賃貸住宅において、連帯保証人の代わりを家賃保証会社が請け負うことが多くなっているようです。
賃貸住宅に住んでいれば月々の家賃の支払い期日を守らなければなりませんが、様々な理由により家賃を滞納してしまうこともあるでしょう。
それでは、もし家賃保証会社と契約を結んでいる物件で、家賃滞納が起きた場合はどうなるのでしょうか。
はたして、家賃保証会社が動き出す期間に、何ヶ月という決まりが存在しているのでしょうか。
今回はこれらの疑問にお答えしながら、詳しくお話ししていきましょう。
賃貸住宅における家賃保証会社とは?
賃貸住宅に住むことになると、貸主と借主の間で賃貸借契約書を交わすための入居審査が行われます。
入居審査では契約者の情報だけではなく、連帯保証人の情報も開示しなければなりません。
連帯保証人は契約者本人が家賃などを支払えない場合に、契約者に代わって不足分を支払うことになります。
この連帯保証人ですが、その責任の重さから引き受けてもらえなかったり、頼めるような人物が存在しなかったりするケースが増えてきました。
そのような際に選ばれることが多くなってきたのが、家賃保証会社です。
家賃保証会社は借主による家賃滞納が起こった場合、借主に代わって家賃を支払ってくれます。
このことから、貸主にとっても、何ヶ月も家賃の回収ができないという事態を避けることができます。
ここで、家賃保証会社の役割についてまとめておきましょう。
・借主…連帯保証人の代替え
・貸主…借主によって生じた家賃滞納金の支払い
このように、双方にとってメリットといえる点があるようです。
何日・何ヶ月の家賃滞納で家賃保証会社に連絡がいくの?
賃貸住宅に住んでいて、様々な理由から家賃を支払えないような事態に陥ることもあるでしょう。
もし、そのときに連帯保証人の代わりとして家賃保証会社と契約していたらどうなるのでしょうか。
まず、家賃滞納の期間について考えていきます。
家賃の支払いが何日、もしくは何ヶ月遅れたら、家賃保証会社に連絡がいくなどの決まりはあるのでしょうか。
この疑問については少し厳しい答えとなりますが、家賃は支払いが数日遅れただけでも家賃滞納として扱われることが多いです。
お住まいの賃貸物件の管理者によっても対応が違ってきますので、何日、何ヶ月と断定することは難しいですが、早い場合は支払い日の翌日には家賃保証会社に連絡がいくこともあるようです。
貸主から家賃滞納の連絡をもらった家賃保証会社は、不足している家賃の立て替えを終えた後、契約者である借主に建て替えた分の家賃の督促をします。
家賃保証会社による家賃の督促の流れについては次項から詳しくお話ししましょう。
家賃滞納が起きたときに家賃保証会社が最初にすることとは?
賃貸住宅の借主による家賃滞納が起こった場合、家賃保証会社が代わりに家賃を支払います。
これを「代位弁済」と言い、貸主に対する家賃の未払いによる不安を減らすことができます。
何ヶ月にわたって家賃収入が途絶えれば、貸主である管理者にとってアパート経営をしていくうえで大きな負担となり得ます。
そのため、もし少しでも家賃を滞納するようであれば、即座に家賃保証会社に保証してもらうことを考えるはずです。
借主に代わって家賃を支払った家賃保証会社が最初に行うのは、借主に対する電話による督促の連絡です。
もし電話を受けた際に家賃の支払い能力があるのなら、「何日までに家賃を支払います」と詳細を伝え、速やかに手続きを済ませましょう。
しかし、なかには督促の電話を避けてしまう人もいるでしょう。
または、未払い分の家賃を用意できないこともあるかもしれません。
そのような場合は、電話よりもさらに踏み込んだ督促の方法が行われることになるでしょう。
連絡をもらって何ヶ月も家賃を支払わない場合は?
家賃滞納の支払いについて電話による連絡をした後も、借主からの家賃の返済がない場合は、保証会社が家に訪問して督促が行われることがあります。
何ヶ月と明確にお答えすることはできませんが、家賃滞納から1ヶ月を過ぎたときに実行されることが多いようです。
とはいえ、未払い分の家賃の支払いをこれからどうするのかについて、家賃保証会社と密に連絡を取っていれば、そこまでの強硬手段を取ることはないはずです。
賃貸住宅に住んでいるのであれば、家賃の支払いは義務となります。
そのため、家賃滞納についての督促の連絡が来たのであれば、早急な対応を心掛けてください。
もし、電話による連絡や自宅への訪問による督促をしても、支払いが確認できない場合は、家賃保証会社による内容証明郵便が送られてくるでしょう。
内容証明郵便とは、郵便物に対する「日付・宛先・差出人・内容」などを郵便局が証明するサービスのことです。
内容証明郵便として家賃の督促をすることで、法的な証拠品として扱うことができます。
また、心理的にもプレッシャーを与えられるでしょう。
内容証明郵便が送られてくるまでの期間としては、1~3ヶ月ほどのようです。
猶予があると思って油断していると、内容証明郵便を証拠として家賃保証会社に裁判を起こされてしまうことも考えられますので、滞納している家賃は早急に支払うようにしてください。
何ヶ月も家賃滞納をしたら最終的にはどうなる?
何ヶ月にもわたって家賃保証会社からの家賃の督促に従わない場合、最終的には明け渡し訴訟を起こされてしまいます。
その多くが家賃滞納から3ヶ月を目安に行われるようです。
明け渡し訴訟には先ほどお話しした内容証明郵便が証拠として扱われることでしょう。
もし、明け渡し訴訟によって家賃保証会社の権利が認められれば、借主は住んでいる賃貸住宅を強制的に立ち退かされてしまいます。
また、それだけではなく、給料や家財道具などの所有している財産も差し押さえられます。
家賃保証会社は大家さんや不動産会社などの管理者に比べると、厳しい督促が行われることが多いです。
そのため、住む場所や財産を失う前に家賃の滞納を解消しましょう。
今後も賃貸住宅の管理者や家賃保証会社との関係を良好なものにするためにも、家賃滞納には適切な対応をしてください。
家賃滞納のときにできることを考えよう!
家賃滞納を何ヶ月もし続けると、賃貸住宅の管理者や家賃保証会社との信頼関係を崩すだけではなく、社会的な信頼性も失うことになります。
個人情報がブラックリスト扱いとなり、クレジットカードの審査が通らなくなるようなケースもあるのです。
このことから、家賃滞納はできるだけ避けたほうが賢明です。
もし、家賃の支払いが難しくなるような場合は、まず家賃保証会社に今現在の実情を報告しましょう。
しかし、家賃保証会社も慈善団体ではありません。
実情に理解を寄せたとしても、家賃滞納には適切な処理が行われるでしょう。
そのため、家賃を支払うことを確約した上で、支払い期間に猶予をもらうように交渉してみてください。
そのときに、滞納した家賃の支払い日を決めたのであれば、絶対にその期日を破ってはいけません。
人と人とのやり取りには誠実さが必要です。
これからも良好な関係を保つためにも、自分の言葉には責任を持つことが大切でしょう。
家賃滞納はできるだけ避けよう!
家賃の滞納はできるだけ避けなければなりません。
社会的にも信頼性を失うため、早急な対応が大切になります。
もし、家賃保証会社と契約している物件で家賃滞納が起きたときの動きについては、ある程度の期間の目安があるようです。
家賃滞納から数日が経たないうちに、家賃保証会社から電話による連絡がきて、1ヶ月を過ぎると自宅への訪問、1~3ヶ月が経過すると内容証明郵便が送られ、3ヶ月を過ぎると明け渡し訴訟、そして強制退去です。
強制退去にならないようにするためにも、家賃滞納が発覚したら早めに支払いを済ませましょう。