アパート物件を借りるためには、入居申込書を提出した上で、入居審査に通る必要があります。
入居審査は、大家または管理会社のみの場合と、それに加え保証会社の審査も通らなくてはならないケースがあり、これらの入居審査に合格しなければ、賃貸契約を結ぶことはできません。
また、保証会社を利用する際、審査の一環で電話連絡が来ることがあります。
今回は、入居審査で保証会社から連絡が来る意味、また適切な電話対応について詳しく解説していきます。
そもそもアパートの入居審査をする意味って?
アパートなどの賃貸物件に入居する際、申込書のほか入居審査に通る必要があります。
アパート物件の所有者は、大家または管理会社のものであり、貸主側からすると条件なしに誰にでも貸すことができるものではありません。
もし、入居後借主が家賃を支払えない状況になった場合、負担となるのは大家または管理会社です。
また、素行の悪い入居者がいれば、周りの住民の退去にもつながりかねません。
つまり、入居者が家賃の支払い能力があるのか、また隣人トラブルにならないか、という基準から部屋に住んでも大丈夫かを判断するために行われているのです。
実は入居審査は、全国で統一されているものではなく、審査を行う大家や管理会社によって通過のしやすさが異なります。
基本的には、過去の金銭トラブルがなく、連帯保証人、安定した収入、収入に見合ったお部屋であれば、入居審査を通過する可能性は高いでしょう。
また近年、賃貸物件を借りる際、保証会社を利用する方も増えてきています。
では続いて、保証会社とはどんな会社でどんなサービスを行っているのか、また入居審査時に電話連絡が来る意味について詳しく解説していきましょう。
入居審査の通過に必要な連帯保証人!代わりとなる保証会社とは
一昔前は、アパートなどの賃貸物件を借りる際は、連帯保証人をつけるのが一般的でした。
連帯保証人は、契約者本人と同等の責任を負うほど重大な役割を持ちます。
そのため、どんな人でも連帯保証人になれるわけではなく、財産がある、安定した収入がある、親族であるなどの条件が必要となります。
ただし、たとえ身内であっても連帯保証人を頼んでも引き受けてくれないケースもあります。
そのような方に、連帯保証人の代わりとなる「保証会社」というサービスがあります。
保証会社は、連帯保証人の代わりになってくれるサービスを提供している会社のことで、家賃滞納があった際、家賃の未払いを代わりに支払ってくれるというものです。
夜逃げなど、家賃回収が難しいケースの場合、保証会社が家賃の未払い分を保証してくれるので、貸主にとっては安心できるサービスといえるでしょう。
近年、連帯保証人が見つからないときのことを考え、保証会社を利用できる物件も増えてきています。
この場合、連帯保証人をたてる必要がないため、たとえ連帯保証人になってくれる人が見つからない場合でも、賃貸契約に進むことができます。
ただし、注意したいのが賃貸物件の中では保証会社に加入しても、連帯保証人をたてる必要がある物件も増えてきていることです。
基本的に、保証会社は家賃滞納などの未払いを保証するためのサービスを行うための会社ではありますが、何から何まで保証するわけではありません。
つまり、保証会社の加入と連帯保証人をたてることは、保証会社の金銭的な保証、それだけではまかなえない部分を連帯保証人で補おうという貸主側の考えにあります。
話は戻りますが、保証会社を利用する場合には、アパートの申込書を提出すると同時に、保証会社への保証契約申込み書も提出することとなります。
その後、保証会社から審査の連絡が入る場合もありますが、審査の連絡が来ない場合もあります。
保証会社は現在150社~200社あるともいわれ、その対応もさまざまなのです。
保証会社から入居審査の電話連絡は来るのはなぜ?
先ほどお伝えしたように、保証会社から必ず審査の連絡が来るとは限りません。
しかし基本的には、審査の電話連絡が来ると考えておきましょう。
審査の連絡は、入居審査の一環として行われています。
入居審査で電話がかかって来る可能性がある連絡先は主に3箇所あり、それぞれ目的が異なります。
①本人の携帯電話または家の固定電話
まず、本人の携帯電話および家の固定電話に電話がかかって来る場合、これは入居申込みに記載してある番号に誤りがないかどうかを確認するためです。
また、開通確認も目的としています。
これは、連絡が取れる手段があるかどうかを見極めるためのもので、万が一滞納などをされた際、連絡が取れないようでは、貸主側からしてみると手間となります。
これらを避けるために、確認の電話が行われます。
②勤務先
この目的は、申込み者が本当に記載している勤務先で勤務しているかどうかを確認するためです。
③連帯保証人
前にお伝えしたように、保証会社に加入しつつ連帯保証人を立てることが賃貸条件とする物件も増えています。
このような物件の場合、連帯保証人の電話番号の確認のため、電話連絡が来るとみてよいでしょう。
連帯保証人になってもらう方には、前もって連絡が来ることを伝えておきましょう。
中には、電話連絡によって、連帯保証人に勝手にされていたことが判明したケースもあります。
このような場合、アパートの審査が振り出しに戻ってしまうこともありますので、当たり前ですがしっかりと了承を得るようにしましょう。
入居審査の連絡が来たらどんな対応をすればいい?
先ほどお伝えしたように、アパートの入居審査時の電話連絡は、入居審査の一環として行われています。
そのため、電話対応も非常に重要となります。
ここでは、電話連絡が来た際の対応について詳しくご説明していきます。
●紳士的な態度で
入居審査の一環として行われる電話連絡は、そのときの対応にも注意しなければなりません。
例えば、非協力的な態度をとってしまった場合、入居審査にも影響を及ぼす可能性があります。
ほかにも、友達感覚で話さないよう言葉遣いなども注意しましょう。
●電話対応はなるべく素早く
保証会社の電話連絡は、いつ来るかわかりません。
もし、仕事中や会議など忙しいときにかかって来て、対応が疎かになるようでしたら、その旨を伝え折り返しかけ直すことを伝えましょう。
また、電話に気づかず出られなかったときは、なるべく早くかけ直すことも大切です。
アパートの入居審査の電話連絡で聞かれる内容は?
アパートの入居審査では、電話連絡が来ることが一般的とお伝えしましたが、一体どんなことを質問されるのでしょうか。
初めての経験であれば、「答えられなかったらどうしよう」という不安を抱えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、保証会社の電話連絡で聞かれる可能性のある、主な内容についてまとめました。
1.本人確認
本人確認のため、生年月日等の質問があります。
2.引越し理由
なぜ引っ越すのか、という質問もされる場合があります。
この場合、曖昧な答えをいうのではなく明確な答えをいえるようにしましょう。
曖昧な答えですと、トラブルがらみの引越しと予想される可能性もありますので、審査の通過に影響を与えかねません。
3.物件内容に違いがないか
借りる物件の物件名、号室、月額賃料などに間違いがないか、確認するためです。
基本的に、審査連絡での質問は上記のような単純なものばかりですので、難しいことはありません。
これから審査を受けられる方は、普段どおりの気持ちで構え、返答すれば問題ないでしょう。
アパートの入居審査の連絡がなかなか来ない理由は?
アパートの入居審査を受けてから、なかなか電話連絡が来ないという方もいらっしゃいます。
連絡が来ないと「落ちてしまったのか?」と不安に思うかもしれませんが、場合によっては連絡が来るまでに1週間以上かかることもあります。
ではなぜ、入居審査の連絡がこれほど遅れてしまうのでしょうか。
保証会社の審査の流れを簡単にご説明しますと、アパートの申し込みの際、不動産から管理会社(大家)、管理会社(大家)から保証会社へと申込みの書類が送られます。
そこから、借主、勤務先、連帯保証人への確認などの審査が行われることとなり、その後審査結果を管理会社(大家)から、不動産屋に伝えられ、入居者希望者へと審査結果が知らされることとなります。
基本的に、保証会社を利用しているほうが審査結果までの日数はかかるといわれており、審査結果が出るまでの日数は、早くて即日遅くて1週間ほどかかるといいます。
また、不動産業界の繁忙期である3~4月は、特に審査結果が出るまでに時間がかかる傾向にあるといわれています。
そのため、1週間以上連絡が来ないことも可能性として十分にあり得るのです。
もし、「1週間たっても連絡が来なくて不安」という場合は、物件を紹介してもらった不動産屋に一度問い合わせてみるとよいかもしれませんね。
アパートの入居審査に通るために
アパート物件に入居する際、必ず審査を受けることとなります。
また、保証会社を利用した場合は、大家または管理会社だけでなく、保証会社の審査も通過しなければなりません。
基本的には、家賃に見合った収入、人柄、金銭トラブルがない場合でしたら、審査を通過する可能性は高くなります。
保証会社への電話対応も審査の一環として行われていますから、丁寧に対応するように心がけましょう。