住まいとなるアパートを探す時には、間取や立地など、希望の条件に近い物件を探しますよね。
こういった条件の中で忘れられがちながらも、生活のしやすさに影響を与えるのが建物自体の構造です。
木造や鉄骨、鉄筋コンクリートなど、様々な種類がある建築構造は、それぞれにメリットやデメリットを抱えています。
内見の際にこれらの構造の見分け方はあるのでしょうか。
この記事ではアパートの建築構造に関してお伝えしていきます。
アパート選びに構造は重要!木造や鉄骨、鉄筋コンクリートの見分け方は?
住まいは生活の基盤です。
寝食の場となる空間の暮らしやすさは、日々の仕事をがんばれるかや疲れた身体をしっかりと休めることができるかを左右しますので、日々の生活のQOLに直結します。
そんな住まいを探すのですから、いくら慎重に行ってもしすぎるということはありません。
住まい探しにおいては、それぞれ重要視するポイントがあると思います。
それは例えば、勤務地やスーパーマーケットなどへの距離であったり、間取の広さであったりするかもしれません。
このような様々なポイントの中で、暮らしやすさに響いてくるのが建物自体の建築構造です。
見落とされがちですが、木造や鉄骨などの建築方法によって様々なメリットやデメリットがありますよ。
例を挙げると、有名な話として「木造建築は隣室の音が響きやすく、鉄筋コンクリートは静か」ということを聞いたことがある方は多いかもしれません。
実際のところはどうなのか見ていきましょう。
また、わかりにくい建物の構造について見分け方があるのかについても後半で取り上げていきます。
居住性に関わる建築構造!木造・鉄骨・鉄筋コンクリートの違いと見分け方
アパートの建築構造は、物件選びの時点では見落とされがちですが、後々入居してみると暮らしやすさに大きく関わってくる要素です。
建築構造としては、大まかに木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造がありますが、これらはどう違うのでしょうか。
まず、木造は家の大部分に木材を使う建築方法です。
主な工法として、日本で伝統的に行われてきた在来軸組工法と、北米発祥の枠組壁工法が挙げられます。
枠組壁工法は、2×4(ツーバイフォー)や2×6(ツーバイシックス)と言ったほうが聞き馴染みが良いかもしれませんね。
次に鉄骨造は、家の構造剤に鉄骨を使う建築方法です。
鉄骨造は更に細かく分けると、厚さが6mm以下の鉄骨と筋交いで構造を支える軽量鉄骨造りと、厚さが6mm以上の鉄骨で構造を支える重量鉄骨造りがあります。
最後に、鉄筋コンクリート造です。
鉄筋と呼ばれる鉄の棒を組み合わせて作った芯材をコンクリートで固めて、建物の強度を確保する作りです。
以上のものが賃貸物件などで採用されることが多い建築構造です。
これらはどれもかなり違うように感じると思いますが、内外装を取り付けてしまうと一見だけで構造を把握するのは難しくなります。
とはいえ、もちろん見分け方はあります。
いくつかのキーポイントを押さえることが重要です。
木造建築のメリット・デメリット
アパートの構造の見分け方をお伝えする前に、ここからは、それぞれの建築構造がもつメリットやデメリットをお伝えしていきます。
まずは、木造建築です。
木造建築のメリットとしては、鉄骨や鉄筋コンクリートと比較すると建築や解体のコストがかからないということが挙げられます。
賃貸物件の住人としては関係ないことのようにも思えますが、建築コストが安いということは家賃の安さにも繋がりますので、一概に関係ないとは言えません。
また、在来軸組工法の場合は間取の自由度が高いため、面白い間取であったり特徴的な設備があったりする場合があることがおすすめのポイントです。
掘り出し物の物件を見つけることができるかもしれません。
一方、枠組壁工法にメリットはないのかというと、地震や台風への強さがあります。
線で構成される在来軸組工法に対して面で構成される枠組壁工法は、外力を分散しやすく衝撃に強いのです。
また、面で構成されるため高気密、高断熱であることもメリットと言えるでしょう。
鉄骨・鉄筋コンクリート建築のメリット・デメリット
続いては、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の物件のメリットとデメリットをお伝えします。
まず鉄骨造のメリットは、耐震性の高さと品質が安定していることでしょう。
木材は一本一本品質にバラつきがありますが、鋼材は工場で品質管理がされているため、結果として出来上がる建物の品質も安定します。
そして、品質が一定であることから耐震性も一定のものが保証されていると考えられますよね。
対して木造の場合、耐震性は木材の質と職人の腕にかかっているため、物件によるばらつきがあるでしょう。
災害に対する安心感が欲しい場合には、鉄骨造のアパートがおすすめかもしれません。
次に、鉄筋コンクリート造のメリットは防音性や耐火性、耐震性の高さです。
居室が厚いコンクリートの壁で覆われますので、周囲の環境から遮断する能力が高いのです。
ただし、物件によってはコスト削減のため、部屋と部屋の間の壁がコンクリート製でなく石膏ボードの場合があります。
こうなると木造や鉄骨造りと変わらない防音性ですから、家賃が安い場合には注意して、事前に確認しておきましょう。
また、デメリットとして家賃が高い物件が多いことと、湿気が溜まりやすいことが挙げられます。
次の項では、いよいよ見分け方についてお伝えしていきます。
建築構造の種類の見分け方!
それでは最後に、建築構造の見分け方についてお話をしていきます。
建築構造は、いくつかのキーとなるポイントをチェックすれば区別しやすいです。
そこで、チェックしておきたいポイントは以下のものです。
■屋根の形
アパートの屋根が三角屋根である場合、おおむね木造建築だと考えて良いでしょう。
木造建築は構造材である木に腐敗してしまう性質があるため、ほとんどが水はけの良い斜面屋根を採用しています。
一方、鉄骨造や鉄筋コンクリート造は平らな屋根のほうが効率が良いため、あえて三角屋根にすることは少ないです。
■建物の階数
アパートが2階建てであれば、木造か軽量鉄骨造であることが多いです。
3階建てになると多くは軽量鉄骨造で、それを超えた階数になると重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造がメインになってきます。
これはひとえに、構造材の耐荷重の問題です。
建築構造の見分け方!ポイントを押さえよう!
引き続き、建築構造の見分け方について、押さえておくべきポイントをお話ししていきます。
■外壁
外壁が短辺60cmほどのパネルで覆われている場合、重量鉄骨造であると考えられます。
これは鉄骨ALC工法という、重量鉄骨特有の工法の特徴です。
もっと短辺が狭いパネルで覆われている場合、それはサイディング外装だと考えられるので、木造か軽量鉄骨造だと考えられます。
もし外壁に継ぎ目が見当たらない場合は、鉄筋コンクリート造りだと推測できます。
とはいえ、近年はさまざまな外装がありますので、紛らわしいものもたくさんあります。
ここまでにご紹介したポイントを複合的に見て判断してください。
以上が、建築構造を見分ける方法として重要なポイントです。
これから物件を探す場合、こういったことを覚えておいて構造の観点から選んでみてはいかがでしょうか。
建築構造によってメリットとデメリットが違う!見分けて選ぼう!
ここまで建物の建築構造について、そのメリットやデメリットと見分け方をお伝えしてきました。
住まいを選ぶ場合には、建築構造も考慮に入れておくと、入居後の暮らしがより良くなるかもしれませんよ。
ぜひ記事でお伝えした建築構造の見分け方のポイントを押さえて、より良い住まい探しをしてみてください。