賃貸アパートに住んでいると、毎月の家賃支払いは家計にも大きな影響を与えます。
そんな家賃がもし急に値上げすると通知が届いたら、誰もが焦ってしまうのではないでしょうか。
今回は、予想もしていなかった急な家賃値上げ状況での対処法をご紹介します。
家賃の値上げは法律的に許される
まず、アパートの家賃を値上げすることは、法律で許されていることを理解しておきましょう。
ほとんどの賃貸借契約の場合、最初に重要事項説明を受けますが、その際に家賃の値上げも「双方の同意」という言葉を使用して説明されているはずです。
本来、家賃を値上げする行為は、借主に承諾を得なくともできます。
しかし、これを自由にされてしまっては住んでいる側は困ります。
そのため「家賃を上げて良い理由」というのがあり、それについて双方で同意したときに家賃の値上げが行われるということなのです。
家賃値上げの通知が来たからといって、素直に分かりましたと受けるのではなく、しっかりと状況を確認し、月々の家賃支払いを抑えましょう。
アパート家賃の値上げ通知があった時の最初の確認事項
それでは、アパートの家賃を値上げしてもよい理由には、どのようなものがあるのでしょうか。
以下の3つの理由が挙げられますが、値上げの通知が届いたら、どれに該当するのかをまず調べるようにしましょう。
・アパートが建っている場所の地価が高騰したため
・インフレなどの経済事情の変化により、現在の家賃が不相当となったため
・周辺の類似物件の家賃相場と比べたとき、相当安い家賃に設定されていたため
もし通知に理由の記載がない場合は、発送元の管理会社や大家さんに直接聞くことも大事です。
面倒や恥ずかしいという気持ちを持たずに対応してください。
理由によっては、アパートの固定資産税の通知を見せてもらうぐらいお話ししても大丈夫です。
お互いに納得のいく話し合いを行いましょう。
また、近隣の類似物件の家賃相場が理由の場合は、自分でもインターネットを利用して確認してみましょう。
話し合いのときに、説明できる資料をできるだけ持って臨むようにしましょう。
大事なのは、上記3つの理由以外では家賃を上げられないということです。
冷静に考え、この3つの条件に当てはまっているのか納得するまでは諦めないことが大切です。
家賃の値上げ時期はいつ頃が多い?
アパートの家賃はいつでも値上げできますが、一番多いのは更新時です。
なぜなら、契約書を何度も取り交わす必要がないからです。
その際、万が一「家賃の値上げを認めないのならば更新はしない」と言われても心配してはいけません。
このように言われると、「引っ越しの費用を考えるのならば、家賃の値上げを認めた方が安い」と考え、了承してしまう人もいるかもしれません。
しかし、何らかの理由により更新が行われなかった場合は、自動的に「法定更新」され、法律で更新されたとみられます。
そのため、更新を理由に退去を求められても慌てることなく行動するようにしましょう。
ただ、このときに注意が必要なのが火災保険です。
ほとんどの火災保険は2年の更新時に合わせて契約していますので、ご自身でしっかりと忘れずに更新するようにしましょう。
また、最近では連帯保証人の代わりに保障会社を利用している人も多くいますので、そちらに更新料がある場合は確認しておくことも必要です。
アパートの家賃は滞納しないようにしよう
住んでいるアパートの家賃を値上げする話し合いをする場合、長期化することも十分に考えられます。
話し合いが済んでいないからといって、家賃を滞納する行為は自分が不利になるので絶対にしてはいけません。
今まで通りの家賃を指定された口座に振り込むことにより、対等な立場で話し合いを進めることができます。
「自分はここに住む意思がある」という主張にもなりますので、家賃を決められた期日までに支払い続けるようにしましょう。
また最近は少なくなりましたが、もし大家さんに直接手渡しで家賃を納めていた場合では、大家さんが受け取らないという状況も考えられます。
大家さんがかたくなに受け取らない場合は、何か理由があるのでしょう。
例えば、「退去して欲しいと願っている可能性がある」などです。
そのようなときのために、供託という制度があります。
家賃を法務局に預けておく行為から支払ったと認められる制度なので、利用するようにしましょう。
普段からマナー良くアパートを利用しよう
アパートの家賃を値上げするときの大家さんの思いとしては、もちろん収入を上げたいという気持ちもあるでしょう。
しかし、先ほどもお伝えしたとおり、大家さんが家賃を受け取らない理由としては、退去して欲しいと願っている可能性も考えられます。
そのために普段から同じアパートの住民や、もし大家さんが近くに住んでいるのならば会ったときの挨拶をしっかりするようにしましょう。
アパートのトラブルで多いのは、やはり騒音です。
普通の生活音ならば仕方ありませんが、必要以上の騒音で回りに迷惑をかけているのならば、改善する必要があります。
「自分の部屋であれば何をやっても良いだろう」という考えではなく、アパートは共同生活の場という考えに切り替え、マナーを大切にしなければなりません
もしこれが家賃値上げの原因だと自分でも心当たりがある場合は、今後の生活態度を改める約束等で解決する可能性もあります。
できれば退去して欲しいと思われるよりも、「良い入居者なので永く住み続けて欲しい」とお願いされるような人になることを心がけましょう。
アパートに住み続けるためには冷静な対応を
お金が絡むと、多くの人は感情的になりやすくなります。
特に、入居中のアパートの家賃が値上げするという話であれば、怒りという感情が芽生えてしまう人もいることでしょう。
中には、家賃は年月が経てば下がるものと決めつけている人もいます。
そのような人が急に家賃の値上げ通知を見てしまうと、冷静ではいられなくなる傾向も見られます。
そういう人は、必ず冷静になって深呼吸をするようにしましょう。
今後もそのアパートに住むために交渉するのであって、怒りという感情に任せ、その場で何でも話してしまうのは良い行動とは言えません。
大家さんとの良好な関係を保つためには、冷静に話し合う場を設け、対等に話し合うのが必要不可欠なのです。
もし話合いで済まない場合は、調停という考えもありますが、そのような状況になった部屋に住み続けるのは辛いかもしれません。
だからと言って何でも受けるという訳では無く、自分が納得いくまで冷静に話し合いを続けるようにしましょう。
怒りという邪魔な感情を排除することが、今後もアパートに住み続けるために必要なことなのです。
冷静な話合いで双方納得することが大事
面倒だからといって言われるがままに契約書へ印鑑を押すのは良い行動ではありません。
お金の話合いは双方の主張が相違するのは当たり前のことです。
だからこそ冷静なって優位に話合いを進める必要があるのです。
そのために必要なのが知識です。
知識が乏しい状況では冷静を保つことが困難、今の家賃を守るためにもある程度の勉強をするようにしましょう。