これから新しい物件に住むという方の中には、「ガスコンロを購入する必要がある」または「既に使用しているガスコンロが壊れてしまったから新品に買い替える必要がある」という方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合には、都市ガス用とプロパンガス用のどちらのガスコンロを購入すればよいのかを確認する必要があります。
今回は、その理由とその建物で使用しているガスが都市ガスかプロパンガスかの見分け方や、ガスコンロの選び方までご紹介していきます。
「都市ガス」と「プロパンガス」は何が違う?
まず、都市ガスとプロパンガスとの違いには、次のようなことがあります。
・ガスの成分
・契約するガス会社
・ガスの料金
・使用可能な地域
都市ガスの主成分はメタンで、天然ガスです。
プロパンガスは、プロパンが主成分となっている液化石油ガスです。
都市ガスの供給にはガス管が使われ、プロパンガスは、常温でも比較的低い気圧で液化するため、ボンベでの運搬が可能となっています。
そのため、ガス管の整備されている都市部で都市ガスが多く使われ、ガス管の整備が行き届いていない郊外や地方などではプロパンガスが使用されていることが多い状態です。
二つの違いで覚えておきたい注意点は、ガス器具についてです。
プロパンガスは全国どこでもガスの成分がほぼ変わらないので、プロパンガス用のガスコンロなどのガス器具が使えます。
しかし、都市ガスの場合は、ガスを取り扱っている会社によって、ガスの成分や発熱量に違いがあるので、各ガスの種類に対応するガスコンロなどの器具を使う必要があります。
それでは、都市ガス用とプロパンガス用のガスコンロを間違えた場合、どうなるのでしょうか。
都市ガス用とプロパンガス用!ガスコンロを間違えると?
先述したように、ご家庭で使われているガスには、都市ガスとプロパンガスがあり、成分や熱量などに違いがあります。
それに合わせて、ガスコンロも都市ガス用とプロパンガス用とで種類が分かれています。
もし、ガスコンロを都市ガス用とプロパンガス用で間違えてしまうと、どんなことが起こり得るのでしょうか。
●異常点火が起こり、やけどなどをしてしまう恐れ
●不完全燃焼による一酸化炭素中毒を起こす危険
●ガスコンロなどのガス機器の故障
使われているガスに合わないガスコンロを使用してしまうと、これらのような、思いもよらない大きな事故につながる危険性があるとされています。
そのような事故を起こさないために、これから住み始める物件や住んでいるご自宅のガスがどちらのガスなのかを見分けるための方法をご紹介していきましょう。
ガスコンロはどちらを選べば良い?都市ガス用・プロパンガス用
それでは、これからガスコンロを購入しようとする方で、都市ガス用とプロパンガス用のどちらを選べばよいのかわからない方は、購入前に次のようなことを確認しておきましょう。
●使用されているガス器具に貼られているシール
ガス器具などにはほとんどの場合、どちらのガスを使用しているかの表示がされています。
そのなかに、「12Aや13A」の表記がある場合は、都市ガスを使用するものです。
また、「LP」(プロパンガスの別名)の場合は、プロパンガスを使用することがわかります。
そのような表記ではなく、「都市ガス用」や「プロパンガス用」ときちんと書かれたシールが貼られていることも多いです。
まずは、ガス器具などにそれらのシールが貼られているかどうか、確認してみましょう。
その他にも、その物件や住宅で使われているガスの種類を見分ける方法がありますので、次章でもご紹介します。
使うのは都市ガス用かプロパンガス用か?ガスの見分け方は他にもある!
ガスコンロを都市ガス用とプロパンガス用のどちらを使用すればよいのかを見分ける方法には、次に挙げるようなこともあります。
●建物の敷地内にガスボンベがあるかどうか
もし、プロパンガスを使用している場合は、建物の敷地内にガスボンベが設置されています。
都市ガスの場合は、ガス管が地中に埋められているので、ガスボンベは設置されていません。
その違いにより、使われているガスを見分けることも可能です。
●ガス警報器のある位置
プロパンガスは、空気よりも重いので、床にたまる性質があるとされています。
反対に、都市ガスは、空気よりも軽いため、上のほうへたまると言われています。
そこで、ガス警報器もそれに応じて、プロパンガスは床面付近、都市ガスは天井付近に設置されています。
そのガス警報器の設置されている場所を見ることも、プロパンガスと都市ガスのどちらが使用されているのかを見分ける判断材料となるでしょう。
その他にもできることとしては、賃貸物件の場合は、仲介してもらった不動産会社などに確認をするなどということがあります。
ガスコンロ購入前の確認事項とは?
これまでお話ししてきたことも併せて、ガスコンロを新しく購入するときに、事前に確認しておく必要のあることをおさえておきましょう。
●ガスの種類
前章までメインでご紹介してきたことですが、まず第一に、お使いになるガスの種類を確認しておくことが大切です。
それに合わせて、ガスコンロも都市ガス用かプロパンガス用かを選びましょう。
●設置場所のサイズ
ガスの種類も大切なことですが、ガスコンロを選ぶ際にもう一つ重要なことがあります。
それは、設置できるガスコンロのサイズです。
ガスコンロの設置場所の採寸をすることも忘れてはならないことです。
ガスコンロのサイズには、「標準サイズの幅59cm」と「コンパクトサイズの幅56cm」という2タイプがあります。
設置場所に入らなくては使えませんし、スペースが余ってスカスカでも気持ちが悪いものです。
ガスコンロを置く場所の幅や奥行きもしっかりと採寸していきましょう。
ガスの種類以外にもある!ガスコンロの選び方
ガスコンロを選ぶ際に重要なことは、前章でご紹介したように、使用するガスによって都市ガス用かまたはプロパンガス用なのかを判別することと設置場所のサイズです。
その他にも、ガスコンロを選ぶ際のポイントがありますので、参考になさってください。
●強火力バーナーの位置
一般的な2口ガスコンロには、炒め物などをするのに適している「強火力バーナー」と煮物などに適している「標準バーナー」の2種類のバーナーが付いています。
強火力バーナーが右側のものと左側に付いているタイプがありますが、ガスコンロを設置する場所の壁が左右どちらなのかによって、「強火力バーナーが壁と反対側にくるもの」を選びましょう。
●天板の種類
ガスコンロの天板に使われている材質により、見た目のオシャレさやお手入れのしやすさが関わってきます。
天板の材質のおもなものには、次のようなものがあります。
【ホーロー】
・熱や傷に強く、お手入れもしやすい
・価格が手ごろ
・焦げがこびりつきやすい
【ガラスコート・強化ホーロー】
・表面がガラス質なので、お手入れしやすい
・ホーロー用鋼板が使われているので、割れることがない
・カラーバリエーションが多い
・表面の塗装が割れると、サビが起こることもある
【ガラストップ】
・透明感があり、見た目がきれい
・耐久性や耐熱性に優れている
・お手入れしやすい
・価格は比較的高め
・重いものを落とすと、破損する恐れはある
このようなバーナーの位置や天板の種類の他にも、魚焼きグリルの種類もあります。
ガスコンロを設置する環境に合わせること以外のことは、自分の好みになりますので、何を重視するかを決めてから選ぶと良いでしょう。
ガスの種類の見分けは重要!ガスコンロの購入前に必ず確認を
今回ご紹介したように、ガスコンロには、都市ガス用とプロパンガス用の2種類があります。
そこで使用されているガスと違うものを使用してしまうと、大変な事故につながる危険性も考えられます。
これから新しいガスコンロを購入するという方は、忘れずに、必ずどちらのガスを使うのかを確認しましょう。