突然、家賃の値上げ通知が来た!こんなときどうすれば良い?

ある日突然、住んでいるアパートの家賃を値上げするという通知が来たら、あなたはどうしますか?

仕方なく承諾するという方も多いでしょうが、そもそも、家賃を値上げする権利は賃貸人側にあるのでしょうか?

今回は、アパートの家賃を値上げする通知が来た場合の対処法について、詳しくお話します。

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契約更新時に家賃の値上げ通知が来たら?

たいていの場合、賃貸借契約は2年ごとに更新を行うようになっています。

その契約更新のタイミングに、賃貸人側が賃貸借契約の条件を見直して家賃の値上げをするというケースがあります。

実は、20年以上前には更新時に賃料を値上げするのが一般的でした。

賃貸人の立場がとても強く、更新ごとに賃料を値上げしても賃借人はそれに文句が言えなかったのです。

だんだんと賃貸人と賃借人の立場が逆転してくるにつれ、更新時に値上げするということはほとんどなくなりました。

ただ、古くからの大家さんの中には、未だに更新時には家賃を上げるものだと思っている人もいます。

また、立地や条件が希少価値の高いもので、賃借人が出ていきたくないだろうと思われるような物件だった場合にも、更新時に家賃の値上げ通知がくることがあります。

いずれにしても、契約更新時に条件を見直す場合は、賃貸人、賃借人双方の合意が必要ですから、一方的に値上げ通知に従わなくてはいけないということはありません。

賃貸人からの要望として受け取って、新しい条件については両者で話し合いをしたうえで決定すれば良いのです。

管理会社変更時に家賃の値上げ通知が来たら?

アパートを管理する管理会社が変更になった時に、新しい管理会社から家賃の値上げ通知がくることがあります。

今までの管理会社とは違うので、賃借人としては不安になりますよね。

管理会社が変わるということは、前の管理会社に不満があったということも考えられます。

例えば、空室が出て新規に募集するときに、前の管理会社の賃料設定が低すぎてアパート全体の収入が下がってしまったという場合、管理会社を変更して、新しくなった管理会社が賃借人に個別に賃料の値上げを打診することがあります。

この場合も、家賃の値上げを行いたければ、賃借人の同意がないとできません。

通知が来たからと言って慌てずに、管理会社を通じて賃貸人と交渉を行えばよいでしょう。

売買によるオーナー変更時に家賃の値上げ通知が来たら?

近年、アパートが投資用物件として売買される動きが大変活発です。

そのため、借りているアパートのオーナーが売買により変更になったことがある方もいるのではないでしょうか。

売買によりオーナーが変更になると、そのタイミングで家賃の値上げ通知がくることがあります。

賃貸人が変わるのですから、賃貸借契約が引き継がれるかどうか、賃借人は不安になるかと思います。

基本的には、オーナーが変更になっても賃貸借契約は新オーナーに引き継がれるため、賃借人は従前の条件で住み続けることが可能です。

新オーナーからの値上げ通知というのは単なる要望ですので、賃借人が納得いかなければそれに従う必要はありません。

ただし、オーナーが変更になった時に気を付けなければならないのは、元賃貸人が破産してアパートが競売にかけられた場合です。

実は、競売によりアパートを取得した新オーナーは、賃借人に対して6ヶ月の期間を持って退去させることができるようになっています。

そのため強気な値上げ交渉が行われることがあります。

この場合は、賃貸人に退去の拒否権がないため、退去したくないのであれば新オーナーの条件に従うことになります。

家賃の値上げについて話し合う前に準備することは?

家賃の値上げ通知が来ても、仕方なくそのまま承諾するのではなく、賃貸人と賃借人双方で協議することが必要だとお話ししました。

では、実際どのように賃貸人と交渉していけばよいのでしょうか。

まず確認しなければならないのは、賃貸借契約書です。

契約書の中に、賃料の改定についての項目があるか確認をしましょう。

一般的には、次の3つの場合に賃料を改定することができるとなっています。

①その土地の価値が上がり、賃貸人の払う固定資産税評価額が上がった場合

②全体的に景気が良くなり物価や税率が上がった場合

③周辺の同じような建物の賃料が上がった場合

次に、値上げについてどんな根拠で行われているのかを確認します。

たいてい通知文には値上げの理由が明記されていますので、賃貸人に対して根拠となる資料の提示を要求しましょう。

また、周辺の建物の賃料については現在募集されている賃料をネットで調べることができますので、現在の賃料が周辺の相場と合っているかどうか確認しましょう。

最後に、交渉材料としてアパートの管理状況や室内の不具合について賃貸人側の不備がないかどうか検討します。

結果的に賃料を値上げすることになるとしても、値上げの条件として管理状況や室内の不備について改善をしてもらうことが可能です。

家賃の値上げについての協議はどんな流れで行われるの?

まず、家賃の値上げ理由が不当だと思う場合、賃貸人側に対してその理由を回答します。

回答の方法は文書が望ましいですが、きちんとした書式にする必要はなく、箇条書きでも内容が伝われば良いです。

しかし、普通の会社員が仕事をしながらこういったやり取りをすることはかなり負担になるものです。

そのため、回答文には今後のやり取りの方法について具体的な希望まで記載しましょう。

例えば、平日は連絡できないとか、メールでのやり取りを希望するなどです。

こういったことを先に伝えておくことで、負担を少しでも軽減することができます。

次に、値上げ理由について賃借人側も納得できる正当な理由がある場合ですが、この場合はすでに弁護士がたてられており、弁護士名の通知文となっていることが多いです。

そのため、通知文に従って弁護士に対して回答します。

値上げ理由に納得がいく場合は、ゼロ回答は避けて、値上げ金額についての希望提示や賃料以外での条件交渉をすると良いでしょう。

条件が折り合えば良いですが、折り合いがつかなければ、調停または裁判と進んでいくことになります。

長引くようであれば賃借人側も弁護士をたてるようになりますが、調停も裁判も多額な費用がかかるため、そこまで進んでいくことはあまりありません。

どこかで折り合いをつけるか、場合によっては賃借人が他に良い物件を見つけて退去するという結末もあります。

家賃の供託とはどういうもの?

家賃の値上げ通知が来てから、値上げについての協議が行われる間、賃貸人側が家賃の受け取り拒否をするというケースがあります。

賃借人側は家賃を支払う義務があり家賃不払いは退去要件となってしまうので、賃貸人に受け取ってもらえないのは困ります。

そんな時、供託というシステムが役に立ちます。

供託とは、賃貸人が受け取らない家賃を法務局が代わりに預かり、賃貸人に対して預かっている旨を通知してくれるものです。

供託することで、賃借人の賃料支払い義務は果たしていることになります。

ちなみに、供託する法務局は、実際にアパートが建っている土地を管轄する法務局となります。

賃貸人が家賃を受け取ってくれないケースだけでなく、賃貸人が行方不明で家賃の支払いができないケースや、賃貸人の急逝により賃料振込口座が凍結してしまい支払いができないケースでも、利用することができます。

家賃の値上げ通知には、慌てず冷静に対処しましょう!

今回は、突然アパートの家賃を値上げするという通知が来た場合の対処方法についてご紹介しました。

契約の更新時や管理会社の変更時、オーナーの変更時に値上げ通知がくるというケースが多いようです。

家賃の値上げというと慌ててしまう方もいるかもしれませんが、落ち着いて相手と交渉し、双方の納得できる条件に折り合いをつけましょう。