理想の一戸建てを建てることは、人生において、大きな夢ですね。
建てる際には、土地や住宅の広さが気になります。
どのくらいの広さがちょうど良いのか、なかなかイメージしにくいものです。
そこで今回は、土地や住宅の平均値を調査しました。
一戸建ての平均【土地と延床面積】
一生に一度の買い物というと、そう多くはありません。
一戸建ての住宅は、ほとんどの方にとって、一生に一度の買い物です。
だからこそ、後悔や失敗はしたくないものです。
特に、土地や家の広さは、後悔したとしても、後から簡単に変更することができません。
一戸建てを建てるためには、どのくらいの土地の広さが必要なのでしょうか。
多くの方は、一戸建てを建てた経験がないでしょうから、土地の広さのイメージが付きにくいですよね。
そのようなときに参考になるのは、平均値です。
おおよその目安として、知っておくことをおすすめします。
ただ、住宅の広さというものは、家族構成・予算・ライフスタイルによって、家族ごとに違います。
あくまでも、参考にしてください。
◇全国平均
(注文住宅)
土地面積:223.5㎡
延床面積:131.3㎡
家族数:3.7人
(建売住宅)
土地面積:124.0㎡
延床面積:102.0㎡
家族数:3.2人
このような平均値になっています。
注文住宅の一戸建てでは、土地面積は、延べ床面積の1.7倍が平均です。
これを目安に考えると良いでしょう。
しかし、これは全国平均で、土地や建物の広さは地域によって、かなりの差があります。
一戸建ての広さは地域によって平均値が大きく違う
例えば、首都圏の平均を見てみます。
◇首都圏平均
(注文住宅)
土地面積:162.0㎡
延床面積:124.6㎡
(建売住宅)
土地面積:114.0㎡
延床面積:97.0㎡
◇近畿圏平均
(注文住宅)
土地面積:176.0㎡
延床面積:127.9㎡
(建売住宅)
土地面積:100.3㎡
延床面積:103.2㎡
◇東海圏平均
(注文住宅)
土地面積:226.3㎡
延床面積:137.5㎡
(建売住宅)
土地面積:151.6㎡
延床面積:110.8㎡
このようにして見てみると、地価の高い首都圏では、土地面積・延床面積ともに、狭くなっています。
特に、東海圏と首都圏の差は顕著です。
同じ一戸建てだとしても、建てる場所によって、面積や値段は大きく変わってきます。
都道府県別の一戸建ての延床面積は、このようなランキングになっています。
◇1位 富山県 152.18㎡
◇2位 福井県 146.16㎡
◇3位 山形県 141.51㎡
最下位は、もちろん東京です。
◆45位 沖縄県 76.28㎡
◆46位 大阪府 76.22㎡
◆47位 東京都 64.48㎡
延床面積が最も広い富山県と、最も狭い東京都の一戸建てでは、倍以上の違いがあります。
しかし、単純に広さだけを比較することもできません。
広さが得られない分、利便性など、東京都ならではの魅力もあります。
住まいに何を求めるのかによっても、土地選びは重要になってきます。
一戸建ては家族構成に合わせて
さらに、家族構成も、土地や延床面積を決めるうえで、重要なポイントです。
平均家族数は、3.7人です。
これは、夫婦2人+子ども2人を想定しています。
しかし、すべての家庭が、この家族構成というわけではありません。
子どもが多ければ、それに合わせて、子ども部屋も増えます。
例えば、6畳の個室を増やすとしますと、床面積は10~12㎡必要になります。
お庭を諦めるなどすれば、確保できる面積です。
また、必ずしも子ども1人に対して、ひとつの個室を作らなければならないというわけでもありません。
広めの子ども部屋をひとつ作り、成長に合わせて、家具などで間仕切ることで対応することもできます。
このようにすることで、床面積を有効に使うことができます。
二世帯住宅であれば、延床面積が2倍必要になることもあります。
延床面積が広くなるということは、その分、土地も広くする必要があります。
しかしこれは、生活空間を、それぞれ別にした場合です。
二世帯住宅でも、共用スペースを多くするなどすると、思ったよりも延床面積を増やさずに済みます。
一戸建ての住宅は、簡単に住み替えることができません。
年月の経過によって、家族構成は変化します。
そのため、「家族が〇人だから何部屋必要」と無理に考えることはありません。
いずれ、子どもは巣立ちます。
将来、部屋の用途を変えられるようにしておけば、無駄な部屋を作らずに済むかもしれません。
土地にはいろいろな規制がある
厄介なことに、土地というものは、すべての部分に建物が建てられるというわけではありません。
土地に一戸建てを建てるためには、いろいろな法律で規制がかかっているのです。
例えば、建ぺい率です。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築物の割合のことです。
建築基準法で規定されています。
一般的に、「建ぺい率△%」と表記されます。
これは、地域によって上限が違い、30%~80%の間で定められます。
住宅地でしたら、60%程度に定められている場所が多いです。
地域によっては、40%の場所もあります。
例えば、土地50坪で建ぺい率60%であれば、
50坪×60%=30坪
です。
土地の30坪の部分にのみ、建物を建てることができます。
2階建てでしたら、最大で60坪の家ということになります。
もし、40%だとしたら、
50坪×40%=20坪
です。
2階建てにしたとしても、40坪の家しか建てられません。
ですから、同じ土地面積であったとしても、建てられる家の大きさが異なってくるのです。
この建ぺい率は、地域によって定められているので、全国的な平均を出すことができません。
建築を考えている土地が、どのような法律によって規制されているのか、しっかり調査しましょう。
住宅のみと住宅+土地の平均費用
一戸建てを建てるために必要な土地について、お話してきました。
しかし、土地のことを考える前に、考えなければならないことがあります。
それは、費用です。
一戸建ての注文住宅では平均で、どのくらいの費用が掛かるものなのでしょうか。
全国平均が、どれくらいなのか見てみましょう。
◇住宅のみ 2,388万円
◇土地+住宅 3,433万円
土地があるかによって、大きく差が出ます。
これは、地価の高い東京では、さらに顕著です。
しかし、住宅に掛かる費用も地域差が大きく、平均はあくまで参考値にしかなりません。
住宅ローンの借り入れ平均額も見てみましょう。
◇住宅のみ 2569万円
◇土地+住宅 3372万円
毎月の返済額の平均は、8万1211円です。
無理なく返済できる金額に、設定している人が多いようです。
住宅ローンを借り入れるうえで用意する頭金の平均は、740万円ほどです。
頭金が多いと、ローンの金利が優遇されることもあります。
また、一戸建てを建てるときは、手付金や中間金などが掛かります。
頭金を準備しておくことで、資金繰りに困ることが減ります。
しっかり資金計画を練りましょう。
住宅ローンは平均値を参考に
土地や一戸建ての広さは、地域によって大きな差がありました。
しかし、住宅ローンの場合で考えると、地域によって大きな差があるというわけではありません。
ここでは、年収による平均のデータを活用することができます。
しかし、気を付けてほしいことがあります。
年収に、とらわれ過ぎないことです。
年収から、借り入れ額を決める人は多くいます。
年収は、金融機関からも、必ず確認される項目です。
しかし、年収だけを重視してしまいますと、「いくらまで借りられるか」ということしか考えられなくなってしまいます。
住宅ローンは、いくら借りられるかで考えてはいけません。
安全に返済できる額を、借り入れるのが本来です。
年収によって、借り入れられる額が決まってしまうことは、事実です。
しかし、それを目いっぱい借りるつもりで計画してしまうのは危険です。
ローンの返済は、何十年も続きます。
「毎月安全に返済できる額」をベースに考えることが大切です。
一戸建ては広さだけで決めない
土地や一戸建ての広さは、平均だけでは決められないのですね。
住宅において大切なのは、そこで暮らす人が安心して快適に過ごせることです。
長く住むことになる住居です。
広さだけでなく、快適性や無理なく返済できるローンなど、総合的に考えることが大切です。