物件選びのめやすに!軽量鉄骨と木造の特徴や耐用年数の違い

アパートの物件をお探しの方で、木造と軽量鉄骨造の建物にはどのような違いがあり、どんな特徴があるのかと疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、物件の情報には築年数が書かれていものの、建物の耐用年数はどの程度であるか知りたい方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、ここでは、軽量鉄骨造と木造についてのお話や、建物の耐用年数についてお話ししていきます。

「軽量鉄骨造」の仕組みや特徴とは?

アパートの物件の表を見ていると、構造の種類としてよく見かけるのが、軽量鉄骨造や木造ではないでしょうか。

まずは、「軽量鉄骨造」についてお話ししていきましょう。

軽量鉄骨というのは、厚さ6mm未満の鋼材のことを呼んでいます。

一般的には、3~4mmのものが多く使用されています。

この鋼材を使用して造られる建築方法として、「プレハブ工法」というものが主流となっています。

これは、前もって工場で主要な部品を生産しておいて、それらを現場で組み立てて設置するという方法です。

こうすることにより、工期が短く済み、コストも安く抑えることが可能になります。

自社の工場が持てる大手の住宅メーカーで、このような方法が多くとられています。

部品の大量生産により、建物の品質も揃えられるというメリットもありますが、どれも同じようなデザインになりがちなので、「個性がない」という欠点ともとれることもあります。

このような軽量鉄骨造の耐用年数については、また後ほどお話しします。

それでは、木造の建物にはどのような特徴があるのでしょうか。

「木造」の特徴とメリットデメリット

「木造」とは、壁から柱、床・梁・屋根まで、建物の主要な部分に木材を使用した建築のことです。

軽くて強度もあり、加工しやすいので賃貸アパートなどで多く使われています。

なかには、木造のアパートを誤解している方もいらっしゃるかもしれませんが、メリットが次のようにたくさんあります。

・軽量鉄骨造よりも家賃が比較的安い
・通気性や断熱性が高い
・吸湿性が良い
・マンションと違い、部屋の角に梁がないため、広く使うことが可能
・新築のアパートでは、オシャレな物件も多い

このように、木造のアパートにも、メリットと言える点が多くあります。

しかし、デメリットとされることもいくつかあります。

・鉄筋コンクリートに比べると騒音が聞こえやすい
・築年数が古いアパートの場合は、木材が傷んできている可能性があり、万が一火事が発生すると、火のまわりが早いという恐れもある

次に、建物の耐用年数についてのお話をしていきましょう。

建物も永遠には使えない!耐用年数がある

たとえ建築時に、しっかりと強度などにもこだわって造った建物であっても、どれもそのまま永遠に使うことは不可能なことです。

アパートやマンション、住宅にも耐用年数というものがあります。

一般的に言われている耐用年数というのは「法定耐用年数」のことで、法で定められてはいますが、「その年数を超えたら住めない」というわけではありません。

経過した年数によって減っていく価値を費用的に計算するためのものです。

耐用年数と一言で言っても、物理的なことや経済的なことなど、様々な観点から見ることにより、違いがあります。

その建物をどう使用したかやメンテナンスの仕方などはそれぞれ違い、アパートの築年数だけでは判断することのできないこともあります。

不動産価値を決める際には、残りの耐用年数を経済的な観点から考えて判断するように決められています。

それでは、軽量鉄骨造と木造アパートの耐用年数はどのくらいなのか、というお話に入ります。

軽量鉄骨造の耐用年数について

先述したように、建物の法定耐用年数というのがその建物の寿命を表しているわけではなく、法的な基準により出されたものです。

軽量鉄骨造の建物の法定耐用年数は、使われている鋼材の厚さによって2種類に分かれます。

・鋼材の厚みが3mm以下の場合:法定耐用年数 19年
・鋼材の厚みが3~4mm以下の場合:法定耐用年数 27年

このように定められています。

そして、4mmを超えた場合は「重量鉄骨」と呼ばれ、法定耐用年数は、34年になります。

ちなみに、鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は、47年と定められています。

軽量鉄骨造は意外と法定耐用年数が短いため、それ以上の年数を超えて長く使用していくとなると、修繕やリフォームが必要になると考えられます。

ただ、プレハブ工法で建てられた軽量鉄骨造のアパートは、メーカーの技術者ではないと正しい工事が難しい場合もあり、簡単にリフォームすることができないこともあり得ます。

次に、木造の耐用年数についてお話しします。

木造のアパート・住宅の耐用年数はどのくらい?

軽量鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物の法定耐用年数は、前章でお話しした通りです。

それでは、木造の建物の耐用年数はどのくらいなのでしょうか。

その木造アパートの法定耐用年数は、20~22年とされています。

しかし、木造のアパートや住宅であっても、実際には30年やそれ以上の長い年数を超えても使用されているケースが多くなっています。

木造アパートの場合は、入居者が入れ替わることが多く、その都度メンテナンスが入るので、それがきちんと行われていれば耐用年数も変わってくると考えられています。

木造の建物は、水気や衝撃などによる劣化に弱い面があるので、湿気の対策をしたり、定期的にこまめなメンテナンスを行なったりすることが大切です。

木造アパートの物件をお探しの方で、築年数が古くても、家賃が安いというメリットにひかれることもあるでしょう。

その場合は、その建物が十分にリフォームやメンテナンスが行われている物件かを確認することも安全面を考えると必要になります。

木造や軽量鉄骨のアパートから物件を探すポイント

これまで、軽量鉄骨造や木造の建物の特徴やメリットデメリット、耐用年数などについてお話ししてきました。

先述したように、耐用年数はあくまでも目安となります。

どの物件においても、きちんとメンテナンスやリフォームがされているかが大切になります。

その他にも、物件を決める際のポイントがありますので、お伝えします。

●内外からの騒音はないか

部屋の隣人や上下の部屋からの騒音はもちろんですが、アパートのすぐ横や前に道路があり、交通量が多い場所であると、車やバイクの音が騒音となる場合があります。

特に交差点があると、さらに音が気になるかもしれません。

●共有スペース

アパートの廊下や玄関などの共有スペースがきちんと掃除され、使い方もきれいにされているかもポイントとなります。

アパートの管理の仕方や、住人のマナーを見極めることができます。

●最寄り駅からの距離や環境

女性の場合は特に、駅からアパートまでの道で危険な感じのする箇所がないかどうか確認しましょう。

できれば、夜暗くなってからの周辺の状況も確認できると良いでしょう。

建物の耐用年数は寿命ではないが今後の目安に!

ここでお話ししたように、どのような建物にも耐用年数というものがあります。

耐用年数が過ぎたからと言っても、もう住めないというわけではありませんので、数年だけ住む場合は築年数が古い物件に決めても大丈夫でしょう。

しかし、長く住む予定の部屋を探すのであれば、その建物の耐用年数というのも考慮して探すという方法も良いかもしれませんね。