アパートに入居するとき、敷金や礼金・仲介手数料といった初期費用がかかりますが、敷金については返還される可能性があります。
ただし、退去するとなったとき、部屋の状態次第では支払った敷金を上回る請求をされることもあるのです。
今回は、借主が負担することになるお風呂場の掃除についてお話しします。
毎日のように使う場所ですから、汚れやすい場所ですよね。
敷金の返還に差が出る、お風呂場の掃除術をご紹介しましょう。
掃除して損はない!アパートの敷金が返還されるかも
アパートの敷金は礼金や仲介手数料とは違い、いってみれば担保のようなものです。
貸主が敷金を徴収するわけは、ひとつめに家賃滞納時に対応するためのもの。
そしてふたつめに、借主の不注意によって起った場合の修繕費にあてていくためです。
修繕費は借主が退去する際に差し引かれるため、貸主に預ける保証金のような役割もあるのですね。
敷金の返還はあるのかという疑問には、国土交通省の出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が関わってきます。
原状回復をするための費用をどちらが負担するかは、アパートの契約書の内容、そしてこちらのガイドラインに沿って決定していきます。
借主側からすると、できるだけ負担額を抑えたいという気持ちがあることでしょう。
こうした負担を軽減するためには、日々の掃除がポイントになります。
きれいな状態をキープしていれば、退去時にかかる修繕費を抑えられるかもしれません。
そのなかでも、毎日のように使用するお風呂場やトイレといった水周りは、きれいに掃除していて損はありませんよ。
お風呂場は汚れが溜まる!落としにくくなる前に掃除しよう
どのくらいの頻度でアパートのお風呂掃除しているでしょうか。
入浴をする頻度によっても変わってくるかと思いますが、一番効率的で汚れを溜めない方法は、やはりお風呂場を使う度に掃除をすることです。
たとえシャワーで済ませていたとしても、お風呂場には人の汗や皮脂、石鹸カスなどが汚れとなって蓄積していきます。
毎日お風呂場を使っているにも関わらず掃除をしないでいると、汚れが層となって落としにくくなってしまうのです。
落としにくくなった汚れは頑固ですから、余計に掃除が億劫になってしまいますよね。
とはいっても、忙しい日々のなかで毎日丁寧に掃除をするということはなかなか難しいものです。
はじめは行っていたとしても、続かなければ意味がありません。
そこで、毎日でもできる掃除術をご紹介しましょう。
アパートのお風呂場をきれいに保つコツ
お風呂場をきれいに保つポイントは、入浴直後に掃除をすることです。
掃除を適度に行っていれば汚れは蓄積されず、アパートを退去することになったときにも、余計なクリーニング費用がかかってこないでしょう。
掃除をすることが億劫にならないためにも、まずは続けやすいことからはじめてみてはいかがでしょうか。
①シャワーで流す
さきほどお話をした通り、汚れは蓄積されて層になっていきます。
そのため、汚れが落ちやすい状態であるときこそチャンスです。
入浴直後、浴室全体をシャワーを使って流していきます。
これだけでも汚れを取ることができますから、ぜひ習慣にしていきましょう。
②浴槽を洗う
お風呂に浸かる方は、ついでに浴槽を洗ってしまいましょう。
汚れは乾くと落ちにくくなる性質がありますので、浴槽が温かいうちに掃除してしまうというわけです。
浴槽スポンジで擦り洗いしてくださいね。
③冷水・拭きあげでカビ予防
浴槽を洗ったらシャワーを冷水に切り替えて浴室全体を流します。
冷水で流すことで浴室の湿度が下がり、乾燥しやすくなることから、お風呂場に発生するカビ予防につながります。
時間に余裕がある場合はタオル等で拭きあげると、さらに効果的です。
お風呂場には酸性の汚れとアルカリ性の汚れがある
毎日できる掃除に加えて行いたいのが、場所別、汚れ別の掃除です。
お風呂場の汚れといっても、酸性の汚れとアルカリ性の汚れがあります。
汚れている場所や汚れの性質によって分かれるため、それらに適用した洗剤を使っていきましょう。
まず、皮脂や手あか、頭を洗ったときに飛び散ったシャンプーなどは酸性の汚れになり、主に浴室の壁や浴槽内、排水口にある汚れになります。
汚れは中和されることで落としやすくなるため、酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤が有効です。
アルカリ性といえば、重曹やセスキ炭酸ソーダですよね。
汚れを浮かし、強い力をかけなくても掃除ができます。
●セスキ炭酸ソーダでお風呂掃除
まず、セスキ炭酸ソーダスプレーを作りましょう。
500mlの水に対して、小さじ1杯のセスキ炭酸ソーダをスプレー容器に入れます。
よく混ぜたら完成です。
汚れのある浴槽や床、壁や排水溝に吹きかけて、スポンジで擦ってみましょう。
セスキ炭酸ソーダは皮脂汚れの分解が得意なので、浴槽などにあるザラザラとした感触の汚れに効果的になります。
また、無機物で菌の働きを抑える効果も期待できる優れものなのですよ。
アパートを退去するときも、きれいな状態で明け渡すことができますね。
アパートのオーナーが驚くかも!クエン酸を使った掃除
酸性の汚れに引き続き、お風呂場に存在するアルカリ性の汚れについてみていきましょう。
アルカリ性の汚れは、水垢や石鹸カスです。
白く固まった頑固な汚れが特徴的ですよね。
壁や天井、お風呂場に鏡が取り付けられていれば、うろこ状になっていることでしょう。
ほかにも、蛇口やシャワーヘッドについた汚れもアルカリ性です。
お風呂場は水場ですから、アルカリ性の汚れの範囲は広くなります。
それでは、酸性の汚れをアルカリ性で中和させていったように、アルカリ性の汚れは酸性で中和させて掃除していきましょう。
●クエン酸スプレーでお風呂掃除
スプレー容器に水400ml、小さじ2杯のクエン酸を入れて混ぜます。
クエン酸スプレーができたら水垢や石鹸カスで汚れている場所に吹きかけて、スポンジで擦っていきましょう。
ステンレスの蛇口を同じように掃除すれば、ピカピカと輝きます。
お風呂場で使っている椅子や洗面器、浴室のドアなどもきれいになります。
アパートを明け渡すときも、きれいすぎて驚かれるかもしれませんね。
しぶとい黒カビは除菌しながら掃除しよう
お風呂場に発生する黒カビは、見た目にも汚れていることがすぐにわかり、気持ちのいいものではありませんよね。
また、黒カビによる喘息やアトピーといった健康被害も引き起こしてしまう可能性も秘めていることから、徹底的に掃除したいものです。
アパートを管理している側も、黒カビのあるお風呂場を見たらクリーニングをするほかないと判断することでしょう。
気持ちよく入浴できて、退去時に余計な費用が掛からないためにも、お風呂場の黒カビを徹底的に掃除しましょうね。
●密着させて根から除去
黒カビは菌であるため、塩素系の除菌スプレーで掃除していきますが、吹きかけるとすぐに流れてしまい効果が薄れてしまいます。
そこで活用したいのが、キッチンペーパーやラップです。
黒カビがある部分にキッチンペーパーを当てて、その上から除菌スプレーを吹きかけます。
反対に、黒カビ部分にスプレーしてからラップをする方法も効果的です。
除菌スプレーが留まることで、奥まで根を張った黒カビに働きかけます。
数時間放置したのち、ペーパーやラップを取り、シャワーで洗い流せばOKです。
余計な出費にならないためにも掃除しよう!
毎日のように使用するところだからこそ、汚れは蓄積されていきます。
そうして蓄積された頑固な汚れはクリーニング業者によって掃除していかなければならないため、敷金から差し引かれてしまいます。
支払った敷金内で原状回復ができればいいですが、追加で修繕費用がかかるとなると痛い出費になりますよね。
お風呂場などの水周りは汚れやすい場所ですから、日頃から掃除をして汚れを溜めないようにしてみましょう。