アパートやマンションなどの「賃貸物件」で暮らすときには、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。
同じ建物内に自分以外の人が住んでいるということを意識して、最低限のマナーやルール、注意点を学んでおきましょう。
また、記事の後半では、物件選びの注意点についてもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
アパートの賃貸借契約によるルールと注意点!
アパートなどの賃貸物件は、賃貸借契約を結ぶことで、はじめて生活をスタートすることができます。
その中でも制限されることが多いものを挙げつつ、注意点をお伝えします。
●犬や猫などのペットを飼うこと
賃貸物件には、ペット可の物件とペット不可の物件があります。
犬や猫などの飼育を禁止するわけは、原状復帰費用が増してしまうこと(=部屋が汚れる・傷つく)、近隣住人とのトラブルが多くなることなどとされています。
もし禁止されていることを知りながら飼育していた場合、ペットを手放すように注意されたり、反則金を請求されたりするかもしれません。
ときには、いきなり強制退去の通知が届いてしまうことも考えられるでしょう。
このような事態を避けるためにも、賃貸借契約の内容は無視しないでください。
ちなみに、ハムスターなどの小動物は飼育許可が下りることもありますので、飼育を開始する前に、管理会社や大家さんに問い合わせてみましょう。
●ピアノなどの楽器を演奏すること
契約書に「楽器演奏不可」と明記されているなら、もちろんピアノだけでなく、ドラムやギター、トランペットなどの演奏も許されません。
その理由としては、騒音トラブルを招きやすいからです。
騒音トラブルについては、のちに取り上げますが、禁止されている限りルールは守っていきましょう。
アパートの居住ルールも確認しておく!
入居するアパートが決まったなら、必ずその賃貸物件の「居住ルール」を確認しておいてください。
特約や禁止事項などは、口頭で説明を受けているかもしれませんが、細かいルールまでは把握しきれていないことが多いでしょう。
居住ルールの一例としては、「ゴミ出し」が挙げられます。
ゴミの出し方や分別方法、指定曜日などは、お住いの地域や住宅によって違いがあります。
誤ったゴミの出し方をしていると、散らかって衛生面に問題が生じるなど、ほかの住人に迷惑をかけてしまうこともあるので、注意してください。
ゴミ出しのほかには、以下のような居住ルールが設けられていることがあります。
・掲示板を確認すること
・放置自転車対策として、自転車に指定されたステッカーを貼ること
・廊下や階段に私物を置かないこと
・ベランダの手すりに寝具を干さないこと
こうした居住ルールや注意点は、賃貸物件ごとに定められています。
「ルールが守れない人」というレッテルを貼られないように、日頃の行いに気をつけていく必要がありますね。
賃貸物件の騒音トラブル!原因と注意点は?
賃貸物件で生活していくときは、前述したように「騒音トラブル」に気をつけましょう。
特に、木造アパートは音が響きやすい構造になっていますから、注意が必要です。
そこで、騒音トラブルへと発展しやすい原因を見てみましょう。
【騒音原因と注意点】
①足音
階下へ響きやすいのが、足音などの衝撃音です。
気になるようでしたら、防音マットを敷いたり、スリッパを履いたりして対策してください。
②テレビ(音楽)
壁越しに伝わりやすいのが、テレビや音楽の音です。
音量が大きくなりすぎないように、普段から気をつけてみてください。
③話し声(電話)
来客の多い方や通話をする機会が多い方は、声のボリュームに注意してください。
④家電製品(洗濯機・掃除機)
洗濯機は、稼働音が大きいうえに振動してしまうものなので、なるべく活動時間帯に動かしてください。
明け方や深夜に稼働させると、ほかの住人から苦情がくるかもしれません。
また、洗濯機と同様に、掃除機の使用時間も気にしてみましょう。
少しでも、こうした家電製品での騒音トラブルを回避したいなら、静音タイプの家電を選ぶことをおすすめします。
喫煙に関してのルールや注意点!
ここでは、賃貸物件での喫煙ルールについて考えてみましょう。
ペット飼育や騒音以外でも、喫煙によるトラブルというものは、日頃から問題視されることが多いです。
もし契約書に「アパート内禁煙」と明記されていなかったとしても、ほかの住人から苦情があった場合には、管理会社側から注意されてしまう可能性があります。
また、喫煙時の注意点としては、アパート内で吸い殻を散らかしてしまうことは避けましょう。
ただ単純に不快だから、というわけではなく、火災の恐れなども出てきてしまうので、大変危険です。
アパートのような賃貸物件で暮らしている限り、他人への心遣いはなくさないようにしていきたいものですね。
いくつかルールを学んだところで、次項では原状回復についてお話しします。
アパート暮らしは「原状回復」がキーポイント!
ルールや注意点に続いてお伝えするのは、アパートなどの賃貸物件でカギとなる「原状回復」についてです。
原状回復とは、退去時までに入居時の状態へと戻しておくことを指します。
経年変化や通常使用の範囲内では、貸主側の負担となることがほとんどですが、故意によってなにかを壊したり、汚してしまったりした場合には、借主側の負担になるということです。
入居時に敷金を預けている場合なら、そこから原状回復費(ハウスクリーニング代など)が差し引かれます。
そのため、なるべくきれいに部屋を使うことがポイントと言えるでしょう。
原状回復の基準は、完全に統一されているわけではありませんが、国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公開しています。
原状回復について、より詳しく学びたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
それではここで、原状回復基準の一例を挙げてみましょう。
今回は、「壁」についての目安を取り上げました。
●壁に画鋲やピンをさした:通常使用の範囲内なので、問題なしと判断されることが多い
●壁に釘をさした:大きな穴があいてしまうと、入居者の過失とみなされることもある
●壁の日焼け:通常使用の範囲内と認められることが多い
●家電製品使用による壁の黒ずみ:通常使用の範囲内と認められることが多い
●壁に落書きがある:通常のクリーニングで落ちない汚れなら、張り替え費用を請求されることが多い
賃貸物件を選ぶときの注意点とは!?
ここまで、アパート暮らしをするときのルールや注意点についてお話ししてきました。
最後に補足情報として、賃貸物件を選ぶときに気をつけたいことをお伝えします。
物件選びで失敗しないためには、以下のポイントを押さえましょう。
●譲れない条件を決めておく
たとえば、「バス・トイレ別」「エアコンつき」「室内洗濯機置き場」など、自分の中で譲れない条件を定めておくといいでしょう。
そうすると、入居後に後悔してしまうことを防げます。
●周辺環境をチェック
アクセス環境だけで物件選びをしてしまうと、「近くにスーパーがない」「夜になっても騒がしい」というような問題が生じてしまうかもしれません。
周辺環境をチェックしながら、時間帯をずらして下見しておくのがベストです。
●家賃設定額を見直す
家賃上限は、収入(手取り)の三割程度とするのが一般的です。
あまりに高い家賃では、生活自体が厳しくなりますので、無理のない額を設定してください。
集合住宅に住むならルールを守っていこう!
アパート暮らしをするのであれば、ほかの住人に迷惑がかからないよう、マナーやルールを意識していきたいものです。
貸主側との契約内容だけでなく、アパートの居住ルールにも目を向けてみましょう。
また、ペット飼育や騒音、喫煙によるトラブルは多いと言いますので、気をつけてください。
そのほか、原状回復に注意しながら生活してみましょう。