家を建てるために土地を選ぶ際には、利便性や環境を優先に検討されることでしょう。
そして、住宅地のなかでは、「角地」が人気となっています。
角地にはたくさんのメリットがありますが、安全面などの問題や、通り抜けをされないように「通り抜け防止策を…」と考えると「外構」を造ることが必要になってきます。
ここでは、角地のメリットとデメリットから、外構についてのお話、外構を造らない場合の問題点と対策法などをご紹介していきます。
角地の住宅のメリットとは?
まず、角地の住宅の外構や、通り抜け防止のお話をする前に、角地の住宅のメリットをご紹介しましょう。
●日当たりが良い
敷地に面する2方向以上が、道路になっていることにより、他の建物との隣接面が少ないため、開放感があり、建っている向きによっては日がよく当たります。
特に、リビングなどが南側に面している場合は、昼間は室内が明るく、照明がなくても過ごすことができるでしょう。
しかし、角地だからと言っても、必ず日当たりが良いわけではありません。
「道路や敷地が狭い」という場合は、日当たりがそれほど良くないということもありますので、土地のご購入の際は、道幅や周囲の建物の高さなどを考慮をして決めると良いでしょう。
●設計時の自由度が高い
家を建てる土地が角地の場合、道路に面している部分が多いので、玄関の位置を選ぶことができるなど、設計時にある程度自由に選択できることもあります。
●間取りの自由度も高い
玄関などの設計時も自由が利きますが、間取りを考える際も、角地であるからこその自由さがあります。
一つ目に挙げた「日当たりの良さ」を活かして、南側に居室を設けることができるなど、理想的な居住空間を造っていくことができます。
●空き巣に狙われにくい
道路に面している部分が多いと、空き巣の被害にあいやすいと思われるかもしれませんが、道路側というのは人目につきやすいので、空き巣被害は少ないと言われています。
●資産価値が高い
角地の土地は、これまで挙げたようなメリットがあるために、購入希望者が多く、売買価格が高くなっています。
将来、売却を検討した場合に、角地であれば人気があるので、「売れない」という心配も少なく、資産価値は下がりにくいと言えるでしょう。
角地の住宅にはメリットと同じくらいのデメリットが!
先ほどは、角地のメリットを複数ご紹介しましたが、角地にもデメリットはあります。
デメリットも知っておいた方が良いでしょうから、ご紹介していきます。
●夏場の暑さ対策が必要
メリットの中でご紹介した、「日当たりの良さ」は、夏場になるとデメリットにもなりかねません。
暑い夏には、強い日差しをよける対策をすることが必要になります。
●プライバシー・騒音
2方向以上が道路に囲まれているということは、通りすがりの人目につきやすく、車の通りが多い場合は、騒音の問題も起こる可能性もあります。
設計の際に、「プライバシーが守れるような設計にする」「騒音の対策も入れてもらう」などの必要があり、建築費用がかさむ場合もあるでしょう。
●購入時の費用
角地のメリットには、資産価値が高いという点も挙げられますが、もちろん、購入時にもそれなりの費用がかかりますので、事前の資金計画や準備は、綿密に行なう必要があります。
●外構費用の高さ
安全のためや通り抜け防止のためには、道路に面している部分に塀などの外構を造る必要も出てきます。
土地と建物の費用だけではなく、外構を造るとなると、その分の費用は高くなるでしょう。
これまで挙げたように、角地の住宅には、メリットとデメリットが裏返しのようにあることがおわかりいただけたでしょうか。
次章からは、デメリットの最後に挙げている「外構」について取り挙げていきます。
外構スタイルの種類を知ろう!
角地に限らず、家を建てる際には、土地を選び、建物の間取りを考えるだけではなく、外構をどうするか決める必要も出てきます。
この章では、外構にはどのような種類があるのかをご紹介します。
●クローズ外構
旧来の日本の住宅で、よく見受けられるスタイルの外構です。
入口に門扉を立て、敷地の周囲に塀やフェンスなどを使用して、境界線を明確に分けるようにする外構のことを言います。
道路や周辺からの視線を遮るようにすることで、プライバシーを守ることができ、不審者対策としてもメリットがあります。
ただ、侵入されてしまった場合は「外から見えにくい」というデメリットもあるため、死角ができないようにする工夫が必要です。
●オープン外構
クローズ外構で使用されているような門扉や、塀をなくしたタイプの外構スタイルです。
芝生や植栽などによって「道路と庭との境界線を示す」という欧米などでよく見受けられる外構スタイルです。
開放感があり、狭い敷地の場合も、実際よりも広く見えると言われています。
その他、風や光の通りも良くなるというメリットもあります。
ただ、誰でも簡単に敷地に入れてしまうので、防犯上のリスクは高くなりますので、セキュリティ製品を付けるなどの防犯対策が必要でしょう。
また、隣接する道路の幅が狭い場合は、通り抜けをされる恐れもありますので、通り抜け防止の対策をすることも考える必要があるでしょう。
角地の住宅の外構は通り抜け防止にもなる!?
前述したように、角地の住宅は、2方向以上が道路に面しているために外構がなかったり、オープン外構の場合は、気になる問題点があります。
角地の住宅のデメリットと共通する部分もありますが、次のようなことです。
●人目につきやすいので、プライバシーが守られないこと
●誰でも簡単に敷地に入れてしまうため、防犯上のリスクが高い
●隣接する道路の幅が狭い場合、車が自分の敷地に乗り上げてくる
●車が運転を誤って飛び込んでくる
●道から反対の道へ行くのに通り抜けをされる
などのことが挙げられます。
角地なのに外構がない場合や、オープン外構の場合は、このようなリスクがあることを知っておきましょう。
そして、逆に言えることは、外構を造ることにより、プライバシーや防犯上の面、車などの通り抜け防止の面で役に立つことがたくさんあるのです。
しかし、クローズ外構のように、敷地の周囲に外構を造るには「費用がかかるから難しい…」という場合は、その他の対策方法もありますので、次章からご紹介していきます。
角地なのに外構がない!通り抜け防止策はある?
角地の場合、敷地の周囲に外構をめぐらせるようなクローズ外構にするには、かなりの費用がかかってしまいます。
しかし、プライバシーや安全を守るためや、車の乗り上げ防止や通り抜け防止のために、クローズ外構を造ること以外にもできることがあります。
それは、クローズ外構とオープン外構の両方の良い部分を取り入れた、「セミクローズ外構」というものです。
特徴としては、塀やフェンスの高さを抑えることにより、プライバシーを守りつつ、開放感も味わえるスタイルとなっています。
塀であっても、敷地全体を囲うわけではなく、開放部分を設けるなど、自由にデザインをすることが可能です。
セミクローズ外構であっても、使われる素材によっては費用が高くなってしまいます。
そこで、費用を抑えるためには天然石材を使わずに、土間コンクリート仕上げにすると良いでしょう。
または塀はレンガではなく、化粧ブロックにするなどの工夫をすることで、コストの軽減をすることもできるので、おすすめです。
通り抜け防止に役立つ!おすすめのアイテム
外構のない角地に住んでいる人の悩みとなっている、車の乗り上げ防止や通り抜け防止のために、クローズ外構の他にできることとして、次のような手段もあります。
●チェーンポールを取り付ける
道路と敷地との区切りを付けるために、外構の工事店に依頼をして、取り付けてもらいましょう。
「車止め」や「スペースガード」とも呼ばれるもので、伸縮タイプや跳ね上げタイプに比べると費用も抑えられます。
必要のない時は、収納することもできて埋め込みできるタイプと、地面に直接固定するタイプがあります。
●駐車場ポールを置く
工事店に依頼をして本格的に設置する場合は、費用が結構かかる場合があります。
「可能な限り費用を抑えたい」という人は、ホームセンターや通販で、置くだけのタイプのポールも販売されています。
10,000円前後でも購入可能で、デザイン的にも様々なものがありますので、好みに合うものを見つけて使用されることをおすすめします。
外構がない場合も様々な安全対策を!
角地のメリットとしてはたくさんのことが挙げられます。
しかし、外構を造らないことによって、様々なデメリットも出てきてしまいます。
費用のかかる外構を造らない場合にも、今回ご紹介したような、外構を造る他にも役立つ対策方法をぜひご検討してみてください。
快適で安全な暮らしを送れるように、様々な工夫をしていきましょう。