なかなか勤め先に恵まれず、給料の手取りが12万円程度しかないけれど、一人暮らしをするという場合、生活は成り立つのでしょうか。
展望は、比較的苦しいかもしれませんが、やってできないことはありません。
やりくりをして、どんな生活になるか検証してみましょう。
給料手取り12万円、年収ベースでどれくらいか
給料の手取りが12万円というと、逆算して額面では14.8万円程度ではないでしょうか。
概算ですが、健康保険が7,400円、厚生年金が13,700万円、雇用保険が450円、所得税が2,050円、住民税は4,000円程度で、控除額合計27,600円です。
14.8万円から27,600円を引いて、月の手取りが12万円強ですね。
年収に換算すると177.6万円、もし賞与が2ヶ月分でももらえれば、年収200万を超えるくらいということになりますね。
20代前半の平均年収が約250万円ですから、ちょっと少ないといえば少ないかもしれません。
しかし、将来の備えである年金には加入しているし、病気やケガに備えて健康保険に加入しています。
万が一のリストラに備えて雇用保険も払っているし、もちろん税金も支払って義務を果たしています。
これで生活が成り立てば、立派な一人前の社会人ですよね。
では、なんとか生活が成り立つよう、一緒にやりくりを考えていきましょう。
給料手取り12万円、一人暮らしの家賃はいくらにするべき?
世間一般では、家賃は給料の1/3であれば生活できるといいます。
手取り12万円の給料だと4万円ということになりますが、考えてみてください。
家賃は上がることはあっても、下がることはなかなかありません。
一度契約すると住んでいる間ずっと支払い続けるもので、節約のしようがないものです。
それなら、最初からもっと安いところを探せばいいのです。
賃貸住宅のサイトなどで、家賃3万円以下のところを検索してみてください。
もしあなたが、東京23区に住みたいなら、結構厳しい条件になるかもしれません。
しかし、たとえば江戸川区ではなく市川市に、葛飾区ではなく松戸市に、杉並区ではなく三鷹市に住めば、もっと安いところがあります。
大阪では、市内であっても家賃3万円程度ならたくさんあります。
地方ならなおさらです。
あとは何を求めるか、何を我慢するかです。
駅から遠ければ、同じ家賃でも広い部屋が借りられます。
築浅を求めるなら、同じ値段でも狭い部屋になるでしょう。
自分で何を優先するかを考えて、できたら、共益費込みで3万円程度の部屋を探してみていただきたいと思います。
給料手取り12万円、家賃の他にかかる最低限の生活費とは
次に、給料手取り12万円で暮らすのにかかる生活費についてです。
生活費として、家賃以外に最低限どんなお金が必要になるかご存知でしょうか。
まずは光熱費です。
オール電化であればガス代はかかりませんが、電気、ガス、水道代は普通は必須です。
次に電話などの通信費です。
固定電話は必要ありませんが、格安でも良いので、スマホなど1台は必要です。
そして、ティッシュやトイレットペーパー、洗剤、シャンプーなどの日用品費も必要になってきます。
また、通勤を考えると、多少は衣料品も必要でしょう。
最後に日々の食費です。
ひとまず、予算としてはそれだけ立てておけば、日常生活は送れます。
ここで、それぞれの予算は、一般的な一人暮らしにおいてどの程度になるかを見てみましょう。
参考にするのは、総務省の家計調査報告です。
平成27年度の7~9月期のデータで、単身者の支出内わけを見てみましょう。
まず、光熱費は9,598円、通信費は交通・通信費として19,704円、日用品は家事用品として5555円、服飾費は5,408円、食費が37,861円となっています。
これに家賃3万円を足すと、合計で10,8126円になります。
給料の手取りが12万円であっても、これだけならば生活はできそうに思えますが、とりあえずひとつひとつ見ていくことにします。
給料手取り12万円の生活を実現する光熱費の検証
では、光熱費の検証をしてみましょう。
料金はよく改定されるし、値引きなどは考慮していないため、概算ととらえてください。
まずは水道代ですが、市町村によって金額は違います。
ちなみに大阪市では、基本料金850円です。
あとは10,000ℓまでは1,000ℓにつき10円、20,000ℓまでは97円、30,000ℓまでは124円などと、1,000ℓごとの従量制です。
一人暮らしであれば、月2,000円程度で済むのではないかと思います。
次に電気代は、関西電力の場合、最初の10kwまでは1,188円、それ以降90kwまでは1kw当たり21.64円、230kwまでは28.59円です。
平均120kwくらい使うとして、3,700円くらいになります。
ガス代は、大阪ガスで、基本料金が745円、1㎥あたり157.89円です。
6㎥使うとして、1,700円くらいです。
以上で光熱費の概算合計7,400円ですが、家計調査にある、1万円以内くらいが妥当でしょう。
季節による変動なども加味して、1万円の予算にしておき、差額は貯金と考えて口座に貯めておけばよいのです。
給料の手取りが12万円でも、できるところはコツコツと貯めていきましょう。
給料手取り12万円の生活で、通信費、日用品、衣料品はどのくらい?
次はその他の生活費です。
給料が手取り12万円なので、削れる部分は削った方がいいですね。
通信費は、家計調査では交通・通信費で1,9704円でしたが、通勤交通費は会社が負担してくれることがほとんどです。
そこで、通信費であるスマホ1台の料金を考えると、通常で8,000円、格安スマホなどでは3,000円程度になります。
日用品は、一人暮らしであれば5,000円程度になります。
家計報告でも、5,555円なので妥当なラインでしょう。
最後に衣料品ですが、これも個人の使い方次第ですが、衣料品といっても外出着だけではありません。
靴下や下着など、どうしても必要なものもあります。
そこで、やはり家計調査の平均のデータからみて、5,000円程度としておきます。
まとめると、通信費3,000円、日用品5,000円、衣料品5,000円で合計13,000円は見積もっておきましょう。
そして、最後に一番の出費である食費についてみていきましょう。
実は、生活費の中でも食費が、一番個人差があるといえます。
まずは自炊できるかできないかが大きな分かれ目になります。
給料手取り12万円の生活、大きく節約できるのは食費
外食産業では、原価は3割が一般的な目安ですので、逆に考えると、外食すると自炊の3倍かかるといえます。
できる限り外食を避けるか、お弁当などを購入するなどして食費を節約すれば、家計調査の37,861円より安く、3万円程度にはなります。
実は、見切り商品の利用やチラシ情報の入手、作り置き術や材料の使いまわし術など、巷の主婦の節約術を駆使すれば、2万円も夢ではありません。
そこまでとはいいませんが、できる節約をすれば、きちんと食べても3万円でカバーできます。
ここまでの生活費を合計すると、家賃3万円、光熱費1万円、通信費、日用品、衣料品で1.3万円、食費3万円で、合計8.3万円になりました。
少し余裕を持たせて毎月9万円かかるとすると、給料の手取り12万円では3万円余ります。
しかし、ときには病院に行かなくてはいけなくなることもあります。
毎月とはいわなくても、美容院にいくこともあります。
また、会社のお付き合いや、親戚のお祝いことなどの交際費もときには必要です。
一応、毎月ではなくても必要になってくるお金に関しては、手元のタンス貯金として月に1万円程度はおいておきましょう。
そして、残った2万円は、将来のために貯金専用の口座に貯めていくことをおすすめします。
使ってよい貯金と使ってはいけない貯金をわけるのも、ひとつのポイントです。
口座の貯金を守りつつ、タンス貯金で多少は心に余裕をもって生活できるからです。
手取り12万円で最低限ではなく必要十分なシンプルな生活を
いかがでしょうか。
手取り12万円の一人暮らしは、意外とできるものだと思いませんでしたか?
もちろん贅沢に慣れている人には厳しい生活にみえるかもしれませんが、衣食住が整った状態で生活できれば、実は十分なのではないでしょうか。
そして、ボーナスなどのときには、多少パッと使ってもよいので、喜びをかみしめてください。
それが、次のがんばりの糧になれば、金額よりも有意義な使い方といえるはずです。