賃貸物件を探している方で、「階段しかない4階以上のアパートの部屋の住み心地はどうなのか知りたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「4階くらいなら階段でも大丈夫だろう…。」と思うかもしれませんが、実際のところはどうなのかというお話をしていきます。
そのような部屋のデメリットとメリットや物件を選ぶ際のポイントなどもご紹介しますので、物件選びの参考になさってください。
4階建てのアパート!マンションではなく「アパート」の理由
4階以上あるのにエレベーターがなく階段しかないことについてお話をする前に、まず、アパート・マンションの呼び方の違いについてをお話しします。
一般的に、アパートというのは、木造や軽量鉄骨造の2階建てなどの共同住宅のことを呼びます。
そして、マンションは、鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造などで建てられた3階建て以上の共同住宅のことを言います。
しかし実際には、アパート・マンションの呼び方についての明確な定義はないとされています。
そのため、不動産会社や管理会社などにより判断基準が異なっているので、一見マンションのように見えても、「アパート」と表記されている物件もあり、その逆のパターンもあります。
入居者を募る際に、「マンション」と付いているほうが比較的入居者が決まりやすいこともあり、3階建て以上の軽量鉄骨造などの物件でも、マンションの名称をつけて募集している場合もあると言われています。
4階でも階段しかないアパート!エレベーターの設置基準とは
アパートやマンションの呼び方に関わらず、4階建て以上ある建物なのにエレベーターが設置しておらず、階段しかないという建物もあります。
そもそも、エレベーターの設置基準というものはどのようになっているのでしょうか。
建築基準法によると、「高さ31mをこえる建築物には、非常用の昇降機を設けなければならない」と定められています。
その31mの高さというのは、7階~10階程度のマンションのことになります。
実際には、6階以上のマンションになるとエレベーターを設置していることが多く、5階建て以下のマンションでは、築年数が古い物件は特にエレベーターがないことが多く見られます。
想像するだけでも、4階以上の建物になると、「毎日階段を上り下りする生活は大変なのではないか」と思っている方も多いかもしれません。
では次に、実際にはどうなのかというお話をしていきましょう。
階段しかないアパートの4階に住むと感じるデメリット
それでは、4階なのに階段しかないアパートに実際に住むと感じられるデメリットについて挙げていきます。
●重い荷物を持っている時
大量に買い物をした時や重いお米などを購入した際に、4階の部屋まで階段で上るのはつらくなります。
●忘れ物をした時
4階の部屋から外まで出てから忘れ物をしたことに気づくと、階段を上らなければならなくなり、体力的にもきついですが、急いでいる場合は時間もロスしてしまうことになります。
●階段を使用する人の足音が気になる
当然のことですが、共同住宅ですので、アパートの同じ階段を住人が使用することになります。
そのため、4階建てになると部屋数も多く、入居者もその分いるので、階段の上り下りする音は頻繁に聞こえるでしょう。
●妊娠中や小さな子どもがいる場合
4階の部屋を借りた頃は妊娠した時のことを想定していなかったため、妊娠中は上り下りがさらにきつくなります。
また、小さなお子さんがいる場合も、安全などに配慮しなければならないので、デメリットと感じるかもしれません。
4階建て以上なのに階段しかないアパートなどの引っ越し料金は?
4階以上の部屋であるのに、エレベーターがなく、階段しかないアパートなどの場合、引っ越しの際の料金は違ってくるのでしょうか。
引っ越しをする際に、階段しかない物件の場合、荷物の搬出入をするのに手間と時間がかかるものです。
そのため、物件の階数が上がったり、荷物が大きくなるにつれて、料金も上がったりしてしまう場合が多いでしょう。
また、階段を使用しての搬入経路では難しいほどの大型の荷物の搬入の場合は、クレーン車や特殊な重機を使用しなければならなくなります。
その場合はもちろん、料金が高くなり、数万円はかかるとされています。
階段しかない4階以上のアパートに住む際に、冷蔵庫や洗濯機などの大きな物を購入する方は、搬入経路についても考えながら決めることが必要になります。
このように、デメリットととられることが多いように思われる4階以上のアパートですが、デメリットばかりではありません。
次章では、そのような物件でもメリットとなることをご紹介します。
階段しかないアパートにもメリットと言えることもある!
エレベーターがなく、階段しかないアパートのデメリットと思われがちなことを挙げてきましたが、メリットととれることもあります。
●比較的家賃が安い
先述したように、エレベーターのないアパートやマンションの場合、4階などのある程度高い階数の部屋でも階段を使用しなければならないことがデメリットととられがちです。
そのため、階数が高くなるにつれて下の階の部屋よりも家賃が安くなっているという物件が多くあります。
階段の上り下りが苦に感じない方には家賃を抑えられるよい物件と言えるでしょう。
また、エレベーターがないということは、エレベーターを維持するための費用がかからないということになります。
その分、エレベーターのあるマンションよりも家賃や管理費は安く設定されるでしょう。
●外へ出る時間がかからない
エレベーターがあるマンションの場合、外出する際にはエレベーターを待つ時間がかかるものです。
しかし、階段しかないアパートやマンションであれば、エレベーターを待つことなく外へ出ることができます。
火災などの万が一の緊急時にも、アパートなどの低階層であれば、高階層のマンションよりも避難がしやすくなるでしょう。
アパートやマンション選びで後悔しないポイント
これまで、4階程度の高さのあるアパートなどでも階段しかない物件についてのお話をしてきました。
毎日の階段の上り下りが苦に感じてしまう方は、物件を探す際に、4階程度の部屋でも、エレベーターがあるかどうかをチェックすることをおすすめします。
また、物件を探す際には、エレベーターの有無以外にもチェックする必要のあるポイントがあります。
●騒音について
部屋のなかにいて聞こえてくる騒音には様々なものがあります。
車やバイクなどの外からの騒音や隣りの部屋からの音楽や話し声、上の部屋からの足音などがおもに気になることでしょう。
実際に住んでみないと気づきにくいものですが、時間を変えて何度か内覧をさせてもらい、気になる音が聞こえてこないかと注意してみることも必要です。
●虫が発生しやすい場所ではないか
アパートやマンションのすぐ前や近所に緑が多くあることは環境が良く思えますが、季節によっては虫が大量に発生する場合もあります。
特に虫が苦手な方は、ベランダに出て、物件周辺の自然環境もチェックしておきましょう。
●キッチンまわりのスペース
築年数が浅くてきれいな部屋であっても、キッチンのスペースが狭いなどの欠点があることも考えられます。
まめに自炊をする方は、まな板を置いて食材を切るスペースなどがあるかどうかをチェックしましょう。
階層や部屋の設備など自分のライフスタイルに合った物件を選ぼう!
ここでは、4階以上のアパートなどの物件のデメリットをおもにお話ししてきましたが、階段しかなくても全く問題ないという方もいらっしゃるでしょう。
階数やどのような物件に住むかは、自分のライフスタイルや性格なども考慮して、住み始めてから後悔しないような部屋を見つけることが大切です。
どうしても譲れない条件をピックアップして、理想の物件を見つけましょう。