「ピアノを部屋に置きたいけれど、マンションだとピアノの音が近所迷惑にならないか心配…」という方もいらっしゃると思います。
騒音にならないようにするには、どこにピアノを置くのが良いのでしょうか。
また、防音面以外にも、ピアノの設置場所を決めるために注意すべきことがあります。
この記事では、マンションでピアノの置き場所を決める際の注意点をご説明します。
マンションでピアノを置くときにまず確認すべきこと
「子どものころに習っていたピアノを再開したい」「大人の習い事としてピアノを始めてみたい」など、ピアノを部屋に置く生活に憧れる方も多いでしょう。
お子さんにピアノを練習させたいという方もいると思います。
マンションでピアノを部屋に置きたいと思った場合、まず確認すべきなのは、そのマンションの管理規約です。
規約上、楽器演奏が禁止されている場合もあります。
また、楽器可であっても、演奏可能な楽器の種類が制限されている場合があります。
ピアノの演奏がなぜ禁止されることがあるかというと、騒音の問題もありますが、床の耐久性が原因となるケースもあります。
ピアノは重量のある楽器なので、ある程度の強度がある床でなければ置くことはできないのです。
まずは、管理規約でピアノの設置が認められているかを確認してください。
ピアノの設置がOKであれば、次に置き場所について考えてみましょう。
ピアノの置き場所!こんなところはNG
次に、マンションにピアノを置くときの注意点についてご説明しましょう。
置き場所を決める際には、以下の3つの点に注意してください。
●楽器に悪影響を及ぼす場所には置かない
ピアノはとても繊細な楽器です。
温度や湿度が急激に変わると、音程や音質が悪くなってしまうこともあります。
例えば、窓際にピアノを置いてしまうと、直射日光で楽器が熱くなってしまったり、結露で濡れてしまったりするかもしれません。
そのような場所にピアノを置くのは避けましょう。
もし、どうしても窓際にしか置くスペースがない場合は、遮光性や保温性の高いカーテンを付けるようにしてください。
●和室など、ピアノの重量に耐えられない場所には置かない
和室のあるマンションの場合、和室にピアノを置くことを考えるかもしれません。
しかし、和室はピアノの置き場所としてふさわしいとは言えません。
ピアノはとても重い楽器であり、畳がその重量に耐えられず傷んでしまうためです。
アップライトピアノは200kg前後、グランドピアノだと重いもので400kg近くもあります。
それでも和室に置きたいということであれば、ラグやマットを敷くことで、多少は畳を傷みにくくすることができるでしょう。
●生活動線上に置かない
ピアノは楽器の中でも特にサイズが大きく、部屋に置くと存在感があります。
リビングの真ん中や通路の近くなど、生活動線上にピアノがあると、とても動きづらくなってしまいます。
また、ぶつかってしまうと楽器にも良くありません。
電子ピアノなら置き場所の自由度が高い!
ここからは、電子ピアノ・アップライトピアノ・グランドピアノに分けて、それぞれの置き場所を考えてみましょう。
まず、マンションでピアノを置きたいときに、最も簡単に設置できるのは電子ピアノです。
電子ピアノは音の大きさを調整したり、ヘッドホンをつないで演奏したりすることが可能なので、騒音の心配はあまりありません。
隣の家に面した部屋であっても、問題なく置くことができるでしょう。
サイズも小さめで持ち運びしやすく、どんな部屋にも設置しやすいです。
電子ピアノを置くときに、ひとつ気をつけなければいけないことがあります。
それは、鍵盤をたたく「打鍵音」が下の階に響きやすいということです。
実際に出るピアノの音色は音量調整が可能ですが、鍵盤をたたいたときのカタカタという音や振動は、下の部屋に伝わってしまいます。
マンションの2階以上に住んでいる方は、電子ピアノの脚の下に防振マットを敷くことをおすすめします。
防振マットはホームセンターなどで買うことができます。
アップライトピアノは置き場所と置き方に注意!
電子ピアノは設置が楽ですが、鍵盤をたたいたときのタッチがアコースティックピアノとは違ったり、演奏の強弱が付けられなかったりすることから、あまり好まれないこともあります。
アコースティックピアノとしてポピュラーなのは、アップライトピアノです。
アップライトピアノは、電子ピアノよりも重量があり、音量も大きくなります。
マンションで設置する場合には、置き場所に注意しなくてはいけません。
背面が平らで、壁に沿って設置しやすい形のアップライトピアノですが、隣の家に面した壁へぴったりとくっつけて置くのはNGです。
なぜかというと、背面から大きな音が出るため、壁にくっつけて設置することで隣の部屋に音が響いてしまうからです。
自分の家を仕切る壁にくっつけて置くのであれば問題ありません。
もし、隣の家に面した壁の前に置かなければならない場合は、壁から10cm程度離すようにしましょう。
また、アップライトピアノの調律の際は、調律師がピアノの右側に立って作業をするため、そのスペースを確保しておくことも大事です。
本格的なグランドピアノをマンションに置きたいときは?
楽器の経験が長く、本格的にピアノを練習するという方であれば、グランドピアノを置きたいと思われるかもしれません。
音量が大きく、練習時間も長くなることが考えられるので、マンションに置く場合は防音対策を特にしっかりとしましょう。
防音マットを敷く、グランドピアノの脚にゴム製のインシュレーターを付ける、防音カーテンを取り付けるなど、色々な方法がありますが、これらを行っても完全に防音できるわけではありません。
もし周囲を気にせず思い切りグランドピアノを弾きたいのであれば、防音ルームの設置を検討してみてください。
ピアノ向け防音ルームの設置の相場は200万円を超えるので、かなりの費用がかかります。
しかし、近所の方とのトラブルを起こさずに、グランドピアノを存分に演奏したいのであれば、設置する価値はあるでしょう。
また、グランドピアノはサイズがとても大きいため、搬入も大変です。
玄関を通らなければ、窓から搬入することも考えられます。
搬入できるかどうかも考えたうえで、置き場所を決めなければならないでしょう。
マンションでピアノを置く場合はご近所さんの理解が大事
電子ピアノ・アップライトピアノ・グランドピアノのそれぞれについて、置き場所や防音対策をご説明しました。
しかし、アップライトピアノやグランドピアノの場合、防音ルームを設置しない限りは、全く音が漏れないようにするというのは難しいものです。
もし音漏れが騒音トラブルになると、最悪の場合は引っ越しも考えなければいけなくなるかもしれません。
ご近所さんとの関係を悪くしないために、ピアノを置くことや練習することについて理解をしてもらう必要があります。
あらかじめ、大家さんやご近所さんにはピアノを置くことを伝えておくと良いでしょう。
また、マンションの管理規約で演奏可能な時間帯が決まっている場合は、必ずそれを守りましょう。
適切な置き場所を決めてピアノのある暮らしを楽しもう
今回は、マンションでピアノの置き場所を決める際の注意点をご説明しました。
ピアノを置きたい場合は、まずマンションの管理規約を確認してください。
ピアノの設置が認められていれば、重量や音の大きさを考慮しながら、置き場所を決めましょう。
アップライトピアノやグランドピアノを置くのは難しそうという場合は、電子ピアノを置くことも選択肢に入れると良いでしょう。