窓の開き方にはいろいろある?!ハンドルを回すタイプも!

窓は住宅の快適性を大きく左右するため、家を建てるときには窓にこだわりたいものです。

採光や断熱だけでなく、家のデザインや顔にもなりうるのが窓ですよね。

しかも、窓は頻繁に開け閉めするパーツでもあります。

開閉のしやすさ、というのも住宅に住むうえでの快適性に関わってきます。

窓の開き方というと、引く・押すだけではありません。

ハンドルを回す、という開け方もあるんですよ。

窓の開け方を見てみましょう。

窓の開け方は「引く」「押す」だけじゃない!「回す」もある!

住宅を建てる際、間取りや住宅機器を決めることはとても大切ですが、それと同じくらい大切なのが窓です。

窓の配置や大きさなどが、採光や断熱、遮音などに大きく影響を与えるからです。

しかし、窓と一口にいっても多様で、形状や大きさだけでなく、開き方、ガラス、サッシなどの違いによって、非常にたくさんの種類があります。

すべてを一度にお伝えするのは難しいので、今回の記事では「窓の開き方」にスポットを当ててご紹介します。

窓の開け方といっても「引く」か「押す」かの二択では、と思われるかもしれません。

しかし、ハンドルを回すタイプの窓などもあり、どのような窓を選ぶかによって住宅のデザインや住み心地にも関係してきます。

まずは、窓の開き方をご紹介していきます。

●引き違い窓

日本の住宅で多く使われ、一般的に窓というとこの引き違い窓を思い浮べる人が多いでしょう。

溝にはまっている2枚のガラスサッシを、スライドして開閉します。

開け方は横に引くだけなので、難しい操作は必要なく、子どもでも開けることができます。

シンプルな窓なので、インテリアを邪魔しません。

和風・洋風どちらの住宅にも使われています。

無難な窓ともいえます。

また、日本の住宅で多く使われていることから規格品のサイズが豊富で、低コストであることも魅力です。

おしゃれな洋風住宅にピッタリの窓の開き方!

続いて、窓の開き方の種類をご紹介していきます。

●開き窓

開き窓は、固定された蝶番を軸にしてガラスサッシを開きます。

ガラスサッシが1枚で、左右どちらかを軸とする「片開き」と、ガラスサッシが2枚で窓枠の左右をそれぞれ軸とする「両開き」があります。

さらに、外側に押して開ける「外開き」、内側に引いて開ける「内開き」と種類が分かれています。

引き違い窓と違って窓を全開にすることができ、通風性にすぐれています。

開き方も、押すもしくは引くだけなので簡単です。

●上げ下げ窓

2枚のガラスサッシが窓の上下に設置されており、上下にスライドすることによって開く窓です。

上下両方のガラスサッシが開閉できるもの(両上げ下げ窓)と、下方だけが開閉できるもの(片上げ下げ窓)があります。

上下の窓が連動して開閉する上げ下げ窓(スリット上げ下げ窓)もあります。

上げ下げ窓の開き方は、いくつかあります。

・レバー錠

窓の下枠についているレバー錠を握りながら、窓を押し上げます。

窓枠に何段階か設置されている停止位置で窓を固定します。

・バランサー

窓の下枠もしくは上枠に付いているハンドル(引手)を押し上げる、もしくは引き下げることによって開きます。

バランサーが付いているため、好きな箇所で窓を停止して開けておくことができます。

・ワイヤー

窓の下枠のハンドル(引手)を押し上げると、上下の窓が連動して同時に開きます。

上げ下げ窓はハンドルを回すなどの操作は必要ありませんが、窓を押し上げる必要があり、力の弱い高齢者や子どもにとっては開けにくい窓かもしれません。

開かない窓はハンドルも鍵もない

窓の開き方というテーマでお話ししていますが、そもそも開かない窓、というものも存在します。

●FIX窓

はめ殺し窓とも呼ばれます。

窓のどこにもハンドルや鍵は付いておらず、開閉することはできません。

多くは採光や眺望のために設置されます。

開かない、ということは開くための仕組みが不要なため、円形などさまざまな形にすることが可能です。

住宅のデザインのポイントという目的で設置されることもあります。

開かないため防犯性も高く、子どもが窓から転落する危険性もありません。

FIX窓と引き違い窓を組み合わせたりして、採光と眺望、防犯性を高めた窓の設置方法もあります。

天窓として設置すれば一日中家の中に明かりが入りますので、大きな吹き抜けの空間とも相性が良いです。

天井に取り付けて回すシーリングファンと天窓があれば、一気におしゃれな空間になりますよね。

ハンドルによって押す・回すなどの開け方がある窓

次にご紹介するのは、全開にならない窓です。

出入りするというより採光と通風が目的です。

●倒し窓

ガラスサッシの下枠が固定され、サッシの上部を斜めに倒して開きます。

サッシの上部に取り付けられたフックを引くことでロックを解除し開きます。

外側に倒れるタイプは「外倒し窓」、内側に倒れるタイプは「内倒し窓」です。

斜めに倒れるという開き方のため、全開にならず防犯性にすぐれています。

高所に取り付けられることが多く、その場合はフック棒を使って開閉します。

●突き出し窓

ガラスサッシの上枠が固定され、サッシの下部を押し出すように開きます。

アームとロックが一体になっており、つまんで押し開けるラッチ錠タイプや、ハンドルとロックが一体になったカムラッチハンドル、ハンドルをくるくる回すことによって開けるオペレーターハンドルなどの開き方があります。

突き出し窓は、外の景色を絵画のように切り取って眺めるのにも適している窓で、別名ピクチャーウィンドウとも呼ばれています。

少量の雨でしたら開けたままにしておけるので、雨でも風を入れたいときに良いですね。

通風性が欲しいならすべり出し窓!

突き出し窓と同様に、ハンドルを回すなどの操作が必要な窓はほかにもあります。

●すべり出し窓

すべり出し窓には、開け方によっていくつか種類があります。

「縦すべり出し窓」は縦方向を軸に、外側に向かって軸が動いてすべり出しながら開きます。

「横すべり出し窓」は横方向の軸が動いて外側にすべり出しながら開きます。

窓を開けると軸が移動し、全開にするとガラスサッシが90度になります。

風を取り込みやすいため、通気性を良くしたい場所におすすめの窓です。

開き方は、カムラッチハンドルもしくはオペレーターハンドルが一般的です。

このすべり出し窓を複数連結した窓は、オーニング窓と言います。

オーニング窓の場合、すべての窓をひとつのハンドルで開閉します。

ハンドル操作によって好きな角度で停止させることができます。

外からの視線を遮りながら通風することができるので、浴室などに使われることが多いです。

回すハンドルとはどんなハンドル?

窓によっていろいろな開き方がありましたね。

最後に、突き出し窓やすべり出し窓で出てきた「カムラッチハンドル」と「オペレーターハンドル」についてご説明します。

・カムラッチハンドル

カムラッチハンドルは、「L字」をひっくり返したような形状のハンドルで、窓枠の右もしくは左に付いています。

窓の種類によっては下部に付いていることもあります。

ハンドル自体がロックの機能を持ち、ハンドルを持って90度回すことによってロックを解除し、そのまま押して窓を開きます。

内側についている網戸を一度開いてから窓を押し開ける構造になっています。

ハンドルの構造としてはシンプルなため、開きやすい窓といえます。

・オペレーターハンドル

窓枠の下部にくるくると回すハンドルが付いています。

窓に直接触れずに開くことができるため、室内から安心して操作できます。

網戸は内側に設置され、網戸を閉めたままハンドルで窓を開けるので、窓を開けたときに虫が入ってくる心配がありません。

ハンドルは折りたたんでおくことができるため、出っ張って邪魔になるということもありません。

サッと窓を開けるということはできず、くるくる回す作業が必要になるため、面倒と感じる人はいるかもしれません。

ただ、ゆっくり開いてゆっくり閉まるため、安全性は高いといえます。

毎日の窓の開閉をストレスなく

「窓の開き方」は住宅の中では細部にあたり、誰にも気づかれないこだわりかもしれません。

しかし、窓を開け閉めするのは毎日のことです。

毎日のことをストレスなく行いたいですよね。

毎日開ける窓なのか、あまり開けない窓なのか、ということも含めて考えてみると良いかもしれません。

くるくる回すタイプのオペレーターハンドルは、網戸を開ける必要がなく虫が入ってこなくて良い、という評価も多く目にします。

虫が苦手、という人にはおすすめです。