家の中で、長く過ごす空間であるリビング。
明るくて過ごしやすい場所であってほしいですね。
明るく過ごしやすくするためには、窓の存在がとても大切になってきます。
窓の配置や大きさが、リビングを過ごしやすくも過ごしにくくもしてしまうからです。
どういうことなのか、見てみましょう。
生活になくてはならない光とそれを取り入れる窓
日の光は、人間の生活にとってなくてはならないものです。
人は日光に合わせて生活しており、日光は健康的な生活に必要なものです。
そのため、人が暮らす家には、日光を取り入れる窓がとても大切な存在になってきます。
建築基準法では、居室に窓を設置することが義務付けられています。
もし部屋に窓がひとつもなかったら、真っ暗で風も通らず、箱の中にいるかのような息苦しい部屋になってしまうはずです。
窓は日光を取り入れるためだけでなく、新鮮な空気を取り入れて換気したり、風を通して室内の空気を循環させたり、家の中と外をつなぐ境界の役割も持っているのです。
窓の形や大きさ、設置数で部屋の雰囲気は大きく変わりますが、特にリビングは家の顔ともいって良い空間です。
家族が長く一緒に過ごす空間でもありますので、明るくて風通しの良い空間にしたいですよね。
リビングには、どのような窓、どのような大きさの窓が適しているのでしょう。
リビングの採光には窓の方角と大きさが大切
リビングで快適に過ごすための窓には適切な大きさがあり、適切な設置数があります。
適切な窓の大きさや設置数はどのように決めれば良いのでしょう。
ポイントは大きく3つあります。
■方角
窓をどの方角に設置するかは日光を取り入れるうえで重要です。
明るいリビングにするためには、日当たりの良さは欠かせません。
太陽の動きから、理想的なのは東と西に窓を配置することです。
東と西に窓を設置すると、一日中部屋に光が入り込みます。
ただ、季節によっては西日が入ることで暑くなりすぎてしまうこともあります。
大きな窓は光をたくさん部屋に取り入れてくれますが、熱や冷気も同時に取り入れてしまいます。
方角によって、窓の大きさを変えるのがおすすめです。
西日がきつい場合は、西側の窓の大きさを控え目にして通風用の小窓にすると使い勝手が良いです。
窓の大きさは通風や防犯性も考慮する
続いて、残りのポイント2つをご説明します。
■風の通り方
風を通す、空気を入れ替えるためには、ひとつの部屋に2つ以上の窓を設置するのが理想的です。
対角線に設置すると、さらに通風性は高まります。
通風用の小窓があっても良いですね。
日本では一般的に、冬には北からの風、夏には南からの風が吹くといわれています。
しかし、お住まいの地域によって独特の風が吹くこともありますので、方向にこだわるよりも、窓で風の通り道を作ることを意識するのがおすすめです。
■防犯性
空き巣の侵入口として狙われやすいのが窓です。
特に、リビングに採用されることの多い掃き出し窓は、人が出入りできる大きさのため、侵入されやすいと考えられます。
防犯ガラスを採用したり、二重ロックにしたりすることで、防犯意識を高く持ちましょう。
道路から隠れやすい場所や死角になりやすいところには、人が入れないような窓を設置するなどの工夫も必要です。
防犯だけでなく、道路からの視線や隣家からの視線が気になる場合は、スリット窓を活用するという手もあります。
リビングから人が出入りできる大きさの窓といえば掃き出し窓
リビングに採用する窓として、ポピュラーなのが「掃き出し窓」と呼ばれる大きめの引き違い窓です。
高さが1800mm、幅が2000mmほどの大きさで、人が出入りできます。
大きさのある窓のためリビングの採光や通風を決定づけますが、人が出入りできる窓のため防犯対策も必要になってきます。
この窓の配置によってリビングの方向性が決まるといえるかもしれません。
気を付けなければならないのは、明るくしたいからといって掃き出し窓をたくさん設置しすぎないことです。
窓を多くし過ぎると、壁の面積が少なくなってしまい、家具やテレビなどの家電を設置する場所がなくなってしまいます。
家具を設置するために、結局窓をひとつ潰さなければならなくなった、となってしまうと、せっかく窓を付けたのにもったいないです。
窓の大きさや配置を決めるときに、図面に家具やテレビを書き込んでみると、なんとなくイメージがつかめると思います。
そして、隣家の窓がどのように配置されているのかも考慮しておきましょう。
リビングの掃き出し窓が、隣家の掃き出し窓の正面にあったら、気まずくてカーテンが開けられないですよね。
新築同士であれば、事前に話し合いをしておくのもおすすめです。
スリット窓はスタイリッシュなリビングにおすすめ
人の視線やプライバシーが気になるという人は、リビングに掃き出し窓ではなく吹き抜けと天窓を付けるのはいかがでしょうか。
吹き抜けと天窓は相性が良く、リビングを解放感と光にあふれた空間にすることができます。
天窓以外にも、細長いスリット窓を高い位置に配置するとプライバシーを保ちつつ光や風を取り入れることができます。
スリット窓はデザイン性にすぐれ、おしゃれでスタイリッシュなリビングを演出してくれます。
縦や横に何か所か配置すると、それだけでリビングのアクセントになり、デザイン性を高めてくれます。
しかし、スリット窓は細長いので、窓の大きさはそれほどありません。
それだけではリビング全体を明るくすることはできないため、リビングが薄暗くなってしまう可能性があります。
そのため、ほかの窓とあわせて設置するのがおすすめです。
スリット窓の、あまり明るくできないという点を活かして寝室に採用するのも良いですね。
壁の高い場所だけでなく、足元の低い場所に配置するのもおしゃれです。
リビング窓で失敗しないために
明るいリビングにしたいからといって、大きな窓をたくさん設置してしまうと、快適な空間からはかけ離れてしまうかもしれません。
大きな窓は明るさやたくさんの風を取り入れてくれるかもしれませんが、同時に夏には熱気が強く入り込み、冬には冷気が流れ込んできます。
つまり、夏は暑く冬は寒い部屋になってしまうということです。
そして、花粉やほこりなども家の中に入ってきやすくなります。
花粉症の人が家族にいる場合は、つらい思いをさせてしまいます。
また、先ほどもお伝えしたように、窓が多すぎると家具や家電を配置する場所がなくなってしまいます。
窓の前に家具を置くと、掃除もしにくくなりホコリの温床になってしまいがちです。
リビングの快適さを保ちつつ、明るさや通風性を持たせることは、とても大切です。
とはいっても、方角や窓の大きさなどを頭の中だけでイメージするのは難しいと思います。
まずは、今お住まいになっている家の窓の方角や窓の大きさを調べてみてはいかがでしょうか。
窓の大きさから入ってくる明かりや、窓の方角による明かりの入り方などが何となくわかってくるかと思います。
窓の配置や大きさを決めるのは難しい
窓が多い家は明るくて素敵、と思われるかもしれませんが、窓が多いだけでは困ったことになる可能性もあるのです。
リビングには適切な窓の配置と大きさ、設置数があり、それを考慮しながら窓の付け方を決めていくことが必要になってきます。
すべてを自分で決めるのは難しいので、ノウハウを持っている専門家やハウスメーカーとよく相談しながら、窓の付け方を決めることをおすすめします。