インテリア性が高いことから、モルタルを床材に使用する方が増えています。
施工がしやすいため、DIY初心者にも向いているとの噂です。
しかし、これまでモルタルを扱ったことがない方は多いですよね。
今回は、そんなモルタルの選び方から扱い方まで、床をおしゃれにする方法をお届けします。
砂利を含まないモルタルはDIYで使いやすい
モルタルというと、建築現場で使われる材料であることを思い浮かべるでしょう。
実際に建築現場では、仕上げ材や下地、外壁などに使われています。
コンクリートと混同されることが多いですが、モルタルは砂利を含まないという違いがあります。
そして、砂利が入っているコンクリートと比べると施工がしやすいことから、DIYを楽しむ方々から注目されたのです。
モルタル施工は洗練されたインテリア性を演出し、和風にも洋風にも合います。
生活感が出やすい玄関なども、モルタルの床材にすることで、おしゃれな雰囲気になりますよ。
ただし、モルタルは硬いですから、小さな子供や高齢者の方がいらっしゃるご家庭では、転倒による危険性は無視できません。
そして、乾燥すると収縮する性質があるため、ひび割れを起こしやすいという面もあります。
とくに木造住宅の場合、湿度が影響して収縮するため、床全体への施工はおすすめしません。
断熱性に関しても高くはないため、床全面に施工する場合は、こうした点についてしっかり考えてからDIYしましょう。
DIYで使うモルタルの選び方
床一面モルタルにするとなると大変ですが、玄関などの限られたスペースに施工する分にはDIYを楽しむことができます。
それでは、モルタルの選び方について見ていきましょう。
●施工のしやすさ
あらかじめ砂とセメントが配合されているインスタントモルタルがおすすめです。
水を加えて練るだけなので、簡単に使い始められますよ。
●住宅用建材として優れているもの
パーライトを配合した軽量モルタルは、住宅用建材として優れています。
耐火性、断熱性、そして吸音性があり、床材だけでなく、屋根の下地としても使用できるものです。
●乾燥させる時間
DIYをしたモルタル床がしっかりと固まるまでには、おおよそ24時間かかります。
短時間で乾く速乾性モルタルもありますが、ひび割れを起こしやすくなりますので、床材にはおすすめしません。
●容量
モルタルは、施工した場所からどんどん乾燥しはじめます。
途中で足りなくなってしまうと、強度の違いができてしまうことがあり、ひび割れの原因にもなりかねません。
床面積に対して、どのくらいの量が必要になるかを考えてから購入しましょう。
床を施工するモルタルの作り方
床材として使うモルタルのほかにも、施工時に必要になる道具を用意しましょう。
【用意するもの】
・タフブネまたはトロ舟(バケツでも可)
モルタルを混ぜたり、道具を洗うときに使用します。
・左官鍬(シャベルでも可)
モルタルを混ぜるときに使います。
シャベルでもいいですが、しっかりと混ぜるためには、専用の物を用意することをおすすめします。
・コテ
できあがったモルタルを床に塗るときに使用します。
実際に手にとってみて、手にフィットするものを見つけてみましょう。
・コテ板
タフブネやトロ舟にあるモルタルを持ち運ぶときに使います。
軽量のものだと扱いやすいですよ。
・手袋
モルタルに含まれるセメントは強アルカリ性を呈するため、素手で触ってしまうと手荒れを起こします。
必ず用意しましょう。
・ゴーグル
モルタルが目に入ると、失明する恐れがあります。
楽しく安全にDIYをするためにも、必ず用意しましょう。
床をキレイにしてからモルタルを混ぜよう
道具が揃ったら床材に使うモルタルを作り、塗っていきましょう。
①まず、DIYを行う床をキレイに掃除します。
この一手間で仕上がりに差がでますよ。
また、汚れや小さなゴミがあると、接着力が弱くなってしまいます。
仕上がりを美しく、粘着力を高めるためにも、モルタルを作る前に準備しておきましょう。
②それでは、モルタルを作っていきましょう。
砂とセメントが配合されているモルタルの粉末を用意して、そこに水を加えて練っていきます。
おおよその比率は、水1対モルタル6です。
一気に水を加えるのではなく、少しずつ加えて練るを繰り返しましょう。
②モルタルができたら、コテを使って床に塗っていきます。
床の仕上げ材として使用する場合は、薄めに塗ってしまうとすぐにひび割れが起こってしまうため、やや厚めに塗っていきましょう。
厚めに塗るときは一度に塗りきらず、下塗り、中塗り、上塗りと三段階に分けていくのですが、下塗りと中塗りのときは、キレイに表面をならしておくことで接着力が高くなります。
DIYでもできる!床に色をつける方法
モルタルを床に塗るだけでもスタイリッシュに仕上がりますが、なかには色をつけて楽しみたいという方もいらっしゃることでしょう。
色があることでアクセントになり、おしゃれな床になること間違いなしです。
では、DIYでもできる方法をみていきましょう。
●左官墨を入れる
重厚感のある黒色にしたい場合は、モルタルを黒くしていきます。
DIY上級者であれば、白モルタルに左官墨を入れてみましょう。
入れる割合によって色合いが変わるため難しいですが、そうしてできたムラもDIYの醍醐味といえますね。
●初心者も簡単なカラーモルタル
あらかじめ色がついたカラーモルタルなら、色の調節をする必要はありません。
DIY初心者でも、簡単に扱えます。
●モールテックスを使う
カラーバリエーションが豊富で、水を通さず、ほぼ全ての下地に接着する塗料です。
コスト面が気にならない方は、検討してみる価値はあります。
モルタルを使ったあとの処理の仕方
床を塗り終えたら、使用した道具やモルタルの後処理をしましょう。
モルタルが付いたまま道具を放置してしまうと、どんどん固まってしまいます。
後でまたDIYをする際に困らないように、すぐに水で洗いましょう。
ただし、洗い場でモルタルを洗い流してしまうと排水管の中でモルタルが固まってしまって詰まりの原因となります。
排水管の詰まりを治すには大掛かりな工事が必要になりますので、十分に注意してください。
排水管を保護するためには、バケツ等に水をはり、その中で道具を洗いましょう。
このときも、手袋とゴーグルは着用して行いましょう。
道具を全て洗ったら、よく乾燥させます。
モルタル入りの水は庭の隅に捨てて、固まったら庭石として埋めて処理しましょう。
間違っても、洗い場に流さないでくださいね。
余ってしまったモルタルは、水を加えていなければ保管することもできます。
保管する場合は、密封性の高いコンテナに収納し、湿気が侵入してこないようにしましょう。
では、保管していたモルタルが固まってしまったり、もう使うことがない場合はどのように処理していけばいいのでしょうか。
こういった場合、粗大ごみに該当することもあれば、産業廃棄物としての扱いになることもあります。
産業廃棄物となる場合は、住んでいるエリアを管轄する環境事業センターに問い合わせて相談してみましょう。
一番は、作ったモルタルを使い切るのがいいですが、余ってしまったときは適切に処理しましょう。
楽しく安全にDIY!
自分で塗ったモルタルの床は、より愛着がありますよね。
しかし、モルタルを扱うときは、注意したい点もいくつかあります。
DIYを楽しく安全に行うためにも、モルタルが持つ性質を理解することが大切です。
また、小さな子供やペットがいらっしゃるご家庭では、十分に気を付けて作業しましょう。