木造住宅には欠かせない筋交いの入れ方!バランスもチェック

木造住宅を建てるうえで知っておきたいことがあります。

それは、耐震性能を実現させるための筋交いという技術です。

原則、一定の割合で筋交いを使用することが建築基準法で義務づけられています。

そんな、木造住宅に欠かせない筋交いとは、いったいどんなものなのでしょうか。

また、筋交いの入れ方による耐力壁についてお話しします。

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木造住宅を建てるとしたら長期優良住宅?!

2008年12月、長期優良住宅の普及の促進に関する法律が成立し、2009年6月に施行されました。

長期にわたって住み続けられる建物を「長期優良住宅」といい、耐震等級2以上の住宅でなければならないとしています。

木造住宅を建てるとしたら、耐震力の高い建物は魅力的ですよね。

それでは、耐震等級を段階別にみてみましょう。

●耐震等級1

・数百年に一度程度発生するといわれている地震(震度6強~7程度)に対しても倒壊や崩壊はしない

※ただし、建築基準法ギリギリの設定の場合は、損傷を受ける可能性もある

・数十年に一度発生するといわれている地震(震度5程度)に対しても住宅が損傷しないレベル

●耐震等級2

・耐震等級1で想定される1.25倍の地震が起きても耐えられるレベル

●耐震等級3

・等級1で想定される1.5倍の地震が起きても耐えられるレベル

これらの住宅の耐震等級は、家を建てる側が最終的に判断し、選ぶことになります。

それでは、こうした耐震強度を高める軸組工法の筋交いについて、また筋交いの入れ方についてみていきましょう。

耐力壁は木造住宅以外でも使われる方法

先ほどお話しした耐震等級を測るために、倒壊等防止と損傷防止が定められています。

建物は、真上からの重さには建物の柱で支えることができても、横から加わった力には弱いのが特徴です。

横からの力というと、地震が発生したときの横揺れ、台風のときなどの強風でしょうか。

ユラユラと建物が横揺れすると、とても不安な気持ちになり、建物が倒壊しないかと心配になりますよね。

そこで、横から加わる力を支えるため、耐力壁を効果的に使用して対策していきます。

耐力壁は、ブレース(brace)や耐震壁とも呼ばれていて、木造住宅はもちろん、鉄骨造などでも使われていますよ。

こちらの耐力壁は、軸組工法の筋交いが一般的です。

骨組みとなる柱と柱の間に筋交いなどの補強材を入れて、強度を高めていく方法になります。

軸組工法のなかでも木造軸組工法は自由にできることが多いため、様々な耐力壁を組み合わせていくようです。

筋交いの入れ方によって、壁の強さを表す倍率がありますので、次項よりご説明していきます。

木造住宅などの壁に筋交いを加えて変形を防ぐ

はじめに、筋交いの種類と効かせ方についてみていきましょう。

一般的に使われる筋交いは、次の通りです。

・二つ割り:45mm(厚さ)×90mm(幅)の木材
・三つ割り:30mm(厚さ)×90mm(幅)の木材

厚さが90mmのものもありますが、使うことはあまりないでしょう。

木造住宅などの壁は四角形に作られているため、四角形のなかに筋交いを加えて、三角形の構造をつくりあげていきます。

すると、四角形のままであった構造よりも横からの力に耐えやすくなり、変形しにくくなるのです。

筋交いを効かせるためには、引っ張る方向に聞かせる引張り筋交いと、圧縮される方に向かって聞かせる圧縮筋交いがあります。

二つ割りや三つ割りの筋交いは長さに対して厚さがないため、引張り筋交いで効かせていく手法が基本となるでしょう。

筋交いの入れ方は、シングルといわれる「片筋交い」、ダブルといわれる「たすき掛け筋交い」がありますので、詳しくご説明していきます。

筋交いの入れ方と耐力壁の倍率

それでは、筋交いの入れ方と、筋交い別で倍率(強さ)についてお話しします。

〇片筋交い

対角線のいずれかに筋交いを入れていきます。

三つ割りで片筋交いで入れた場合、倍率は、1.5倍です。

二つ割りで片筋交いで入れたときの耐力壁の倍率は、2.0倍になります。

〇たすき掛け筋交い

筋交いを2本使い、クロスさせる入れ方です。

三つ割りで片筋交いで入れた場合、耐力壁の倍率は、3.0倍です。

二つ割りで片筋交いで入れたときの耐力壁の倍率は、4.0倍になります。

木造住宅は建物に応じて耐力壁を設ける必要があり、軸組長さを確認するためには、壁量計算で導き出していきます。

また、倍率だけでなく、上下階の力の逃し方や、接合部分の保護などを考えて配置していくため、家を建てる構造はとても奥深いですね。

筋交いの入れ方を間違えると何の意味もない

木造住宅の耐震力を高めるためには、筋交いを効果的に使うことが求められます。

しかし、入れ方を間違ってしまえば、何の意味も効果もなくなってしまうため、筋交いの入れ方はとても重要なポイントなのです。

例えば、右上から左下に片筋交いを効かせた場合、向かって右側からの力には効いても、左側からの力には効力がありません。

建物には、地震や強風など、左右から力が加わるため、交互の方向に筋交い入れる必要があります。

木造住宅を建てる際、筋交いの向きのバランスがきちんと取れているかを確認しましょう。

平面図では分かりづらいですが、軸組図(立面図)だと一目瞭然です。

右肩上がりの筋交い(/)と左肩上がりの筋交い(\)が、均一に入っていませんか?

大きな地震によって倒壊していた建物の調査を進めてみると、筋交いのバランスが取れていないという見解をしていた専門家もいらっしゃるようです。

しかしながら、筋交いのバランスが取れていなくても審査を通ってしまうのが現状なので、家を建てるときは、信頼のできる建築士に依頼しましょう。

バランスのいい筋交いの入れ方でも注意!接合金物は適切?

最後に、接合部分の保護についてお話しします。

バランスのいい筋交いの入れ方でも、柱や梁にしっかりと接合されていなければ、大きな力に耐えることはできません。

木造2階建ての建物でも、こうした柱の接合部分の重要性が話し合われ、2000年の建築基準法改正にて、耐力壁の配置や強さに応じた接合金物を選定する基準が設けられました。

家を建てるときは壁量計算書をもらい、建物に配置された耐力壁の量が、必要な耐力壁の量を上回っていることを確認しましょう。

また、計算された柱の接合金物が、平面図やN値計算書などに書かれているかをチェックしてください。

そして、耐力壁の量やバランス、そして柱の接合金物について、建設会社から説明がない場合は、しっかりと確認しておきましょう。

とはいっても、図面を見たり説明を聞いただけでは、専門家でない限り、間違っている部分に気づきません。

しかしながら、壁量計算書を作成していなかったり、間違った接合金物を選んでいる場合もあります。

なかには、接合金物の法律そのものを知らない建築会社も存在しているのが現状です。

そのため、心配である場合は専門家を依頼し、徹底的に確認をしてもらいましょう。

構造部分を要チェック

長く安心して暮らしていくためにも、家の耐力壁の量、そしてバランスのとれた筋交いの配置が大切です。

また、筋交いをしっかりと接合させるための金物も適切なものが選ばれてなければなりません。

家を建て終わったあとでは気付きにくい構造部分こそ、間違っている部分はないか、法律で定められている方法で建てられているかを確認しましょう。