生活をするために、毎日のように使う水周り。
使用頻度の高いトイレやお風呂場、キッチンなどの水周りには、換気扇が付いています。
この換気扇から「異音がする」と相談があった場合、どのように対応してば良いのでしょうか。
今回は換気扇にスポットを当てて、異音の考えられる原因と、対処法をご紹介します。
トイレの換気扇からゴーっといった異音
はじめに、換気扇はどんな役割りをしているのでしょうか。
換気扇は、においや湿気を外に排出する役割があります。
ですので、においのこもりやすいトイレや、湿気のこもりやすいお風呂に付いているのです。
食事を作るキッチンでも同じことが言えます。
この換気扇から異音がすると、「故障していないだろうか」「音が大きくて気になる」といった相談が入居者から来ると思います。
こうした換気扇の異音について、お話します。
まず、トイレの換気扇の異音についてです。
トイレの換気扇から音がする原因のひとつとして「ゴー」といった異音があります。
これは、換気扇の内部にホコリなどが溜まって、音がしている可能性があります。
トイレに付いている換気扇を見てみてください。
換気扇の蓋であるカバーに、ホコリが付いている状態なら、換気扇内部にもホコリが溜まっていると考えていいでしょう。
トイレの換気扇を掃除してみる
トイレの換気扇にホコリがあった場合の掃除方法を見ていきましょう。
①換気扇を外す
安全のためにも、換気扇のスイッチは必ず切ってから行います。
しっかりと換気扇が止まってから、作業してくださいね。
トイレの換気扇の外し方ですが、いたってシンプルです。
ほどんどの場合が、換気扇のカバーのフチを持って手前に引っ張れば、簡単に取り外せます。
カバーは、針金のようなものが2本固定されているだけの構造です。
②換気扇のカバーを掃除する
取り外せたら、掃除機で大きなホコリをで吸い取りましょう。
取れないホコリは、歯ブラシなどを使って取ります。
それでも取れない細かい汚れは、ウェットティッシュを使って拭いていきます。
③乾燥させる
外したカバーを掃除したら、しっかりと乾拭きをしてから、乾燥させましょう。
④換気扇内部を掃除する
カバーを乾燥させている間に、換気扇内部を掃除していきます。
内部については、見える範囲でホコリを取り除きましょう。
⑤カバーを取り付けて完了です
10分ほどの作業時間で、吸い込む力が元に戻り、異音もしないことでしょう。
それでもトイレの換気扇から異音がしたら
先ほどの掃除方法でも、ゴーっといった異音の解消になります。
ですが、取り切れていないホコリもあると解決しないケースもあります。
そんなときは、換気扇の中のファンを外して、掃除する必要があります。
一見難しそうですが、大家さんでもできます。
中には、メーカーによって外しにくいものもあります。
無理やり外そうとすると、故障の原因になりかねないので、取り外しに不安を感じたら、業者に掃除の依頼をしましょう。
①ファンを取り出す
固定しているネジを、ドライバーを使って外します。
安全のためにも、換気扇のスイッチは、必ず切ってから行います。
しっかりと換気扇が止まってから、作業してください。
②ファンを掃除する
外したファンにトイレ用の中性洗剤を吹きつけて、歯ブラシなどでこすって、汚れを落としていきます。
最後に、水で洗い流します。
③乾燥させてから取り付ける
洗ったファンを、しっかり乾くまで乾燥させてから取り付ければ、完了です。
トイレの換気扇のゴーっといった異音の原因は、ほとんどが換気扇の空気の流れが悪くなっているためです。
きちんと掃除をして綺麗にすれば、元に戻ります。
ファンまで掃除しなくても、カバーと内部のホコリを年に一度掃除するだけでも、綺麗に保てます。
大家さんが実際に掃除しているところを見せて、「音がしたら掃除してみてくださいね」と入居者に伝える、よい機会かもしれません。
換気扇の異音でわかる原因とモーターの寿命は?
トイレの換気扇から「キュキュキュ」といった異音が、トイレの換気扇から聞こえていたとき、考えられる原因についてお話します。
換気扇のプロペラやファンを回すために、軸があります。
この軸部分に長期潤滑油というオイルが付いています。
しかし、このオイルが不足していて、キュキュキュっと異音がする可能性があります。
プロペラやファンを回している期間が長ければ長いほど、このオイルはすり減っていきます。
こうした音がする場合は、モーターの軸部分にオイルを塗ってみてください。
続いて、「カラカラ」といった異音がする場合です。
この場合、モーターの軸のズレや破損や変形などが考えられ、修理が不可能です。
修理に出すか、換気扇自体を交換しましょう。
トイレの換気扇から異音がしたときは、同時に経年劣化も考えられます。
お手入れの環境や、使用頻度によっても変わりますが、換気扇のプロペラやファンを回すモーターは、約10年で劣化すると言われています。
10年以上住んでいる方から「換気扇から音がする」といった相談があった場合は、換気扇の状態を確認し、交換も視野に入れていきましょう。
お風呂場の換気扇がうるさい場合
トイレ以外でも、使用頻度の高い水回りの換気扇と言えば、お風呂場ではないでしょうか。
ゆっくりと湯船に入り、日頃の疲れを癒やしてくれる癒やしの場所です。
そんな癒やしの場所であるお風呂の換気扇から異音がしたら、疲れが取れるどころか、気になって仕方がないですよね。
入居者から「お風呂の換気扇がうるさい」などの相談があった場合、どんな音がするのか、実際に確かめてください。
異音で考えられる原因は、以下の通りです。
▼ゴーという異音
換気扇の内部まで、ホコリが溜まっている可能性が考えられます。
カバーを外して、サッシブラシなどを使い、ホコリを落としましょう。
▼キュキュキュという異音
モーターの軸部分の、オイル不足が原因です。
▼カラカラという異音
モーターの軸のズレや破損、変形などが考えられます。
▼ジーという異音
ここまでの3つの異音は、トイレの換気扇と同じ原因が考えられます。
ですが、このジーという異音は、お風呂場ならではの異音です。
お風呂場には、湿気が多くあります。
この湿気が換気扇の中心部まで入り込み、奥まで錆びてしまうのです。
異音がしていなくても、換気扇から茶色い水が落ちてきた場合などは、錆びを疑ってみましょう。
キッチンの換気扇を掃除する方法
最後に、キッチンの換気扇の異音についてです。
ゴーっという異音がする場合は、プロペラやファンに、油汚れが付着していることが考えられます。
炒め物や、揚げ物をする場所ですから、換気扇も汚れやすいのです。
住んでいる方が、こまめに掃除をしてくれているとよいのですが、入居者全員がそうであるかと言われると、そうではありませんよね。
そこで、キッチンの換気扇を掃除して、異音を止めましょう。
まず、換気扇の電源を落とし、安全のためにブレーカーも落としてから作業しましょう。
掃除をしているとき、万が一、ファンが回り出すと、大怪我を負うことになります。
フィルターとファンを取り外しましょう。
つぎに、フィルターとファンが入るぐらいのゴミ袋を用意して、お湯(60℃程度)を入れます。
お湯を入れたら、フィルターとファンを入れて、たっぷりの重曹を入れて、かき混ぜます。
重曹はアルカリ性なので、酸性である油汚れを中和して、汚れをゆっくりと落としてくれます。
1時間ほど、浸けておきましょう。
③ブラシなどを使い、油汚れをこすって落としていきます。
水でよく洗ってから拭き取り、しっかりと乾燥させて、戻せば掃除完了です。
あまりにも、汚れがひどい場合は、水1:重曹2を混ぜたペーストを塗って、1時間おきます。
1時間経過したら、ブラシでこすって汚れを落とし、水で洗い乾かしましょう。
キュキュキュという異音がしたらオイル不足。
カラカラという異音がしたら、モーターの軸のズレや破損、変形が考えられます。
この2つは、トイレの換気扇の異音の原因と同じですね。
気になる異音を防ぐには
換気扇の異音を予防するのは、まずは、こまめな掃除です。
中には、掃除の仕方が分からないといった入居者もいるかもしれません。
大家さんが、優しく掃除方法を教えてあげましょう。
また、モーターがオイル不足になっていないか、モーターの軸は正常かを点検してみましょう。
そして、長年使用しているようであれば、このタイミングで新しいものに交換することも考えてみましょう。