さまざまな人たちが集まるアパートなどの集合住宅は、騒音トラブルが多々あります。
気を付けていても他人からしたら気になる音に感じてしまい、苦情に発展してしまうのです。
足音がうるさいといわれた場合、どのように対策をしていけばいいのでしょうか。
また、反対に足音が気になる場合はどこに相談したらいいのかなどを解説していきます。
アパートの住人に足音がうるさいといわれてしまう理由
下の階や隣の住人から「足音がうるさい」と苦情が入るとよい気持ちはしませんが、苦情をいうということはそれだけ改善してほしいことでもあります。
しかし、普通に歩いているにも関わらす指摘されると、どこか腑に落ちませんよね。
実は、普段通りに歩いていても、足音がうるさいといわれてしまうには訳があります。
それは、音の性質です。
音には空気伝播音と固体伝播音があり、固体伝播音にはソールやヒールといった靴が床にあたる軽量衝撃音と、床を歩くときや子供が飛び跳ねたときの重量衝撃音があります。
軽量衝撃音よりも重量衝撃音のほうが下の階に響きやすいため、耳を塞ぐような大きな音でなくても、日常的に感じる足音を不快に思ってしまうと、耐え難い音になってしまうのです。
重量衝撃音は上下階の問題だけでなく、斜めの物件にも響いてしまうので、足音といえども軽視できない問題ですよね。
ただし、アパートの構造上、天井や床には防音しにくいといった問題があります。
苦情が来たら真摯な対応を
音の性質から、一方はうるさくするつもりでなくても、受け取りてからすれば、うるさくしているように感じてしまいます。
こうした感じ方の誤差が生まれることをふまえて、苦情が来た際には真摯な対応を心がけましょう。
苦情を伝える側も、いやがらせではなく、困った末の苦情かもしれません。
アパートに住んでいるもの同士、トラブルは避けていきたいですよね。
足音がうるさいという現実を受け止めて、改善していきましょう。
苦情を伝えた側が改善してきたと感じれば、互いにしこりは残りづらいですよね。
では、足音がうるさいといわれたときにできる改善方法をご紹介します。
まずは、歩き方です。
かかとから着地すると重量衝撃音になりやすいので、家にいるときは少し意識してみましょう。
しかし、長年の歩き方をすぐに変えられるものでもありません。
はじめは意識していても、自分では気にならない音だと忘れてしまいがちですよね。
では、ほかの対策方法もみていきましょう。
足音も苦情も無くなる?!スリッパの選びかた
かかと歩きをしないためにできることは、ずばりスリッパを着用することです。
スリッパを着用することで、かかとからドシンと歩く癖を軽減できます。
また、スリッパがあることで、足音を立てないように気を付けるきっかけにもなります。
ただし、スリッパによっては、かえって足音がうるさくなってしまうこともあります。
これでは、本末転倒ですよね。
自分以外のアパートの住人に響かない、室内用のスリッパを選びましょう。
選びかたですが、底に工夫がされた、防音・静音の商品がおすすめです。
スリッパに防音が施されていたら、ストレスなく対策ができます。
ほかにも、麻素材でできているスリッパが、音が静かで履きやすいとの声もありました。
底が硬い素材でできたものよりも、厚めのフエルトや柔らかめの素材であると、消音効果が高そうです。
足音がうるさいといった苦情を受けたら、このようなスリッパを探してみてはいかがでしょうか。
アパートでもできる床の防音対策
スリッパのほかにも、足音を軽減する方法があります。
それは、防音カーペットや防音マットを活用することです。
アパートでは遮音性能の低い床材を使用していることもありますから、遮音性能を高めるために敷いてみましょう。
大人の足音だけでなく、子供の足音にも効果が期待できます。
小さな子供だと、どんなに注意しても、飛んだり跳ねたりしてしまいますよね。
そうした音が、苦情につながるケースも多いのです。
子どもに悪気はありませんが、子を持つ親として、こうしたアイテムで対策していきましょう。
カーペットを選ぶときには、上の階から下の階にどの程度聞こえるかの基準になる「L値」を参考にしてみてください。
L値は、次の2つに分けられています。
・LH 重量床衝撃音
・LL 軽量床衝撃音
重量床衝撃音は、足音や子供が飛び跳ねたときの衝撃音でしたね。
一方で軽量床衝撃音は、おもちゃを落としたときや、椅子を引いたときに出る音です。
このL値が小さければ小さいほど遮音効果が高くなります。
日本建築学会では、アパートなどの集合住宅の場合、LL-45以下を推奨していますので参考にしてみてください。
足音への苦情が続く場合はどうしたらいいの?
歩き方に気を付けたり、スリッパやカーペットで防音対策をしてもなお、苦情がなくならないときはどうすればよいのでしょうか。
できることはしたはずなのに、苦情が和らがないと、こちらが生活しにくくなってしまいますよね。
足音を気にするあまり、ストレスから精神的に追い込まれてしまう方もいらっしゃいます。
そうなる前に、大家さんや不動産会社、管理会社に相談してみましょう。
足音のための対策をしても苦情が止まないのは、もしかしたら相手方に問題があるかもしれません。
いやがらせの延長にならないためにも、第三者に相談し、現状を知ってもらいましょう。
このとき、ご自身でやられた対策を伝えることも大切です。
場合によっては苦情を伝えた側も、天井や壁に遮音シートを貼っていただくことで解決できることもあります。
第三者が介入することで冷静に判断してもらえますし、アパートの住人同士でヒートアップすることを防げますね。
アパートの住人に直接苦情をいうとトラブルに!
では反対に、足音が気になるときは、どこに苦情を伝えればいいのでしょうか。
足音が気になってくると、つい直接いいたくなりますがおすすめできません。
これまでもお話ししたとおり、音は上下だけでなく、斜めの物件まで響き渡る場合もあります。
上の階の住人かと思いきや、実は斜め上の物件から出ている音だったらどうでしょうか。
身に覚えのないかたからしたら、とんでもない話ですよね。
そのため、自己判断せずに、アパートを管理している大家さんや管理会社に苦情を伝えましょう。
苦情として相談するときは、いつどんなときに困っているのかをメモしておきましょう。
日付や時間帯、どのような音なのかも具体的に書き残します。
また、口頭では騒音はなかなか伝わりにくいので、スマートフォンなどを使って動画に残すことも証拠になりますよ。
足音自体の音もそうですが、振動によって揺れる場所や物といったところも撮影するといいです。
一点、重低音は音をひろいにくい性質があります。
録音した足跡を第三者に聞いてもらう際には、イヤホンを付けて聞いてもらいましょう。
苦情をきっかけに!防音意識を高めよう!
集合住宅に住む以上、自分のことだけでなく、他人への配慮も時には必要です。
できることは改善し、さまざまなアイテムを使って改善していきましょう。
防音への意識が高まることは、隣人トラブルを回避し、結果自分を守ることにつながります。
よい環境で暮らしていくためにも、気遣いや心遣いが大切なのです。