紙が張られた部屋に6年以上住んでから退去する場合は、たとえ不注意で汚れや傷をつけてしまったとしても、すでに価値のないものに等しいため、張り替え費用を請求できないということになります。

アパートの壁紙の張り替え費用の相場は?

ここまで、アパートの壁紙の張り替え費用の負担についてご紹介しました。

仮に、故意に壁紙を汚したり傷つけてしまった場合、借り主が張り替え費用を負担することになると思いますが、どれほどの金額がかかるのでしょうか。

壁紙の張り替えに支払う費用は、次の2つの要素によって大きく変化します。

・どのくらいの面積を張り替えるのか
・耐用年数のうち、何年経過しているか

この2つの要素を見ながら、壁紙の張り替え費用の相場を以下にまとめました。

・6畳(1~2年)…6.6~7.5万
・6畳(3~4年)…5.3~6.2万
・6畳(5~6年)…0~4.4万
・8畳(1~2年)…7.3~8.4万
・8畳(3~4年)…5.7~6.8万
・8畳(5~6年)…0~4.6万
・10畳(1~2年)…8.1~9.4万
・10畳(3~4年)…6.2~7.5万
・10畳(5~6年)…0~4.9万

前にもお伝えしたように、壁紙の経過年数によって負担額は大きく異なります。

入居年数が長いほど経年変化や消耗が大きくなるため、金額もその分安くなる傾向にあるようです。

アパートの退去時にかかる費用を抑えたい!できることは?

アパートに限ったことではありませんが、生活していく上で壁紙はどうしても汚れや傷がついてしまうものです。

ここでは、入居時からできる傷や汚れ防止策についてまとめました。

ちょっとした工夫で、退去時の張り替え費用を大幅に抑えることができるかもしれません。

これから新しい物件に入居するという方や、現在住まわれている方もぜひお試しください。

●掃除は基本

掃除は基本中の基本です。

特に汚れがつきやすいキッチン周りは、掃除を怠ると油汚れが染みつき、落とすことが困難になってしまいます。

料理をした後は、その都度周りの壁紙を拭いてあげましょう。

掃除が面倒ならば、汚れがつきやすそうな場所に汚れ防止シートを貼っておくのもおすすめです。

●タバコのヤニやニオイ防止に

タバコを室内で吸う際は、できるだけ換気扇の下で吸ったり窓を開けるなどの対策をしましょう。

また、空気清浄機を置いておくのもおすすめです。

すでに壁紙がヤニで汚れてしまった場合は、重曹を使いお掃除しましょう。

重曹は非常に低コストで、100均でも購入することができます。

重曹をお掃除に使う際は、重曹を1割、水を9割の割合で混ぜた重曹水を雑巾につけて絞り、壁紙を拭いてみてください。

その後、重曹水に浸していない濡れ雑巾で拭いていきます。

重曹は非常にコスパがよく、壁紙だけでなくあらゆる掃除に使える万能アイテムですので、1つ持っておくと便利ですよ。

壁紙の張り替え費用の負担について

住宅に住んでいれば、壁紙の汚れや傷を避けることは困難です。

基本的に、故意に傷つけたり汚してしまった場合には借り主が張り替え費用を負担することとなりますが、経年劣化による消耗であった場合は、貸し主負担になるケースが多いようです。

ただここまでお伝えしたものは、あくまでも事例をもとにしているものであり、契約内容によっては絶対にこのようになるとは言い切れません。

「負担額に納得がいかない」なんてことを避けるためにも、普段から壁紙を汚さない、傷つけないよう注意することも大切です。

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