近年はDIYの流行もあり、自分で家具や雑貨を作成する人が増えてきましたが、折角なら自分で初めからデザインして、個性の光るものを作ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか?
ここでは、自然の風合いを生かした流木を使ってインテリア用に加工する方法をご紹介します。
アク抜きなどの処理が必要になりますが、難しいことはありません。
自分だけのインテリアを作り、我が家をオシャレに演出してみましょう。
インテリア用に使える流木の準備
流木は川や海に流れている木のことですが、集める場所で特徴が違います。
海の流木は海水に天然の塩素が含まれるため、虫は少ないけれど塩分が含まれています。
一方、川の流木は流れの淀む場所に溜まりやすいので、腐ったり虫がついたりしやすいです。
アク抜きの方法はほぼ同じですが、用途によって要する時間は変わってきます。
また、海まで流れたものは、流されるうちに角が取れて丸みを帯びたフォルムのものが多く、川の上流では、大きめでゴツゴツした変わった形のものが多く見つかりやすいです。
自分がどんなインテリア用に使いたいのか考えながら集めるのも楽しいですよ。
お住まいの地域によっては、「拾いに行けない」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、近年はインターネット上で流木を購入することも可能です。
アク抜き処理済みのものも売っていますので、お手軽に始めたい方には良いかもしれませんね。
アク抜き前の洗浄と不要な皮の処理
拾ってきたばかりの流木には汚れ、カビ、虫、砂やゴミなど様々なものが付着しています。
インテリア用に加工するため、それらを除去して清潔にしなくてはなりません。
アク抜きの前に、まずは水道水でしっかり洗浄して不要なものを取り除きます。
流水をかけたり、バケツに水を貯めて木を浸しながら、ブラシやたわしを使用してしっかり汚れを落とします。
水圧をかけながら流し洗うと、小さなくぼみに溜まっている汚れも落とせます。
不要な皮もこの段階で剥がしておきます。
しっかり洗って不要なものを落としておかないと、アク抜きに時間がかかってしまったり、腐敗などの原因にもなったりますので、丁寧に洗うようにしましょう。
強く擦りすぎると、折角の流木に傷が付いて自然な風合いが損なわれてしまいますので、やさしく洗って下さいね。
拾ってきた流木のアク抜き方法
インテリア用に加工するには、タンニンなどの成分であるアクを抜く必要があります。
自分で作った流木雑貨を部屋に飾っていたら、壁や家具に茶色く色移りしてしまったなんてことにもなるかもしれません。
苦労して作ったものであれば、より悲しくなりますよね。
またアク抜きの工程で、洗浄だけでは落としきれなかった汚れなどの不要なものも、より確実に取り除くことが出来ます。
【沈水処理】
一番簡単な方法ですが、時間はかかります。
流木がしっかり沈む大きさの容器を準備し、流木が浮く場合は重石も用意して下さい。
大きめの袋でも構いませんが、流木が尖っていた場合などに途中で袋に穴が開いてしまうことがあるので注意が必要です。
容器に水をたっぷり入れ、洗浄が済んだ流木を完全に沈むように入れましょう。
時期によっては水が蒸発してしまったり、水の中にゴミなどが入って汚れたりするので、蓋がしまる容器が理想ですが、無理な場合はビニールなどで覆うだけでも大丈夫です。
そのまま1週間程度浸け置き、水が茶色く濁ったら水を入れ替え、水が濁らなくなるまで何度か繰り返します。
期間は流木の状態で変わりますが、数ヶ月かかることもあります。
【煮沸処理】
大きめの鍋や金だらい・ドラム缶などに水を沸かし、流木を煮ます。
煮沸の場合も、水が茶色く濁らなくなるまで繰り返します。
熱を加えることで、水だけでは落としきれなかった汚れや虫も取り除けるのでおすすめの方法です。
水で処理するよりも早くアク抜きが出来ますよ。
煮ることで、水洗いでは硬くて取り除けなかった皮なども剥がしやすくなります。
アク抜きの簡単な方法
インテリア用にアク抜きするには時間と手間がかかってしまいますから、出来るのであれば簡単に済ませたいですよね。
煮沸処理がおすすめだとしても大きな鍋も無いし、ましてやドラム缶で煮出すスペースなんて無い方も多いと思います。
そんな場合は大きめの発泡スチロールのケースに流木を入れ、熱湯を注ぎ入れて蓋をし、保温された状態で1日程度お湯に浸ける方法でも大丈夫です。
水が濁れば同じようにお湯を入れ替えて、濁らなくなるまで繰り返して下さい。
また、熱湯処理に合わせて「重曹」や「アク抜き剤」を使用すると、より早くアク抜きが出来ます。
重曹は65℃以上で強アルカリ性になり洗浄力が増すので、お湯だけで処理するよりも早く水が濁るようになるのです。
アク抜き剤もホームセンターなどで比較的安価で手に入りますので、時間を短縮したい方は使ってみるのも良いのではないでしょうか。
インテリア用の流木はアク抜き後に充分な乾燥が必要
アク抜きの終わった流木はしっかり乾燥させます。
理想の環境は「通気性と日当たりの良い室内」です。
野外で乾燥させると、処理した後で虫がついてしまったり雨で濡れたりして、流木が劣化してしまう恐れがあります。
真夏に日中だけ炎天下にさらして、夜間は室内に移動させるのなら良いですが、野外に置いたままにするのは止めておいた方が良いでしょう。
乾燥期間は季節や流木のサイズ、形によって変わってきますが、完全に芯まで乾かすには、数週間~数ヶ月必要になります。
密閉出来るケース(衣装ケースなど)に流木と乾燥剤を一緒に入れたり、浴室乾燥機を使って乾燥させたり、流木を乾燥させる方法は様々あります。
折角手間をかけてインテリア用に処理したのですから、ここで焦らず芯まで乾燥するのを待ちましょう。
個性を活かして流木をインテリア用にアレンジ!
アク抜き処理済みの流木を活かした雑貨の良いところは、自然な風合いと個性的で二つと無い形です。
流木の形を見て、どんなふうに加工しようか考えるのも楽しいですよね。
インテリア用に加工する際には、削れた穴や凹みなども活かすと面白いものが作れます。
色々作ってみたいけれど、のこぎりや釘などの工具を使った経験がない方もいらっしゃると思いますが、工具が無くても大丈夫です。
流木の凹みにエアープランツや造花を差し込むだけでも、ちょっとしたインテリアとして飾ることが出来ます。
また、流木と相性の良い「麻紐」を使えば加工も簡単です。
棒状の流木の両端に麻紐を括りつけ、吊るすことでハンガーラックとして使えます。
また、板状の流木にL字フックを等間隔に数本ねじ込み壁に設置すれば、帽子や上着などのもの掛けにもなります。
プラスチックの植木鉢には、周りに流木を沿わせて麻紐で括りつけるだけで、簡単にオシャレな植木鉢カバーの出来上がりです。
既製の写真立ての枠に流木をボンドで貼り付けるだけでも印象がかわりますし、傘立てに長めで個性的な形の流木を1本挿しておくだけでも雰囲気が変わります。
工具を使える方なら、流木を使った椅子や棚を作ることも可能でしょう。
形も使い方も決まって無いので、自由な発想が素敵な雑貨を生み出す鍵になり、自分だけのインテリアになりますよ。
流木を使って唯一無二の住空間を演出しよう!
自分の住空間をお気に入りのもので飾りたいと思う方は多いと思いますが、既製品の家具や雑貨では限りがあります。
流木を使えば、自然な形のものを自分の好みに合わせて作ることが可能です。
北欧調などのナチュラルな空間にも馴染みやすく、生活に取り入れやすいのも流木雑貨の良いところです。
アク抜きでは長い期間を要しますが、その分愛着もわきますから、流木でお気に入りの一品を作り、唯一無二の住空間を演出してみてはいかがでしょうか。