毎年、記録的な暑さを更新している日本の夏。
エアコンなしで過ごすと熱中症の危険もあり、なにか対策をしていく必要があります。
ただし、エアコンを取り付けるには壁に穴を開けたり、室外機を置く必要がありますよね。
そのため、賃貸物件ではエアコンを設置できない場合もあります。
そんなときは、小型のクーラーを使ってみてはいかがでしょうか。
排出した熱を窓や扉から出す必要はありますが、手軽にどこでも使うことができます。
エアコンとクーラーの違いは知ってる?
概要でのお話で、「エアコンとクーラーは違う」ということに気が付かれたでしょうか。
はじめに、この2つの違いから解説していきます。
まずは、エアコンです。
エアコンとはエアーコンディショナー(air conditioner)の略で、室内における温度や湿度を調節する機能を持ちます。
一般家庭で使われているエアコンは、熱交換器と冷媒を利用して、室内機と室外機の間で熱の受け渡しをしています。
この仕組みをヒートポンプと呼び、冷房の場合には室内の熱を外に放出し、その分冷たくなった空気を室内に噴出させています。
また、部屋を暖めるときにはヒートポンプを逆に使って、室外から熱を集めて室内の温度を温めています。
一方、クーラーは、簡単にいうと冷やすための装置です。
これからご紹介する冷風機と冷風扇も、クーラーの仲間です。
冷風機はエアコンの仕組みを簡易化した装置で、室内を冷やして、暖かい空気を窓に排出する仕組みです。
一方、冷風扇は水が蒸発するときに周囲の熱を奪う性質を利用したクーラーです。
次項では、小型の冷風機をいくつかご紹介しましょう。
冷風機は小さなクーラー!小型で静かなものがおすすめ
ここでは、クーラーの一種の冷風機の選びかたを解説していきましょう。
エアコンと同じ仕組みの冷風機は、稼働中に湿度の影響を受けやすいため、本体に水を溜めるタンクが備わっています。
特に、除湿機能がある冷風機の場合には、空気中の水分が大量にタンクに溜まっていきます。
購入の際には、タンクが大きい製品を選ぶと水を捨てにいく手間が軽減されますよ。
また、水タンクが丸洗い出来るような、掃除がしやすい製品もおすすめです。
水気を帯びる機器ですから、水垢やカビの発生はつきものになってしまいますので、お手入れがしやすいと清潔な状態を保ちやすくなります。
また、冷風機を選ぶときは、大きさに加えて重さも確認してみましょう。
小型であっても、かなりの重さがある製品もあります。
反対に、大きくても軽いものもありますので、実際に持ってみるといいですね。
リビングやキッチンなど、人のいる場所に合わせて移動して使うのであれば、持ち運びがしやすいものがベストです。
注意点としては、冷風機は外の空気を取り込んで冷たい風を送るため、エアコンのような稼動音がします。
稼動音が気になると寝室などで使いにくくなるので、使う場所や用途を考えて選びましょう。
また、冷風機はエアコンの室外機と室内機を一体化させたような作りであるため、冷風とともに温風も排出しています。
温風をきちんと処理しないと、冷風機の前は涼しくても部屋の熱は上がってしまいます。
ダクトなどを利用して、窓などから温風を外に排出できるように工夫する必要があります。
窓パネルを使った小型冷風機
それでは、クーラーと同じ仕組みの冷風機をいくつかご紹介します。
それぞれの特徴も、併せてご覧ください。
★コロナ:冷風・衣類衣類乾燥除湿機 どこでもクーラー CDM-1018
エアコンが使えない場所でも、パワフル冷風によって涼むことができます。
4輪のキャスターが付いているので、リビングからキッチン、キッチンから寝室へと、楽に移動できるのも嬉しいです。
小型でありながら、タンクの大きさは5.8リットルと大容量です。
稼働音は最大46dBになります。
付属されている布製排熱ダクトを使い、後ろから排出される熱を窓や扉などから外に出せば、さらに快適な空間になります。
ダクトの使いかたは排熱口に差し込み、涼しくしたい部屋の外に延ばすだけです。
窓から排出させたい場合は、別売りのダクトパネルを窓に取り付ければ、室内の熱を室外に出すことができます。
ダクトパネルは、小窓用、標準、長窓用、テラス窓用、テラス延長キットとありますので、窓のサイズを測って選びましょう。
さらに、どこでもクーラーは除湿もできます。
部屋の湿度が下がるとカラっとして気持ちがいいので、ジメジメとした空気のときには活用してみてください。
また、ランドリールーバーを上向きにすると、部屋干しした衣類も素早く乾かすことができます。
小型で簡易的なエアコンは室外機が不要
クーラーの冷房機能もいいけれど、暖房機能も欲しいというかたは、こちらの商品がおすすめです。
★トヨトミ(TOYOTOMI):スポット冷暖エアコン TAD-2218W
給気排気ダクト、窓パネル、排水ホースが付属されており、小型で簡易的な冷暖房機です。
特別な工事は不要なので、室外機が置けない環境でも使うことができます。
窓パネルは窓の高さに合わせて組み立てて、取り付けましょう。
本体の後ろに給気口と排気口にダクトを取り付けて、窓パネルにそれぞれのダクトを付ければ完成です。
窓パネルとダクトを使わずに、閉め切った部屋で使うと室内の温度が上昇するので、気を付けてください。
リモコンとキャスター付きなので、使い勝手も申し分ないです。
稼働音は前方で47dB、後方で53dBです。
冷風とドライの排水は、内部で蒸発させるため、水が出ないのも特徴になります。
窓に空気を排出させる手間なし!ピンポイントの涼しさなら小型の冷風扇
続いて、クーラーの仲間である冷風扇をご紹介しましょう。
冷風扇は、水の蒸発によってまわりの熱を奪う「気化熱」を利用して冷たい空気を作る仕組みです。
シンプルな小型構造で動作部分が少なく、音も静かなのですが、室温が高いと水が気化しにくくなるため、涼しい風を出しにくくなるといった面もあります。
また、気化熱を利用した機械なので、タンクに水を入れる必要があります。
水が蒸発しないと涼しくならないため、何度も水を入れるのが面倒というかたは、大要領のタンクを選ぶといいでしょう。
ただし、冷風扇は部屋全体を冷やせるパワーはないため、ピンポイントの涼しさになります。
冷風機のように窓や室外に空気を排出させる手間はありませんが、狭い範囲内を涼しくしてくれるアイテムです。
サッと足元や手元に置きやすい小型のものが便利です。
インテリア性が高く、スタイリッシュなデザインのものもあるので、選ぶ楽しさもありますね。
クーラーでは寒い!冷風扇は窓から入り込む自然な風量
それでは、おすすめの冷風扇をいくつかご紹介します。
★テクノス(TEKNOS):テクノイオン搭載リモコン冷風扇風機 TCI-007
心地のよい涼風なので、クーラーでは冷えすぎてしまうというかたにおすすめです。
水タンクは取り外し可能で、丸洗いができるので衛生的です。
風量も3段階に分かれているので、色々な場面で使い分けることができます。
独自開発のテクノイオンを搭載したモデルで、部屋に漂うニオイを消臭し、空気除菌するので、小さな子供やペットがいるご家庭で人気です。
★山善(YAMAZEN):スリム冷風扇 FCR-F451
窓から入り込む自然に近い風を再現した冷風扇です。
本体幅が33cmとスリムなので、キッチンスペースに置きやすいサイズになります。
調理中のキッチンは気温が上昇するので、1台あると便利ですね。
給水タンクとフィルターは丸洗いできるので、衛生的です。
★スリーアップ(three-up):デスクトップ冷風扇 RF-T1813WH
小型の冷風扇であれば、こちらがおすすめです。
部屋全体を冷やすことはできませんが、デスクまわりに置けば、快適に涼むことができます。
シンプルなデザインなので、インテリアにも馴染みます。
夏を乗り切るためのアイテム
特別な工事が必要になるエアコンと比べると、冷風機や冷風扇は場所を選ばずに活用することができます。
部屋全体を冷やすパワーはありませんが、移動も楽々、ピンポイントで冷やせるといった部分はエアコンにない特性ですよね。
冷風機や冷風扇を選ぶ際は、どこで使うのか、お手入れは楽にできるかなども併せて検討してみましょう。
暑い夏を乗り切るために、こうしたアイテムも活用してみてくださいね。