木造アパートでも騒音のトラブルなく暮らす方法とその対策

アパート選びの際、気になる事項の一つに「騒音」がありますよね。

「木造」のアパートを選ぶ際は、特に気になるのではないでしょうか。

集合住宅でありがちな騒音トラブルですが、木造のアパートでは実際どのくらいのリスクがあるのでしょう。

また、どのような対策をとれば、メリットも多い木造アパートで騒音を気にせず快適に暮らす事ができるのでしょうか。

こちらでは、木造アパートの騒音やその対策についてお話ししていきます。

「木造」のアパートは騒音トラブルを起こしやすい?

木造アパートは、防音性が低い建築構造といわれています。

木造の材料となる木は、「通気性」に優れていますが、その反面「音を伝えやすい」という住宅にはデメリットとなる性質を持ちます。

ただ、騒音トラブルは木造建築だけの問題ではありません。

アパートのような集合住宅では、部屋が隣接しているため、より音が伝わりやすく、どんな構造でも騒音トラブルを引き起こしてしまう傾向にあるのです。

たとえば、隣人の話し声や咳・くしゃみの音、テレビやシャワーの音などの生活音が聞こえてくることが、よく問題となります。

さらに、家電のモーター音は響きやすく、掃除機や洗濯機など日常生活で欠かせない作業音も不快にさせる要因となっています。

静けさの訪れる深夜は、特に音の響きが大きく感じられるので、時間帯には注意が必要です。

また騒音には、隣人とのトラブルだけでなく、外からの様々な騒音に悩まされることも多くあります。

人によって、音にとても敏感な方もいらっしゃいます。

眠りや作業など生活の妨げとなる騒音は、木造アパートに限らず、トラブルになりやすい事項なのです。

木造アパートだけじゃない!騒音が発生する仕組みとは?

前項でお話ししたように、アパートのような集合住宅では、騒音トラブルは起こりやすい事項といえます。

トラブルはなるべく避けたいものですが、日常生活を送る上でどうしても「音」は発生してしまいます。

それでは、音はそもそもどこで発生し、どのように伝わるのでしょうか。

音は、物体の振動で伝わりますが、伝わり方の違いで次のように分けられます。

●空気音

音源が「空気」を介して伝わるもので、人から発せられる話し声やくしゃみ、テレビや音楽の音などがあります。

比較的防ぎやすい音ですが、低音に関しては防ぎにくいという特徴があります。

●固体音

音源が「物体(建築物)」の内部を通って伝わるもので、生活の上で発生する空調の音や、トイレ・お風呂の排水音、床や壁に直に置かれたスピーカーの音などがあります。

壁や床などを伝わって拡散し、最終的には空気音となって響きます。

このように、アパートなどで隣接する部屋に音が漏れて聞こえるのは、発生した音が空気音や固体音というかたちで周りに伝わるからなのです。

音の伝わり方は、壁や床の材質や構造によって差が出ます。

「木造」や「鉄骨造」など建築構造の違いで、防音性も大きく変わってくるのです。

「木造」「鉄骨造」など建築構造の違いによって騒音の度合いに違いがでる?

それでは、木造の防音性は実際どの程度のものなのでしょうか。

建築構造には、木造の他に、軽量鉄骨・重量鉄骨・鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)など様々な種類がありますが、それぞれの構造によって防音性に違いがみられます。

構造別に防音性を比較してみると、次のようになります。

【防音性の高さをレベル1~10で表した場合(10は高い防音性を表す最大値)】

●木造:レベル1

生活音(話し声やテレビ音)がよく聞こえてしまう

●軽量鉄骨造:レベル2

木造より音量が軽減されるものの、生活音は聞こえてしまう

●重量鉄骨造:レベル4

掃除機・洗濯機などの音は多少聞こえる

●RC造:レベル8

子供の走り回る音や泣き声などは聞こえる

●SRC造:レベル10

外からの音は聞こえにくい

このように、建築構造の中で、木造が一番防音性が低いことが分かります。

しかし、全ての木造物件が騒音トラブルを引き起こすわけではありません。

同じ木造であっても、物件によって様々ですので、騒音のデメリットの少ない物件を選びましょう。

次項では、木造アパートでも騒音トラブルを起こしにくい物件選びのポイントをご紹介していきます。

騒音トラブルを回避!木造アパートの物件選びのポイント!

木造アパートは、遮音性が低い構造ではありますが、物件によって騒音リスクが変わってきます。

それでは、どのような物件を選べばよいのでしょうか。

ここでは、騒音トラブルを回避する、木造アパートの選び方のポイントをご紹介していきます。

●築年数の浅いアパートを選ぶ(目安は築15年以下)

築年数の浅いアパートは、壁に遮音材を使用している可能性が高いため、古いアパートよりも防音性が高いと考えられます。

窓のサッシも、古いサッシより最近のサッシの方が遮音性が高められているため、音漏れ防止に効果的です。

●幹線道路沿いや線路の近く、学校の近くなどの物件を避ける

自動車の通行の激しい幹線道路沿いや、線路の近く、賑やかになることが考えられる学校の近くの物件などは、騒音の影響を受けやすいので避けましょう。

●過去のトラブルについて不動産会社に聞いておく

騒音トラブルなどが過去に起きていないかを不動産会社に聞いておきましょう。

騒音トラブルは絶対に避けたい!さらに徹底した木造アパート選び!

前項でご紹介したものの他に、木造アパートでのさらに徹底した騒音回避を考えるならば、次のようなことについてもチェックしておきましょう。

●隣人の居室と隣り合わない間取りを選ぶ

お隣との居室が接していると、生活音が聞こえる割合が互いに多くなるため、隣接する部屋の間取りを考慮して選びましょう。

音を遮る収納スペースなどが、部屋と部屋の間に位置している間取りをなるべく選ぶとよいでしょう。

●水周りのパイプシャフトの位置確認

排水の流れる音が発生しやすいパイプシャフトの位置も重要です。

なるべく排水音が響かないよう、水周りの近くにパイプシャフトが設けられている物件を選びましょう。

できれば、隣り合う部屋のお風呂場やトイレが、同じ位置に設置されているとより騒音リスクが減ります。

●隣人の住人構成や生活状況を知る

自分が家にいることが多い時間帯や曜日に内見して、防音性を確かめましょう。

●角部屋を選ぶ

隣人の生活音などに敏感な方は、「角部屋」を選ぶことをおすすめします。

角部屋は隣り合う面積が少ないため、騒音トラブルも少ないといえます。

また、角部屋でも階段から遠い部屋を選ぶとさらに効果的でしょう。

物件選びの際、騒音について調べたい場合には、アパートの構造や近隣の情報を提供してくれる信頼できる不動産会社を見つけて相談しておきましょう。

自分でできる防音対策!木造アパートでも気兼ねなく暮らそう!

騒音トラブルでは、隣人からの騒音を回避するだけでなく、自室からの音漏れにも配慮が必要です。

木造アパートでも気兼ねなく日常生活を過ごせるように、しっかりと防音対策をしておきましょう。

●カーテンを工夫する

ブラインドより、布製のカーテンの方が音を吸収してくれます。

レースカーテンと厚手のカーテンの二重掛けで音漏れを防ぎましょう。

●壁面に収納スペースを設ける

壁際に本棚を置いたり、クローゼットを設置したりすることで、音は伝わりにくくなります。

●床に遮音性のある敷物を敷く

毛足の長いカーペットやコルクマットなどは、音を遮断する効果を持ちます。

厚みのある置き畳や、ジョイントマットなどもよいでしょう。

●椅子の脚にカバーをつけておく

ダイニングチェアの椅子を引く時など、どうしても音が出てしまいます。

脚にカバーを付けておけば、引くときもスムーズになり、音の発生も抑えられます。

ちょっとした工夫で遮音効果を得ることができるので、木造アパートで暮らす場合には、上記のような対策方法をできるだけ取り入れてみましょう。

木造アパートにはメリットもたくさんある!先入観のないアパート選びを!

木造アパートには、よいところもたくさんあります。

通気性がよいため夏は涼しく、冬は結露の発生も抑えられ、家賃も他の構造に比べて基本的に安価です。

防音性が低いため騒音が発生しやすいデメリットはありますが、対策次第で回避することは十分可能です。

木造アパートを選ぶ際には、この記事を参考になるべく騒音のトラブルを回避できる物件を選び、住んでからは音漏れに配慮して気持ちよく生活できるよう心掛けてくださいね。