侵入犯罪による室内への侵入口の大半が窓であることをご存知でしょうか?
たとえ窓にしっかりと鍵をかけていたとしても、手慣れた侵入犯は開け方を熟知しているので、簡単に侵入を許してしまいます。
そこで、この記事では、代表的な窓からの侵入手口や、窓周辺の防犯対策についてご紹介していきます。
窓の防犯を強化したい方は、ぜひ参考になさってください。
鍵だけでは開け方が簡単!?侵入口に選ばれやすい窓
家を留守にするとき、あるいは夜間の就寝中など、もしかすると侵入犯罪の被害者になってしまうかもしれません。
もし、十分な防犯対策を取っておらず室内への侵入を許してしまったら、金品を盗まれるだけでなく、ひどい場合はけがを負わされてしまうことも考えられるでしょう。
このようなことにならないためにも、防犯対策は強固なものにしておかなければなりません。
とくに、窓の防犯対策は必須です。
侵入犯罪の割合の半分以上は窓が侵入口と言われています。
これは一戸建ての住宅でも、アパートやマンションなどの階数のある共同住宅でも変わりません。
これほどまでに侵入口に選ばれる窓には、鍵をしっかりと施錠しておく必要があります。
しかし、一説には鍵の閉め忘れが原因になっていることが多いという話も聞きます。
そのため、できるだけ窓の鍵は忘れずに閉めておかなければなりません。
とはいっても、窓の防犯対策には鍵だけでは十分ではないでしょう。
なぜなら、侵入を何度も繰り返しているような侵入犯は、窓の開け方の手口を知っているため、室内へ簡単に侵入できてしまうのです。
侵入による窓の開け方の手口とは?
鍵がかかっている窓であっても、開け方を知っている侵入犯の前では、万全な防犯対策とは言えません。
それでは、どのようにして窓は開けられてしまうのでしょうか。
ここでは、鍵のかかった窓のガラスを割って侵入する、代表的な手口をご紹介します。
●三角割り
この手口では、ドライバーさえあればものの数分で室内に侵入できてしまいます。
まずは、ガラスとサッシの間にドライバーを差し込み、鍵に近い部分のガラスにひびを複数入れます。
そのひびを広げていき、手を入れられるだけの穴ができたら、そこから鍵を開けます。
大きな音がでないのが特徴のため、近隣住民にも気付かれにくい手口です。
●打ち破り
バールや石などで、直接的に窓ガラスを割る手口が打ち破りです。
この手口では周囲にも大きな音が響くため、犯行自体にかける時間はそれほど長くありません。
●焼き破り
焼き破りは、窓ガラスの急速な温度変化の力を利用した侵入手口です。
バーナーなどで窓ガラスを熱した後に、水を一気にかけることで、簡単に割れてしまいます。
このように、開け方を知っている侵入者の前では、窓の鍵も防犯対策として完全とは言えません。
そのため、窓の鍵にプラスした防犯対策を行うことをおすすめします。
鍵とあわせて行おう!窓におすすめの本格的な防犯対策
窓の鍵は一部の人にとっては開け方が簡単なため、鍵だけじゃなく他の対策もあわせて行ったほうが、より防犯の効果が期待できます。
そこで、窓におすすめする防犯対策をいくつかご紹介します。
〇特殊な窓ガラスに変える
窓の鍵が開けられてしまうのは、窓に穴を開けられてしまうからです。
そのため、衝撃を与えても窓に穴が開かない、特殊な窓ガラスに変更してみてはいかがでしょうか。
特殊な窓ガラスには、ガラスの間にワイヤーや特殊フィルムを挟んだものを選ぶと良いでしょう。
〇面格子やシャッターを取り付ける
窓に面格子やシャッターを取り付ければ、人が通れるだけの空間を確保できません。
もし、窓の鍵に加えて、面格子やシャッターを取り外すことになれば、室内への侵入にとても時間が掛かってしまいます。
侵入犯は侵入のための時間が掛かりすぎることを避ける傾向にあるので、防犯対策として有効と言えるでしょう。
また、その家の防犯に対する意識が高いことを間接的に知らせることができるので、心理的にも影響を与えるはずです。
賃貸住宅でもできる!窓の簡単な防犯対策
前章では、窓の防犯対策として、ある程度本格的なものをご紹介しました。
しかし、賃貸住宅のように自分が所有している物件でない場合は、ガラスを変えたり、窓枠に傷がついたりするような施工は避けなければなりません。
賃貸住宅の退去時に余計な修繕費用を支払うことのないように、ここでは部屋の設備に大きな影響のない、簡単にできる防犯対策をご紹介していきます。
〇防犯フィルムを貼る
窓ガラスを割れにくくするために防犯フィルムを窓に貼りつけましょう。
防犯フィルムを貼るだけで、特殊ガラスと同じような働きで窓の割れを防いでくれます。
ただ、防犯フィルムの種類によっては、剥がしたときに跡が残ってしまうことがあります。
そのため、窓に貼る防犯フィルムには、剥がしやすく、なおかつ効力も高いものを選ぶと良いでしょう。
〇補助鍵を設置する
窓の本来の鍵とは別に、もう一つ補助鍵を設置すると防犯対策として役立ちます。
先ほどもお話ししましたが、侵入犯は侵入時間が必要以上に掛かることを嫌います。
そのため、たとえ鍵の開け方を知っていても、開けるところが複数箇所に及ぶことが分かれば、侵入をあきらめるはずです。
この補助鍵にも、傷の残らない種類のものが多くありますので、選び方も工夫をしましょう。
まだある!窓周辺の安全を守る防犯対策
前章に続き、窓にできる比較的簡単な防犯対策についてご紹介していきます。
〇防犯ブザーを設置する
鍵の開け方を知っている侵入犯も、防犯ブザーで警報音が鳴り響けば、驚いて室内へ侵入することなく逃げ出すはずです。
防犯ブザーには、窓が開くことに感知するものと、衝撃を感知するものがあるので、お好みに合わせて選んでみてください。
〇防犯ステッカーを貼る
実際に大がかりな防犯対策を行っていなくても、窓に防犯ステッカーを貼るだけで、少しは抑止力となるでしょう。
ただ、この場合も剥がしたときに跡が残らないように、簡単に貼って剥がせるタイプのものを選ぶようにしてください。
以上が、窓にできる防犯対策です。
また、この対策とともに、防犯に対する高い意識も持っておきましょう。
窓の鍵の開け方が簡単だからこそ考える防犯への意識
窓の鍵の開け方や防犯対策を知るだけでは、防犯に対する十分な効果は期待できません。
大切なのは、それらに加えて防犯への高い意識を持つことです。
侵入犯罪の半数近くが、窓の鍵を閉め忘れたことが原因というお話しをしました。
このことからも、防犯への意識が低いということが読み取れます。
「少しの時間買い物に行くだけだから」という油断が、室内への侵入を許してしまうのです。
このようなことを避けるためにも、常日頃から防犯への意識を持っておくことが必要です。
もし、少し外出をするだけであっても、窓の鍵の施錠はしっかりと確認しましょう。
外出が少しの時間だけなら、明かりをつけておき、家に人がいるように見せるのも良いかもしれません。
防犯への意識を高く持ち、犯罪を未然に防ぐ努力をしていきましょう。
防犯対策と意識の改善が住宅の安全を守る!
窓は侵入口に選ばれやすい部分ですので、鍵だけでは防犯対策として心もとない部分があります。
できるだけ窓の防犯を強化するためにも、今回ご紹介したような対策も取り入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、防犯対策を行ったからと言って、油断していると危険です。
防犯対策に加えて、高い防犯意識を持つことで、より住宅の安全を守ることができるでしょう。