ロフトの付いている部屋に憧れて、ロフト付きの物件を探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、ロフトの付いている部屋に実際に住んでいる人や住んだことのある人のなかには、「はしごが邪魔だ」という意見もあります。
ここでは、ロフトがどのようなものかということから、ロフトのデメリットやメリットをご紹介していきます。
物件を探している人やロフト付きの家を建てようかと検討中の人は、ぜひ、参考になさってください。
「ロフト」とはどんなもの?
「ロフト」というのは、もとは屋根裏部屋のことです。
建築基準法では、居室として認められていないもので、ロフトとして成り立つには、次のような建築基準法のポイントをクリアする必要があります。
・天井までの高さが1.4m以下である
・ロフトがある直下の階の8分の1までの面積である
・ロフトにかけるはしごは固定されていないものである
狭い土地に3階建ての家を建てることによって居住スペースを広げるのと同じ感覚で、部屋の狭さを補うために設けられ、アパートなどの賃貸物件によく見られます。
ロフトがある賃貸物件が多くなってきたのは、バブル直前の好景気の頃で、大学進学率も高くなり、親元を離れて暮らす学生向けとして、おしゃれで便利なロフト付きのアパートが増えてきました。
しかし、近年では、「ロフトのはしごが邪魔だ」という不評も聞かれるということです。
まずは、そのようなロフト付きの部屋のデメリットからお話ししていきます。
ロフトのはしごは邪魔!ロフトのデメリット
まずは、さっそく、ロフト付きの部屋のデメリットを見てみましょう。
●はしごが邪魔
ロフトがあるということは、ロフトに上がるためのはしごや階段が必要不可欠になります。
できるだけスペースをとらないはしごが設置されていることが多いですが、下の部屋のスペースの一部分を使ってしまうことには変わりありません。
はしごなどがあることにより、動線や家具の配置にも影響が出てきます。
●はしごの昇り降りが怖い・面倒
ロフトのスペースを寝室や荷物置き場として使用する際に、毎回はしごの昇り降りをするのが面倒だと感じることもあるでしょう。
また、夜中にトイレに行く際など、ロフトまでのはしごの昇り降りをすることが危険だと感じる場面もあります。
●夏は暑く、冷暖房が効きにくい(光熱費がかかる)
ロフトは高い場所にあるので、暖かい空気がたまりやすく、夏場は温度がとても高くなってしまいます。
それとともに天井が高いので、冷暖房の効率が悪くなり、光熱費も高くなりがちです。
はしごが邪魔なロフトにもこんなにメリットが!~その1
前章では、「はしごが邪魔だ」などという、ロフトのある部屋のデメリットをご紹介しましたが、そのようなロフト付きの部屋にも、次に挙げるような嬉しいメリットもたくさんあります。
●収納スペースとなり便利
荷物の多い人にとっては、部屋の収納スペースは大きなポイントになってきます。
部屋に置くと邪魔になってしまうような大きな荷物やオフシーズンのものなどを置くなど、荷物を置くには大変有効的なスペースです。
●1DKや1LDKの部屋より家賃が安い
1DKや1LDKなどの2部屋あるような部屋が理想であるけれど、家賃的に難しいという人には、ワンルームよりもスペースが多くなっているロフト付きの部屋であれば、家賃の負担も少なくてすみます。
その上、寝室と居住スペースのように、生活空間を分けることができるロフト付きの部屋はお得だと思う人もいるでしょう。
はしごが邪魔なロフトにもこんなにメリットが!~その2
デメリットの紹介から始まったロフト付きの部屋ですが、はしごが邪魔などのデメリットを覆すようなメリットはまだあります。
●天井が高いので開放的
ロフトがある部屋は、ロフトの分、一般的な部屋よりも天井が高くなっています。
そのため、通常のワンルームよりも開放的な雰囲気を味わうことができるでしょう。
●洗濯物が乾きやすい
ロフトのデメリットのなかに、「夏は暑く、冷暖房が効きにくい」ということも挙げましたが、そのデメリットがメリットになることもあります。
それは、ロフトの熱がたまりやすいという性質により、気温が高くなるということです。
気温が高いということから、洗濯物をロフトに干しておくことで、乾きやすくなることが考えられます。
もし、最上階で天窓の付いている部屋であれば、さらに直接日光を取り込むことができるので、すぐに洗濯物を乾かすことが可能になるでしょう。
はしごが嫌な方におすすめ!ロフト付きの物件
はしごの昇り降りに苦手意識や恐怖心があるけれど、ロフト付きの部屋に住みたいという方におすすめな物件があります。
それは、ロフトへの昇り降りに「はしご」を使用するのではなく、「階段」を使う部屋です。
はしごでさえ邪魔に感じてしまう人は、階段となったらさらにスペースをとるのではないかと思うかもしれません。
たしかに収納もできて省スペースなはしごよりも、階段の方がスペースをとってしまうことはあるでしょう。
しかし、昇り降りをすること自体を考えると、はしごよりも手すりのついている階段の方が便利になることもあります。
はしごを昇り降りする際は、両手がふさがってしまうので物を運ぶことが難しくなりますが、階段であれば両手がふさがらないので、飲み物や軽めの荷物でしたら運ぶことが可能になります。
ロフト付きの部屋で、はしごではなく階段になっているという物件は少ないかもしれませんが、「はしごよりも階段の方が良い」という方は、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。
ロフトのある家を建てる場合のポイント
これまで、ロフト付きの賃貸物件の話をメインにしてきましたが、戸建てを新築する際に、ロフトのある家を造りたいという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、ロフトのある家を建てる場合に、気をつけるポイントをいくつかご紹介します。
●はしごや階段
ロフトを収納スペースとして使用するケースでは、常にはしごや階段がある状態では邪魔だと感じる人もいるでしょう。
そのような場合は、折りたたむことのできるものにすると良いでしょう。
●天井の高さ
ロフトのある家を建てる場合には、まずそのロフトの使用目的を決めることが大切です。
なぜなら、使用目的によってロフトの天井の高さも変わってくるためです。
もし、寝室や収納スペースではなく、リビングなどの居住スペースとして使用したいという場合は、高さはある程度あった方が良いでしょう。
ロフトの天井が低くては、圧迫感があり何をするにも窮屈な思いをすることになってしまいます。
●エアコンの効き方
ロフト付きの物件のお話のなかにもあったように、ロフトは高い位置にあるので、必然的に気温が高くなります。
そのため、真夏などの暑い季節には、ずっと居られなくなるくらいの高温になることも考えられます。
そこで、部屋のエアコンの風がロフトにもしっかり行き渡るように設計してもらうなどの、配慮をすることが必要です。
せっかくの快適なロフトの空間を、夏場は使用できなくなってしまうなんてもったいないですよね。
一年を通して快適に使用できるように、空調についてもしっかり考えましょう。
ロフトにはメリットもたくさん!自分に合った快適さで選ぼう!
ロフト付きの部屋は、はしごが邪魔だということをはじめ、デメリットもいくつかありますが、それに負けないくらいのメリットも多くあります。
自分が毎日の暮らしのなかで、はしごや階段を昇り降りすることが苦痛だと感じる可能性がある場合は、そのような物件を選ぶのは避けた方が良いかもしれません。
しかし、家賃の都合などで部屋数のある部屋に住むのは難しいという場合は、ロフト付きの部屋も検討してみてはいかがでしょうか。