一生のなかで、おそらく一番高い買い物がマイホームなのではないでしょうか。
リビングを見渡せるキッチン。
ゆったりとしたお風呂場など、理想や希望は膨らむばかりですよね。
しかし、理想ばかり詰め込んだ間取りには、思わぬ落とし穴があるかもしれません。
それは、家事がしやすい間取りであるかということも、一つの基準になります。
ここでは、実際に家を建てた方のブログを参考に、家事動線を考えた間取り作りのポイントをお伝えします。
ブログから読み解くと間取り計画で大切なのは動線だった
家を建てた方のブログを拝見してみると、あらゆる動線で苦戦していました。
みなさんは、どのような動線だと思われますか?
第三位は、通勤動線です。
会社に向かう夫に、学校に行く子供など、朝はとくに混雑しますよね。
洗面台では歯を磨く人もいれば、髭を剃ったり、ドライヤーで髪の毛をセットする人など様々です。
これらの動線を考えないと、住宅のなかで渋滞が起こってしまいます。
第二位は、来客動線です。
来客があったとき、プライべートスペースが丸わかりになってしまうのは避けたいですよね。
玄関からお迎えし、リビングにお通しするまでの間の動線を考慮しないと、洗濯物は丸見え、お風呂に入りにくいといった問題が発生してしまいます。
そのため、間取りの計画には欠かせない動線になります。
そして、家を建てた方で圧倒的に苦労した動線の第一位は、家事動線です。
家事は労力もかかりますし、時間もかかります。
一つのことを行うのに、さまざまな動作や移動を重ねる家事も多く存在しますよね。
家事へのストレスを軽減したいと、家事動線で悩んだというブロガーさんがたくさんいらっしゃいました。
間取りを紹介しているブログでも好評なキッチンまでの動線
ここからは、家事動線を意識した間取りをお話します。
はじめに提案するのは、キッチンの家事動線です。
ブログをしている方のなかでも、キッチンの間取りに後悔している方は多くいらっしゃいました。
料理をつくるためには、材料が必要ですよね。
買い物で材料を購入してきたら、玄関からキッチンまで移動しなげればなりません。
量が少なく軽い材料であればよいですが、重い荷物を抱えて廊下を歩き、ドアを開けてリビングへ。
そして、リビングからキッチンへと移動するのは大変ではないでしょうか。
ウォーターサーバーの水や30kgのお米を、女性一人で運ぶのは重労働です。
体が健康で足腰も強ければいいですが、これから年を重ね、重い物を持ち運ぶことが困難な年齢になったとき、同じように運ぶことはできるでしょうか。
また、病気や怪我によって、今までできていたことが急にできなくなってしまうこともあるのです。
そこで一つの提案としてお話ししたいのが、玄関から直接キッチンにつながる間取りです。
とにかく家事動線を楽にしたいと、このような間取りにしているブロガーさんも実際にいらっしゃいました。
玄関からキッチンへの動線を短くすることで、毎日の買い物もストレスがたまりません。
ブログで見つけた水周りをつなげた間取り
続いての家事動線は、洗濯編です。
洗濯をする工程を書き出してみましょう。
①洗濯物を洗濯機に入れてスタートボタンを押す。
②洗濯物をバルコニーに運んで干す。
③乾いた洗濯物を取り込む。
④洗濯物を畳んでそれぞれの場所に運ぶ。
だいたい、このような流れがありますよね。
洗濯を干してしまうまでの動作を考えて、動線を確保しましょう。
例えば、あるブログで紹介されていたのは、キッチンと家事室、洗面室や浴室をつなげた間取りです。
洗濯機のスタートボタンを押したらキッチンで調理し、洗濯終了の音が洗濯機から聞こえてきたら、家事室で干せるという動線でした。
干した洗濯物は、バルコニーや浴室乾燥機付きの浴室に運びます。
家事室で干せることで、寒い冬などバルコニーへ出て、冷たい洗濯物を干すといったストレスから解放されたそうです。
水周りをつなげることで家事がはかどりやすく、時短にもなりますね。
回遊性のある間取りは家事動線を短縮することができる
家を建てたら、綺麗な状態を保っていきたいものですよね。
綺麗な状態を守るためには、毎日の掃除を、いかに楽にしていくかがポイントです。
フロアごとに段差があると、スイスイ掃除をするという観点から見ると、むずかしい面もあります。
近頃では、毎日の掃除をロボットに任せているというご家庭も多くなってきました。
掃除ロボットは多少の段差なら問題なく通れるものの、規定以上の段差は通ることができません。
掃除はお掃除ロボットに任せたいというご家庭があれば、フロアごとに段差を設けるのはあまりおすすめではありません。
では、お掃除ロボットは使わないとしても、時間をかけずに掃除できる間取りはないのでしょうか。
ここでは、家事に育児、そして仕事と、掃除する時間がなかなか取れないというかたのブログで発見した間取りをご紹介します。
それは、間取りの中心に大きなクローゼットを設けて、回遊性を作ったものです。
回遊性を作ることで、グルグルとまわりながら掃除することができます。
行き止まりがないことで、家事動線の短縮につながります。
家族にとって快適な家事動線を考える
注文住宅を建てた方のブログを見ていると、あらゆるアイデアがつまった間取りになっていることが伝わってきますよね。
これまでお話した間取りのほかにも、まだまだたくさんのアイデアがありました。
●キッチンの近くにパントリー
大きな地震により、防災備蓄の意識が高まったというご家庭も多いはずです。
家族分の食料や日用品など、最低限のものはストックしておきたいですよね。
こうしたストック場所も兼ねたパントリーを、キッチンの近くに設けるというものです。
キッチンの近くにあれば、日頃のストック場所にもなり、防災備蓄の管理がしやすくなります。
食料でいえば、賞味期限が切れていないか、確認しやすくなりますよね。
パントリーを間取りに入れる場合は、どんなものをどのくらい収納したいのかを考えましょう。
そうすれば、無駄なスペースを作らずに済みます。
●トイレと洗面台を複数配置
家族構成やライフスタイルを考え、トイレや洗面台を増やすことで、朝の混雑を防ぐことができます。
一つは、リビング付近に配置する間取りです。
食事をして身支度をするという流れができ、スムーズに行うことができますね。
家族のなかで、いつどこで何をするかということを話し合っておくと、家族にとって快適な家事動線が見えてくるはずです。
家事動線を重視した際のデメリット
最後に、家事動線を考えた間取り作りで気を付けていただきたいことをお伝えします。
見落としがちなデメリットに目を向けて、慎重に決めていきましょう。
▽収納するスペースが少なくなる
快適な家事動線を優先し過ぎてしまうと、収納するスペースが少なくなってしまうケースもあります。
スムーズな家事動線を実現するために入口を2箇所設けた場合、その分の壁が少なくなりますよね。
すると、家具を配置するスペースが制限されてしまい、収納スペースを確保しづらくなってしまうのです。
▽居室空間が狭くなる
回遊性を作るということは、通路が発生します。
通路がある分、居室空間が狭くなってしまうこともあるのです。
床面積に余裕があれば気になりませんが、「想像していたよりも窮屈な空間になってしまった」と後悔している方も見受けられました。
間取りで後悔しないためにも、家を建てた方のブログなどを参考に、デメリットの部分にも注目してみてくださいね。
家族みんなが心地のよい空間に!
スムーズな家事動線といっても、決まりや基準はありません。
なぜならば、住まいの広さや家族構成、ライフスタイルによっても違いがあるからです。
ブログから間取りを参考にするときは、似たような思考や生活のかたを参考にするといいでしょう。
家族にとって、便利でスムーズに過ごしていける間取りを考えてみましょう。