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アパートの壁は防音性が低い?どう対策すれば良いの?

2019.1.26

アパートのトラブルとして多いのが騒音の問題です。

壁から伝わってくる音や振動は大きなストレスとなり、入居者が退去してしまうこともあります。

このことから、アパートの防音性はオーナーにとっても入居者にとっても重要な事項のひとつとなっています。

オーナーは、防音性を高めるためにどのような対策をすれば良いのでしょう。

なぜアパートの隣の音が壁を越えて聞こえてくるの?

アパートなどの集合住宅では、音の問題が避けられません。

音は、振動や空気によって周りに伝わります。

アパートなどで隣の部屋の音が聞こえてしまうのは、音の振動が空気や壁に伝わってきてしまうからなのです。

音には、個体音と空気音という2つの音が存在します。

個体音とは、物質の構造内部を通る音です。

空気に触れると空気音となり、響きます。

例えば、床に直置きしたスピーカーや空調音などがそうです。

どこから発せられているのかわかりませんが、音は響いているという状態です。

空気音は、空気を伝わる音です。

例えば、隣の部屋から聞こえる話し声などです。

こちらは、個体音に比べて防音しやすいといえます。

隣家の音は、気になる人はとことん気になってしまうものです。

アパートを選ぶ際に、防音性を重視する人もいるくらいです。

アパートの防音性は、壁の材質や構造によって大きく変わってきます。

防音性の違いは、建築構造の違いといっても良いほどなのです。

では、どのような構造が防音性が高いのでしょうか。

防音性は壁の構造に左右される

一般的に、建物の構造は大きく分けて5つの種類があります。

・木造
・軽量鉄骨造
・重量鉄骨造
・鉄筋コンクリート造(RC造)
・鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)

この中でも防音性が高いのが、鉄筋コンクリート造と鉄筋鉄骨コンクリート造です。

鉄筋コンクリート造は、柱・梁・床・壁が鉄筋コンクリートでできています。

何本もの鉄の棒で骨組みを作って、そこにコンクリートを流し込んでいますので、生活音が隣の部屋に響くことはありません。

鉄筋鉄骨コンクリート造は、さらに柱などに鉄骨を使った頑丈な造りで、防音性は鉄筋コンクリート造と同じです。

これらの構造でしたら、ドアの開け閉めや歩く音などが隣や下の部屋に伝わってしまうことはほとんどありません。

防音性がいちばん低いのは、木造です。

木造は通気性が良いのですが、音も通しやすくなっています。

木造アパートで壁が薄いと、隣の部屋の携帯電話のバイブレーションまで伝わってきてしまうほどなのです。

軽量鉄骨という構造には注意が必要になります。

建材に鉄材などを使っていますが、防音性が高いとはいえません。

建材の厚みによって防音性は左右されます。

防音性を気にするのであれば、重量鉄骨以上の構造がおすすめです。

木造アパートは防音性が高い?低い?

木材は音を吸収するため、音漏れがしにくいと思っている人もいます。

確かに、木材はコンクリートに比べて音を吸収しやすい材質といえます。

音楽ホールなど、音を響かせる施設にも木材は使われていますね。

これは、音を吸収するという木材の性質を生かして、音を響かせすぎないようにしているのです。

そのため、心地よい音楽や歌声を楽しむことができます。

しかしだからといって防音性が高いというわけではないのです。

木材では、音が通り抜けるのをそれほど防ぐことができません。

なぜ、鉄筋コンクリート造の方が防音性が高いのかといいますと、それには反射率が関係してきます。

鉄筋コンクリートは音をよく反射します。

もちろん木材も反射しますが、鉄筋コンクリートにはかないません。

木材は通り抜ける音が多くなってしまうため、木造アパートは防音が難しいのです。

音がどのくらい物質を通り抜けるのかは、物質の密度と質量で決まります。

物質の密度が濃く、質量が大きければそれだけ音は通り抜けにくくなります。

木造アパートが鉄筋コンクリートよりも音が通り抜けてしまうのは、木材の密度や質量が鉄筋コンクリートよりも小さいからなのです。

しかし最近では、音の問題を考慮したアパートも増えてきているようです。

壁に使用する石膏ボードも防音性・耐火性に優れたものが出てきました。

それでも、鉄筋コンクリートに比べれば、木造アパートは騒音が発生しやすいというのが事実です。

今からできる!窓・壁・床の防音対策

これからアパートを新築するのであれば、構造から防音性を高める対策が取れますが、すでにアパートをお持ちのオーナーはどのようにすれば良いのでしょう。

具体的なアパートの防音対策としては、2つのアプローチがあります。

ひとつめは、建物自体に防音対策を施すことです。

ふたつめは、入居者の騒音を防ぐことです。

アパートで隣家からの音を100%防ぐことは不可能です。

できる対策は、あらかじめ行っておくことが大切です。

建物の防音性は構造に大きく左右されますが、それ以外にもできる対策はあります。

対策する箇所は、

・窓
・壁
・床

の3ヶ所です。

窓については、防音ガラス(ペアガラス)、二重サッシを取り入れることによって遮音性が大きく増します。
さらに手軽な方法としては防音カーテンを設置するという手もあります。

壁は、遮音パネルや吸音ウールなどを設置することで騒音を減らすことができます。

また、音配慮ドアの設置や気密遮音コーキングをするという方法もあります。

床に関しては、防音カーペット、遮音フローリングなどがあります。

アパートの防音対策は、1部屋だけでしたらそこまで大きな金額にはなりませんが、全室に取り入れるとなると高額になってしまいます。

そこでふたつめの対策について見てみましょう。

アパートの入居者に防音の意識を持ってもらう

ふたつめの対策は、入居者の騒音を防ぐことでしたね。

これは、各入居者に騒音に気を付ける生活を根付かせるということです。

例えば、契約の際に、生活音や大音量のテレビ音、深夜に騒ぐといった行為が続いたときには、退去してもらうことがあると伝えておきます。

入居前にきちんと説明をすることで、入居者の意識を高めることができます。

また、アパートの掲示板などに定期的に防音について貼りだすことも対策になるでしょう。

定期的に目に触れることによって、音のマナーについての認識が高まります。

入居者からの騒音の苦情は、素早く対応しましょう。

騒音問題を放っておくと、騒音に対する意識が下がり、住環境が悪化してしまいます。

そうなると入居率にも影響を与えることになりかねません。

オーナーとしてこれらのことに気を付けるだけで、防音対策になります。

これで対応できない場合は、前項でご紹介した窓・壁・床の対策に移るのがおすすめです。

防音性を高めることは良いことだらけ

音に敏感でないという人でも、やはり防音性の高いアパートを選びたがるものです。

普通に生活するだけで、音は発生します。

防音とは、外から入ってくる音を防ぐというだけではありません。

自分から発せられる音も防いでくれます。

アパートなどの集合住宅では、たくさんの人が生活しています。

みんながお互い様と思えれば良いのですが、気にしてしまう人もいます。

静かに生活しているつもりでも、壁を隔てた隣の人にとっては騒音になってしまう可能性もあるのです。

子どもがいるご家庭や、ペットを飼っているご家庭は特に気になりますよね。

そういったご家庭では、どんなに気を付けていても大きな音が出てしまうことがあります。

トラブルに発展しないためにも、アパートの防音対策はとても大切なのです。

オーナーとして、そういった入居者のニーズに応えることも重要な役割です。

住環境を向上させることにより、入居者の満足度も高まります。

そうすることによって入居率もアップすることが見込めます。

ウィンウィンの関係で、アパートの音問題を解決方向にもっていくことができれば、ベストですね。

対策するだけでも効果あり

実際には木造アパートでは、鉄筋コンクリート造のマンションのような防音性を持つことはできません。

しかし、対策をすることによって大きく減らすことはできます。

防音は、オーナーにとっても入居者にとっても嬉しいことですし、やらない手はありませんよ。

ぜひ検討してみてください。

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