賃貸マンションに住んでいてトラブルがあった時、管理会社にクレームを入れることがありますよね。
管理会社がすぐにクレームに対応してくれれば良いですが、連絡が遅かったり、何日も待たされたりすることがあります。
今回は、そういった管理会社のクレーム対応が遅い場合に、できるだけ早く対応してもらう方法をご紹介します。
賃貸の管理会社は誰とどんな業務内容で管理契約をしているの?
賃貸マンションにはたいてい管理会社がいて、トラブルやクレームの連絡先になっていますね。
管理会社は、誰とどんな業務内容で契約をしているのでしょうか。
一般的に、管理会社はマンションのオーナーと「管理委託契約」を結んでいます。
管理会社が行う業務はその管理委託契約の中に盛り込まれており、大きく分けると「オーナー代行業務」と「建物管理業務」の二種類です。
オーナー代行業務とは、賃料の集金や滞納の対応、空室時の募集などの業務になります。
建物管理業務とは、建物の定期的な巡回や設備の点検、建物のメンテナンスなどが業務内容として挙げられます。
入居者からのクレーム対応については、最初の受付窓口はオーナー代行業務に含まれますが、内容が設備の不具合であった場合は、その対応は建物管理業務となります。
管理会社とオーナーとの管理委託契約はアパートごとに締結されており、その業務内容は契約ごとに差があることもあります。
例えば、オーナー代行業務のみ締結されて、建物管理業務は外されているというケースもあるのです。
こういった管理契約の内容までは入居者に知らされることがないので、もし機会があれば確認してみると良いでしょう。
管理会社のクレーム対応が遅くなるのはなぜ?
管理会社にクレームを伝えても、対応が遅いことがあると思いますが、管理会社がクレームに迅速に対応できない理由もあるのです。
例えば、入居者が室内のエアコンが壊れたことを管理会社にクレームとして伝えた場合、管理会社は入居者とエアコンの修理業者の日時調整をして現地を確認します。
そして、エアコンの修理業者が出した見積もりをもとに、オーナーに修理についての承諾を得る必要があります。
実は、この「オーナーからの修理の承諾」にかなり時間がかかる場合があるのです。
以前は、管理会社の見積りですんなり工事が行われることが多かったのですが、近年は、オーナーから修理内容について細かく説明を求められることが多くなっているようです。
例えば、今回修理する場合と修理せず交換した場合の費用対効果を求められれば、管理会社は数字で提出しなければなりません。。
こういったオーナーへの説明に、かなりの時間がかかってしまうということが起こります。
管理会社の担当者は入居者のために迅速に対応したいのですが、オーナーに承諾してもらうまで工事はできないため、入居者が待たされてしまうということが起きてしまうのです。
ちなみに近年は、管理会社によってはそういった問題を解消するため、設備や建物の不具合について管理会社のほうに決裁権を持たせる管理内容としているところも増えてきています。
入居者としては、迅速な対応を望みたいですね。
管理会社とのやり取りはメールでも対応してくれる?
入居者が管理会社にクレームを伝えたいと思っても、管理会社の窓口は電話番号のみのところがほとんどです。
管理会社の営業時間中は入居者も仕事中であることが多く、電話で伝えるとなると、ついつい後回しにしてしまうことが多いですよね。
こういった時、メールを使って管理会社とのやり取りはできるのでしょうか?
多くの場合、管理会社はお客様窓口としてのメールアドレスを持っていますので、このメールを使ってクレームを送ることが可能です。
注意点としては、メールを受ける担当部署が入居者窓口とは違う部署になっていることがあるため、最初の対応が遅くなる場合があります。
また、管理会社からの返信が電話であることも想定されますので、入居者自身の電話連絡のつきやすい時間帯や、どうしても日中出られない場合は希望する返信の方法についても記載しておきましょう。
その後の対応も、入居者の希望で、メールでのやり取りで済ませることは可能です。
もし深刻なクレームの場合、「言った言わない」のトラブルを防ぐために、あえてメールのみのやり取りにするのも良いかもしれません。
クレーム対応をできるだけ早くしてもらうには?
賃貸マンションの室内の設備は、給湯器やエアコンなど壊れてしまうと困るものばかりです。
しかし、管理会社にクレームを入れたのに、一向に修理に来てくれないということがあります。
こういう時に、できるだけ早く対応してもらうためにはどうすれば良いか、対策をご紹介します。
まず、設備が故障した時に、もっとも大事なのは現物の調査です。
エアコンならそのエアコンを業者が見に来るのですが、シーズンによっては業者が大忙しで予定がなかなか立たないような場合があります。
そういった場合に、業者から何度も確認の電話をもらうのは時間がかかる原因となります。
対策として、まず最初に電話するときにエアコンのメーカーと型番を伝えることが大切です。
また、現地調査が可能な日時の候補も先に伝えるのですが、なるべく短時間ではなく、半日から一日空いている日を選ぶと良いでしょう。
さらに、いつまでに連絡して欲しい、いつまでに修理して欲しいといった期限を伝えることも、クレーム対応を可能な限り早くしてもらうことにつながるでしょう。
住人トラブルでクレームを入れたのに管理会社が対応してくれない時はどうしたら良い?
賃貸マンションでは多くの人が住んでいるため、住人同士のトラブルが起こりやすいです。
例えば、上下階の音がうるさいといった騒音のトラブルや、ゴミの分別がされていないというゴミのトラブルなどが挙げられます。
一つ一つは些細なことですが、直接相手に言うと角が立つだろうからと、被害を受けている入居者が管理会社に対してクレームとして対応をお願いすることがあります。
ところが、管理会社は相手に直接注意するのではなく、張り紙で全戸に注意を促す程度のことしかしてくれなかったりして、歯がゆい思いをすることもあるでしょう。
こういった時、効果的な方法は下記の三つです。
・実際の被害を写真や記録に残すこと
・他にも被害を受けている人がいれば、複数でのクレームとすること
・クレームを入れる際、希望する改善レベルを伝えること
こういった方法でクレームを入れると、管理会社も具体的に動きやすくなります。
クレームの入れ方にも工夫が必要ですね。
オーナーに管理会社の変更を要求することはできる?
もし、管理会社がクレームに全く対応してくれなかったり、管理会社としての業務を果たさず入居者が居住するのに被害を受けているような場合、入居者からオーナーに管理会社の変更を要求することはできるのでしょうか?
原則として、入居者からオーナーに対して管理会社の変更を要求することはできません。
ただ、オーナーに対して管理状態の是正を要求することは可能です。
オーナーは、入居者がマンションに居住するのに適した状態を維持する義務を負っていますので、オーナーから委託されている管理会社がその業務を果たしていなければ、それを是正する責任があるからです(民法601条)。
マンションの管理状態が悪くても、オーナーがそのことを知らないということはあるようです。
管理会社に委託していると、その管理会社からしかマンションの情報が入らないので、オーナーには管理状態が悪いという情報が行かないのでしょう。
入居者からの指摘で初めて状況を知り、オーナーが管理会社を変更した、ということも実際にはあります。
管理会社へのクレームは伝え方を工夫することで対応が早くなることも!
賃貸マンションの管理会社にクレームを入れた際、クレーム対応をできるだけ早くしてもらうための対策についてご紹介しました。
可能な限り早く対応してもらうには、マンションの管理内容を把握しておいたり、クレームの伝え方を工夫したりすることが大切です。
クレーム対応に疑問を感じたときは、この記事を参考にしてみてください。