アパートやマンションをお持ちの方にとって、お部屋のリフォームは、大きなターニングポイントです。
はじめに考えるのは、水まわりのリフォームではないでしょうか。
今回は、アパートのお風呂に使われるユニットバスや、そのサイズについてお話していきます。
アパートのお風呂は戸建のお風呂と違う?
住宅においては、水まわりの設備は重要なポイントです。
それは、アパートやマンションでも同じことです。
アパートのリフォームを考える際に、真っ先に水まわりのリフォームを考えるのではないでしょうか。
リフォームのためにも、ユニットバスについて学んでおきましょう。
アパートのお風呂は、一般的な住宅のお風呂より狭いと言われますが、実際には違いがあるのでしょうか。
戸建住宅とアパート・マンション用のユニットバスは、サイズが異なります。
ユニットバスのカタログを見てみると、戸建用、アパート・マンション用と分かれているのです。
もちろん、費用の違いもありますが、大きく違うのはサイズです。
詳しくご説明していきます。
戸建のお風呂は、アパートのお風呂に比べて、床下や天井が高くなっています。
反対に、アパートのお風呂は、床下や天井が低めの造りになっています。
ですから、床下サイズやユニットバスの高さが、戸建用とアパート用では、そもそも違っているのです。
また、戸建用のユニットバスでも、小さいサイズになることがあります。
1216(120cm×160cm)というサイズがあります。
戸建用になると、115cm×160cmになっていることがあります。
これはなぜかと言いますと、木造住宅の尺度に合わせたサイズにするためだからなのです。
戸建でも、鉄筋やコンクリート造りの場合は、木造住宅の尺度と違ってきます。
こちらの場合は、戸建であっても、アパート用のユニットバスが使用されることがあるのです。
お風呂のサイズを見てみよう
ユニットバスのサイズには、規格があります。
どのようなサイズがあるのか見てみましょう。
アパート用ユニットバス
・1014サイズ(100cm×140cm)
・1115サイズ(110cm×150cm)
・1116サイズ(110cm×160cm)
・1418サイズ(140cm×180cm)
戸建住宅・アパート共通ユニットバス
・1216サイズ(120cm×160cm)
・1217サイズ(120cm×170cm)
・1317サイズ(130cm×170cm)
・1616サイズ(160cm×160cm)
・1717サイズ(170cm×170cm)
・1618サイズ(160cm×180cm)
・1620サイズ(160cm×200cm)
・1621サイズ(160cm×210cm)
戸建用ユニットバス
・1624サイズ(160cm×240cm)
・1625サイズ(160cm×250cm)
・1818サイズ(180cm×180cm)
このように、サイズは豊富です。
しかし、一般的なお風呂に使われているサイズは、限られているようです。
戸建…1216サイズ、1616サイズ、1620サイズ
アパート…1418サイズ、1116サイズ、1216サイズ
主に、これらのサイズが多く使われています。
どんなサイズのお風呂が設置できるのか確認しよう
アパートであっても、できるだけ快適なお風呂にリフォームしたいですよね。
前項でもご紹介した通り、ユニットバスのサイズは、10cm単位で変わっていきます。
10cm程度大きくなっただけでは、あまり変化がないのでは、と思われるかもしれません。
しかし、お風呂という小さな空間では、10cmの差が大きな違いになります。
お近くのショールームなどで、体感してみることをおすすめします。
しかも、最新のユニットバスには、配管経路などの見直しで、お風呂内を広く取ることができるようになったものもあります。
先ほどもお伝えしましたが、お風呂という空間は、5cm10cmの差でも大きく違います。
アパートのリフォームでは、お風呂の空間を広げることはできませんよね。
ですが、拡張工事をせずに、今のお風呂よりも、広いお風呂にできる可能性もあるのです。
アパートの場合、はじめから少し余裕をもって、ユニットバスを設置していることがあります。
その余裕を使って、空間いっぱいにユニットバスを設置すれば、拡張工事なしで広いお風呂になる、ということです。
ただ、このパターンは、どのアパートにも当てはまるというわけではありません。
事前に、今のお風呂の状態がどのようになっているのか、きちんとした調査や測定が必要になります。
アパートのお風呂にはユニットバスがおすすめ
現在では、アパートだけでなく、戸建住宅にまで広がっているユニットバスです。
ユニットバスは、メリットが多いのですが、反面、デメリットもあります。
その両方についても、知っておきましょう。
まずは、メリットです。
①断熱性の高さ
ユニットバスは、簡単に言うと、建物の部屋の中に、お風呂が作られているという状態です。
部屋の中に、さらに部屋を設置しているのですから、断熱性に優れているのです。
そのうえ、天井・壁・床にも断熱材が入っているので、暖かい空気が外に漏れだすのを防いでくれます。
②水漏れしにくい
ユニットバスの床は、継ぎ目がありません。
しかも破損しにくい造りになっているので、水漏れしにくいのです。
特にアパートですと、水漏れが起きると、ほかの住民にも被害を与えてしまいますよね。
ユニットバスは、そういった点で安心して使うことができます。
③使いやすい設計
ユニットバスの設計は、誰にでも使いやすい設計になっています。
脱衣所と洗い場がフラットにつながっていたり、浴槽の高さが跨ぎやすくなっていたり、さまざまな工夫が施されています。
④掃除のしやすさ
ユニットバスは、汚れが付きにくく、落としやすい素材が使われています。
また、カビの発生を防ぐために、水はけの良い床を採用しています。
⑤短い工期で設置できる
ユニットバスは、決められたサイズのものを工場で作り、現場で組み立てるだけで設置できます。
そのため、工期を短くすることができます。
これは、人件費の削減にもつながっています。
アパートにユニットバスが設置できないかも?!
続いて、ユニットバスのデメリットについて触れておきます。
①サイズ・デザインが決められている
ユニットバスは、サイズやデザインの自由度が低いため、合うものに出会えないこともあります。
基本的に、サイズやデザインは決められており、そこから選ぶことになります。
特にリフォームの場合、現在のお風呂に合うサイズがないことがあります。
メーカーによっては、オーダーメイドでオリジナルのサイズに対応していますが、規格サイズより割高になります。
デザインの面では、こだわりがある方ですと、物足りないと感じるかもしれません。
最近では、ユニットバスも浴槽や壁紙の種類が豊富になってきました。
ですが、やはり自由度は低く、気に入ったデザインにするために、追加で費用が掛かることもあります。
②後付けで設備が付けられない
ユニットバスを設置した後ですと、ほかの設備を追加することは難しくなります。
設備を追加するために、天井や壁の解体が必要になり、大掛かりな工事になってしまいます。
また、設備によっては設置不可能なこともあります。
メリットに比べて、デメリットはこのくらいです。
アパートに設置するのであれば、断然ユニットバスをおすすめします。
工場で生産されるため、品質に差が生じにくく、工期も短く済みます。
メリットのほうが、大きくなるでしょう。
ユニットバスの規格サイズが入らなかったら
ユニットバスには、前項でご紹介したデメリットがあります。
アパートのお風呂のリフォームをしようとしたけれど、ユニットバスが入らなかった、ということもあるかもしれません。
そのような場合、ほかの方法を考えてみましょう。
まず、ユニットバスですが、オーダーメイドでオリジナルのサイズを作ってくれるメーカーがあります。
部屋数の多いアパートですと、注文数も増えますので、メーカーが融通を利かせてくれることもあるかもしれません。
しかし、規格サイズのものよりは、費用が掛かることは覚悟しなければなりません。
ほかにも、在来工法で、お風呂をリフォームすることもできます。
在来工法とは、防水加工を施してコンクリートで基礎を作り、床や壁を現場で職人が作り上げる、昔ながらの工法です。
メリットは、サイズやデザインの自由度が高いことです。
イチから作るのですから、お好きな形、サイズにすることができます。
ただ、この方法もコストが掛かります。
職人の手作業になりますので、工期や費用が、そのぶん掛かってしまいます。
ユニットバスと、在来工法を組み合わせた工法もあります。
ハーフユニットバスです。
これは、床から浴槽の立ち上がり、壁の下部までが一体化し、ユニットバスの状態になっています。
壁の上部と天井は、在来工法で仕上げることになります。
ただ、商品として取り扱われている数が少なく、かえって選択肢がありません。
また、在来工法よりはコストカットできますが、ユニットバスよりコストが掛かります。
このように、ユニットバスが設置できない場合も、いくつか方法はありますので、検討してみてはいかがでしょうか。
アパートにはユニットバス!
アパートにユニットバスをおすすめする理由が、お分かりになりましたでしょうか。
水漏れしにくく、ほかの部屋に被害が出にくいだけでなく、毎日の掃除のしやすさやメンテナンスのしやすさなど、ユニットバスを選ばない手はありません。
サイズがどうしても合わない、ということでなければ、ぜひユニットバスを選びましょう。