賃貸アパートを借りて、自分の好みにリフォームやDIYをしたいと思う方は最近増えているのではないでしょうか。
最近では、100均などでもDIY用品が充実していて人気を集めています。
そこで疑問に思うのは、「どこまでリフォームやDIYをしてもいいのか」ということです。
こちらでは、アパートのリフォームやDIY事情を解説いたします。
アパートはリフォームやDIYをしてもいいのか
法律的には明確な禁止事項等はありませんが、賃貸とは、オーナーの持ち物を借りて住まわせてもらうということになりますので、契約の際に「どのような契約形態になっているか」が重要です。
基本的には、アパートのリフォームやDIYを「禁止」または「オーナーの承諾が必要」と記載されていることがほとんどです。
さらには、借主には「原状回復」の義務があり、もし自分好みにアパートをリフォームやDIYで手を加えても、退去時には元に戻す必要があります。
その際に、もし壁にネジや釘などでできた深い穴があると、クロスの張り替えはもちろん、その下の下地ボードまで換えなければならなくなってしまいます。
その場合オーナーは、下地ボードの張り替えのための修繕費を借主に請求できる権利がありますので、請求されてしまう可能性があります。
その金額があまりにも大きいと後悔する羽目になってしまいます。
そのためにも、契約時にどのような契約状態になっているか、さらにはアパートをリフォームやDIYしたい時、必ずオーナーに確認を取るようにしましょう。
どの程度のリフォームやDIYが許されるのか
アパートのリフォームでは原状回復が義務づけられているのですが、もし、壁に穴を開け、棚や仕切りを作ってしまった場合は壁の穴も含め全て元に戻さなければなりません。
しかし、エアコンなど、オーナーが新たにエアコンを取り付けなくても残していってもらえるものならばアパートのメリットとなるので、比較的OKがもらいやすい傾向にあります。
画びょうなどの小さな穴が何個かある程度なら、通常の生活を送っていると仕方なくできてしまうものなので、クロスの張り替えになったりしません。
しかし、狭い範囲でいくつもの穴がある場合は通常の使用を超えると判断され、クロス張り替えになってしまう可能性があります。
さらに、アパートのDIYの際に棚を壁に取り付けようとした場合、釘やネジを使用しますので、壁に空く穴が大きく深くなってしまいます。
そうすると壁紙だけに留まらず下地ボードにまで及んでしまい、退去時の原状回復が大変になりますが、壁に穴を開けない程度のDIYなら大丈夫です。
次に、収納が足りずに収納ラックを設置するとします。
その時に、床が凹んでしまうことがありますが、凹むくらいでしたら問題はありません。
収納ラックを移動させた際にもし床を傷つけてしまった場合には、修繕を求められる可能性があります。
要は、「通常の使用」の範囲内ならDIYをしても大丈夫ですが、「通常の使用を超える」場合には、修繕費用を請求される可能性が高くなるということです。
アパートのリフォームやDIYを勝手にやってしまうとどうなる?
契約時にどのような内容で契約したかにもよりますが、基本的にはアパートを勝手にリフォームやDIYをしない方が良いでしょう。
借主は退去時に、民法598条・616条に則って「原状回復義務」というものを果たさなければなりません。
勝手にアパートをリフォームしたからと言って法的に裁かれることはありませんが、トラブルの元になってしまう可能性があるので国土交通省から発表されている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」を確認すると良いでしょう。
しかし、特約によって借主がリフォームやDIYをしても良いという契約形態もあります。
その場合も、小規模なリフォームは借主が負担して、大規模なアパートのリフォームはオーナーが負担するというケースもあります。
DIYに関しては、契約内容を確認し、どの程度までならアパートをリフォームやDIYをしても良いのか確認しましょう。
どちらにせよ、契約時にしっかりと、契約内容に目を通す必要があります。
せっかく新しいお家で暮らすのですから、オーナーと気持ちの良い関係を築きたいですよね。
うまくアパートを原状回復させるためのDIY方法
アパートのリフォームとなってしまうと原状回復するのにお金がかかってしまいますが、DIY程度でしたら簡単に原状回復することができるでしょう。
簡単なDIY方法を少し紹介します。
例えば、壁紙を自分好みのものにしたい時、通常アパートの壁紙はリフォームの際にはノリで貼るのですが、「両面テープ」と「マスキングテープ」を利用します。
自分の好みの壁紙を貼りたい場所の現状の壁紙の上に、幅の広めのマスキングテープを柵状にはり、その上から強力な両面テープをマスキングテープからはみ出ないように貼ります。
両面テープを全部貼ったら、自分の好みの壁紙を貼れば簡単に現業回復ができるDIYの完成です。
直接両面テープを使ってしまうと剥がす際に現状の壁紙も一緒に剥がれてしまう可能性があるので、マスキングテープを使うことでそのような心配を軽減させます。
この方法ですと壁紙が変わるので、部屋の雰囲気がガラッと変わり、まるでアパートをリフォームをしたかのようになります。
さらに、100均などのリメイクテープはあまりにも長い時間放置してしまうと剥がしづらくなってしまうので注意しましょう。
原状回復しやすいDIYグッズをご紹介
アパートをリフォームしてしまうと、原状回復が大変になってしまいます。
そのため、簡単に原状回復できるアイテムを使ってDIYをするのがおすすめです。
先ほどのマスキングテープもそうですが、「DIYで棚をおしゃれに作りたい」という方もたくさんいらっしゃると思います。
ネジや釘を使ってしまうとアパートの壁に深くておおきな穴が開いてしまうので、原状回復をするのは無理に近い状態になってしまいます。
しかし、WAKAIから出ている「ディアウォール:DIAWALL」を使用すれば、壁に穴をあけることなく、DIYで棚をおしゃれに作ることができます。
こちらの商品はホームセンターなどで売られている、2×4(ツーバイフォー)と呼ばれる規格のリフォーム材にぴったりハマり、壁と床を突っ張るものです。
似た商品があり、平安伸銅工業のラブリコという商品で、こちらも基本はディアウォールと同じ用途です。
壁には穴を開けられませんが、この木材に穴をあけるのは自由なので、原状回復も簡単にできます。
おしゃれなレンガ風の発泡スチロールなどもあり、マスキングテープと両面テープで簡単に貼れてしまいます。
壁全体に貼ることもできるし、一部だけの装飾も可能です。
これらのアイテムを使うと、アパートをリフォームしなくてもDIYで棚をおしゃれに作ることができてしまうのです。
リフォームやDIY可能物件がある?!
近年、空き家の増加が社会問題化しています。
古い物件やリフォームのされていない物件は、入居者が決まりづらいというのが原因になっています。
そこで、DIYが人気の今、古い物件を有効活用するために登場したのが、退去時に原状回復をしてくても良い「DIY可能物件」です。
2014年3月に国土交通省が「借主負担DIY型」の契約形態のガイドラインを発表しました。
このガイドラインでは、入居中の借主が費用を負担し、自由にリフォームやDIYをすることが可能になり、退去時の原状回復義務もないとされています。
入居時の掃除や修繕をせずにそのままの状態で貸すことができるため、オーナーの負担も軽減されることになります。
DIYやリフォームをしたい借主と、面倒な掃除や修繕を行わずに済むオーナー、まさにどちらもwin-winな関係になります。
また、アパートによっては、リフォームやDIYが可能な物件も稀に存在しますので、お近くの不動産にリフォームやDIYをしても良いアパートがあるか相談してみてはいかがでしょうか。
賃貸アパートのリフォームやDIYは必ずオーナーに相談しよう
原状回復をしなければならないという点から、アパートをリフォームをするのは難しいかもしれません。
しかし、「トイレが古いからウォシュレット洗浄のものにしたい」や「エアコンを取り付けたい」などといった生活に必要なもののリフォームはOKが出される可能性もあるので諦めずに確認してみてください。
アパートのDIYに関しても、壁に大きな穴を開けてしまったり、床を傷つけたりしない程度の原状回復ができるものであれば、騒音などを考慮しながらうまくDIY用品を使ってチャレンジしてみてください。
さらには、アパートのリフォームやDIY可能な物件もあるので、不動産屋で相談してみてはいかがでしょうか。