建物を新築した際は、建物表題登記を行わなければならないことをご存知ですか?
また、建物を増築した際は建物表題変更登記が必要です。
一言に「建物表題登記」「建物表題変更登記」といっても難しくてよく分かりませんよね。
そこで、今回はこの二つの登記について、また登記を行うための必要書類についてお話ししていきます。
建物を新築?増築?不動産の登記について
不動産の登記とは、土地や建物についての詳しい情報を提出して、一般的に公開された登記簿に記載することを指します。
ある土地や建物の場所や範囲はどこで、どの所有者に権利があるのかを、明確に公示することを目的としています。
不動産は比較的高価な場合が多いので、取り扱いも慎重にならざるを得ません。
何千万円、何億万円もの土地や建物の所有者があいまいな状態ですと、不動産取引も安全、そしてスムーズに運びませんよね。
また、見ず知らずの他人に、自分が所有している不動産の権利を主張されることも考えられなくはありません。
このようなことを避けるためにも、不動産の登記はとても大切です。
家を新しく建てたときには、まず不動産登記として建物表題登記を行います。
建物表題登記は、どの土地にどのような建物が建てられたのかを登記するためのものです。
そして、建物表題変更登記は、その建物が増築や改築などで変更点があったときに必要な登記となります。
この記事では、建物表題登記と建物表題変更登記について、そしてこの二つの登記の必要書類についてもご紹介していきます。
建物を新築したときは建物表題登記を行おう!
建物の新築や増築には登記が欠かせません。
まずは、建物を新たに建てたときの建物表題登記についてのお話です。
建物表題登記は所有者に申請義務があり、建物を建築してから1か月以内に提出する必要があります。
もし申請を怠った場合は、不動産登記法159条の2により10万円以下の過料に処されることもあるので、注意してください。
建物表題登記で登録する必要事項は
・所在
・地番
・家屋番号
・種類(居宅か店舗かなど)
・構造
・床面積
・日付
・所有者
などになります。
これらの情報を必要書類として提出することで、建物の所有者を証明することができるのです。
また、建物についての詳しい情報が登記してあることで、どんな建物が建ったのかを直接見に行かなくても誰でも知ることができる状態になります。
建物表題登記の必要書類を知る前に!建物滅失登記は済んでいるの?
建物表題登記を行うにあたって気を付けなければならないのが、建物滅失登記を行う必要があるかどうかです。
建物滅失登記とは建物を取り壊したときに申請する登記の種類です。
たとえば、以前にその土地に建てられていた建物を取り壊したときに、建物滅失登記の手続きがされていなかったとします。
このようなケースでは、壊したはずの建物が登記上存在していることになってしまいます。
すでに建物が建っているはずの場所に、新たな建物を登記することはできませんよね。
そのため、建物表題登記を行うときは、その土地の登記が今どのような状態になっているかを事前に確認しておくと良いでしょう。
それでは、次の項で建物表題登記のための必要書類についてご紹介します。
増築の際に行う建物表題変更登記とは必要な書類も違ってきますので、一つずつ確認していきましょう。
新築したら提出しよう!建物表題登記のための必要書類
建物を新築した場合、建物表題登記を行う必要があります。
建物表題登記を行うための必要書類としては、以下のものを用意してください。
①建物表題登記を行うための申請書
申請書に先述したような必要事項を記入します。
②所有権証明書
登記を行う地域によっては、所有権証明書として提出する書類が変わってきますので、事前に登記所で確認しておきましょう。
所有権証明書として認められる書類は以下のものなどがあります。
〇建築確認通知書
これから建てる建物に問題がないことを確認してもらうことで発行される書類です。
建物の工事施工会社などに請求することで取得できます。
〇工事完了引渡証明書
工事が終了し、建物の引き渡しが行われたことを証明する書類です。
この際に、施工業者の印鑑証明書と資格証明書も受け取っておきましょう。
〇検査済証
完成した建物に異常がないことが確認されると検査済証をもらえます。
これらの中から、登記所に問い合わせて必要と言われた書類を用意するようにしてください。
③申請人の住民票
建物の所有者となる人の住民票を用意しましょう。
④建物・各階平面図
建築確認通知書をたよりに、それぞれの図面を作成します。
⑤建物の位置図
インターネットなどを利用して地図を印刷すると簡単です。
⑥委任状
第三者に登記申請を依頼する場合は、委任状を用意しましょう。
以上です。
建物表題登記は土地家屋調査士などに依頼すると7~9万程の費用が掛かってしまいます。
費用を節約したいのなら、ご自分で必要書類を用意してみるのもいいかもしれませんね。
少し労力は必要かもしれませんが、試してみてはいかがでしょうか。
次に、増築などの際に必要となる建物表題変更登記についてお話しします。
建物の増築などで変更があったときは建物表題変更登記を行おう!
建物表題登記の次は建物表題変更登記についてお話ししていきます。
建物表題変更登記が必要になる、建物の変更点は以下のようなものがあります。
・建物を増築したとき
・建物を改築したとき
・はなれや倉庫、車庫などを新たに建てたとき
・屋根の種類や構造が変わったとき
・建物の使用用途が変わった時(居宅から店舗への変更など)
このように、登記記録に記載されている所在、地番、家屋番号、種類、構造床面積などに変更点があったときは建物表題変更登記を行わなければいけません。
建物表題変更登記も、建物表題登記と同じく変更した時期から1か月以内に行う必要があります。
(不動産登記法第51条)
建物表題変更登記を行うためには、いくつかの書類を用意します。
次の項で、建物の増築に伴う建物表題変更登記の必要書類についてお話ししていきます。
増築したら提出しよう!建物表題変更登記のための必要書類
所有している建物の増築をしたら、建物表題変更登記を行いましょう。
ここでいう増築とは、建物表題登記で申請した登記上の建物の床面積が増えた場合に限ります。
はなれや倉庫など、建物表題登記で申請した土地とは違う場所に新たに建物を建てた場合は条件が少し変わってきますので、注意してください。
建物の増築による建物表題変更登記を行うための必要書類は以下の通りです。
①建物表題変更登記を行うための申請書
②増築部分の所有権証明書
建物表題登記と同様に、登記所で指定された書類を用意するようにしましょう。
〇建築確認通知書
〇工事完了引渡証明書
〇検査済証
③増築後の建物・各階平面図
④委任状(申請を依頼せず、自分で行う場合は不要)
各項目の詳しい説明は先述してありますので、そちらも参考にしてください。
「少し増築しただけ・・・」と軽く考えず、建物表題変更登記も忘れずに行いましょう。
登記は忘れずに行おう!
不動産の登記は、自分の権利を主張するためにとても重要なものです。
「建物表題登記」と「建物表題変更登記」は、どちらも1か月以内の手続きが決められているので、忘れずに行うようにしましょう。
この二つの登記は、それぞれに必要な書類がいくつかあります。
申請する登記所によっては、必要書類も変わってきますので、事前に確認しておくと良いでしょう。