共同住宅であるアパート、マンションでは数多くの問題が発生します。
その中でも音が原因で起こるものは多く、今回ご紹介する洗濯機の音が原因なことも珍しくありません。
隣家の洗濯機が煩いと感じたときの対処法や、トラブルになるのが怖くて何時に回せばいいか分からない方などに向けて、気になることをご紹介したいと思います。
アパートで起こる洗濯機の騒音問題
アパート、マンションで洗濯機を使用する際に気になるのが音です。
使用する時間帯によっては、騒音問題に発展する可能性もあります。
隣や下の階に人が住んでいるアパートやマンションでは、騒音問題について困った際に、法律的に問題があるのかどうか気になる方は多いのではないでしょうか。
法律や条令では、生活するうえでどうしても出てしまう洗濯機や掃除機などの音は取り締まる事が出来ないのが現状です。
そのため、隣人の洗濯機音に困っている場合は、管理会社などを通して住民に控えていただくよう相談するしかないでしょう。
こちらが音を出す側であれば、時間帯に気をつけたり、道具を使って音を軽減したり、別の場所で洗濯をするなどの対策がありますので、詳しく説明していきたいと思います。
アパートなどの共同住宅に関する建築基準法
共同住宅であるアパート、マンションで騒音問題が起こる原因の一つに、各部屋を隔てる壁の薄さがあります。
洗濯機の出す音は振動ですから、壁の厚みが厚ければ厚いほど遮音性が高くなり、音が伝わり辛くなります。
共同住宅の界壁に関して建築基準法の第30条では、「遮音性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもの」と定めています。
これは騒音を完全に遮音することは義務付けられておらず、低減さえすれば良いというものです。
そのため、隣の部屋から音が聞こえない快適な生活を保障するものではありません。
賃貸住宅の家賃は建物の建築費や築年数、設備の有無、地域の相場から決められるので騒音の聞こえ難さもほぼ家賃に比例します。
住人が気をつけるといっても限度があるので、騒音に敏感な方は建物の自体を見直して引っ越しを検討したほうが良い可能性があります。
洗濯機の騒音に対する管理会社の対応
賃貸物件であるアパート、マンションでは貸主である大家さんは住人の健康的な生活を守る義務があります。
とはいえ、上記で説明したように騒音に関する問題を取り締まるには法律では充分と言えず、住人間のマナーによるところが大きいのが現状です。
洗濯機の騒音に困っている場合の注意点として、直接洗濯をしていた住人に声をかけるようなことはやめましょう。
問題が大きくなってしまう可能性があるので、管理会社や大家さんに伝えて対応してもらうのが原則です。
騒音問題が起きた場合には、管理会社では以下のような対応をするのが一般的です。
・回覧板での告知やポスティングなどでの周知
全住居に向けて「何時から何時までの洗濯は控えておくように」というような内容の掲示をします。
それでも続くようであれば、該当すると思われる住人の方へ直接ポスティングするなどの対応をしてくれるところが多いと思いますので、気長に待ちましょう。
管理会社に対応をお願いする祭の注意点として、感情的にならず事実だけを述べる事が大事です。
「何日の何時頃から何時頃に洗濯が行われていた」「夜中の何時頃に行われている」など具体的に述べることで管理会社も対応し易くなります。
アパートで洗濯機を使っても問題ない時間帯とは
入居者の方から寄せられる質問で多いのが、「何時まで洗濯機を使用しても良いか。」、「何時から洗濯機を使用しても良いか。」というものです。
洗濯機の使用時間を取り締まる法律は無いので、個人の裁量に委ねられます。
住んでいる人の生活習慣にもよりますが、一般的には午前8時から午後20時までの12時間の間が洗濯機をまわしても問題ないと言われています。
単身向けのワンルームアパート、マンションでは比較的遅い時間でも許容されることが多いようです。
逆に、子供がいるご家庭が住んでいるようなファミリータイプのアパート、マンションでは子供の根付かせの関係もあって、遅い時間には敏感な傾向があるようです。
また、アパートやマンションによっては契約時の「規約」などで禁止されている時間の指定が場合もあります。
気になるようでしたら、仲介不動産会社や管理会社などに問い合わせてみると良いでしょう。
今現在神経質な方が住んでいて、過去騒音トラブルが起こったようであればアドバイスなどもいただける場合もあります。
急ぎの洗濯がある場合はコインランドリーが便利
急な用事で明日着る予定がある服がある場合など、どうしてもその日に洗濯がしたい場合はコインランドリーの利用がオススメです。
昨今アパートやマンションで音に対して神経質な方が増えた影響もあってか、コインランドリー業界の進化は目覚しいです。
お住まいの地域にもよりますが、設備やサービスに力を入れた店舗が増えてきています。
設備の面では一般的な洋服などの洗濯や乾燥機のほかにも、自分では洗いにくい靴や、大きな布団、毛布、など家庭用洗濯機では難しいような洗濯も出来るコインランドリーが増えています。
また、コインランドリーのネックとなる洗濯、乾燥の待ち時間をどう過ごすかに力を入れているお店も多くなりました。
様々なジャンルの雑誌や、スマートフォンを気兼ねなく使えるように無料のWifiや充電スポットが使えるお店など、待っている間の時間も退屈しません。
お子様連れの方も過ごしやすいように子供向けに遊ぶスペースや、絵本などを設置している店舗もあります。
カフェスペースが併設されたものなどもありますので、ランチを兼ねていくのも良いですね。
アパートで出来る洗濯機の音を軽減する方法
どうしてもアパート、マンションで洗濯をする必要がある場合、音や振動を完全に遮断することは出来ませんが、対策することで軽減することは出来るので方法をいくつか紹介します。
・防振ゴムマットを使用する
市販の防振ゴムマットを洗濯機の足元に敷くことで、床への振動が原因の音を軽減することが出来ます。
・制振シートを使用する
振動を軽減することができる制振シートというものがあり、洗濯機本体に貼る事で本体から出る音を軽減する事が出来ます。
・吸音材を使用する
扉が開いていいるかどうかで部屋に響く音に差が出るように、洗濯機が設置されている洗面所に遮蔽物があれば、音を軽減することが出来ます。
吸音材などを洗濯機の周りに覆うことで小さな防音室になり、音を軽減することが出来ます。
楽器の練習用の簡易防音室などを自作している人は結構多いので、参考にしてみると良いでしょう。
いずれもホームセンターや100円均一などで材料を購入する事が出来るので、試してみては如何でしょうか。
・静音が売りの洗濯機を使う
最近はメーカー各社が静音を売りにした洗濯機を販売しています。
洗濯中の音はもちろん、給排水時に水の音が軽減されていたりと一昔前の洗濯機に比べれば格段に静かになったので、検討してみるのも良いでしょう。
・週末にまとめて洗濯する
音を軽減する方法とは少し違いますが、毎日洗濯するという人は休日にまとめて洗濯してみるのも良いでしょう。
量が多くなるので上記でおすすめしたコインランドリーなどを利用するのもおすすめです。
アパートの身近な騒音問題
今回は洗濯機の騒音問題について解説させていただきました。
アパート、マンションにおける洗濯機騒音を無くすことは出来ませんが、時間帯をずらしたり少しの対策で軽減する事は出来ます。
周りの住人の音が気になる場合、対応の仕方によっては住民同士のトラブルに繋がりかねないので、冷静な対応を心掛けるよう気をつけていただければと思います。