家のデザインや雰囲気、さらに快適性をも方向付ける窓。
家を建てる際にはとても重要なポイントとなります。
しかし、家の建築費には上限がありますよね。
もしローコストで家を建てたいとお考えであれば、窓にもコストダウンできる部分があるかもしれません。
窓の数やサイズの変更、規格品の使用など、できることはあります。
家を建てる際の窓についての考え方とコストダウンの方法についてお話しします。
家の顔ともいえる窓!
家を建てたり、もしくはリフォームしようとお考えであれば、日当たりが良くて風通しの良い家にしたいですよね。
その両方を叶えるために重要な役割を持つのが「窓」です。
窓のサイズや配置によって、室内の明るさや通風性が大きく左右されます。
また、窓を設置する方角や隣家との距離によっても、住宅の快適性が大きく変わります。
以上のように、窓には配慮しなければならないポイントがいくつもあるのです。
それだけではなく、窓は家のデザインにも影響してきます。
町中にある「窓のデザインが素敵な家」というのは目立ちます。
せっかく家を建てたりリフォームするのですから、素敵だと思われるような家にしたいものです。
しかし実際のところ、家づくりにはお金がかかります。
素敵だと思うものをすべて取り入れていたら、予算がいくらあっても足りません。
コストを抑えて良い家を建てるのが理想です。
窓には形やサイズだけでなく、規格や断熱性能、デザイン性などによって大きく価格が異なります。
窓を上手に配置して、素敵なローコスト住宅を目指しましょう。
定番の引き違い窓はサイズも規格品も豊富
それでは、住宅に使われている主要な窓の種類を見てみましょう。
■引き違い窓
日本の多くの住宅に使われており、一般的に窓というと引き違い窓を思い浮べる人も多いのではないでしょうか。
引き違い窓は左右2枚のガラスサッシが引き違いになっており、左右から開けることができる窓です。
サイズもいろいろあり、掃き出し窓と腰高窓が住宅ではよく使われます。
掃き出し窓は人が出入りできるサイズの大きな窓です。
庭やベランダにそのまま出られるので、庭に面した窓や大きな採光を取りたい部屋に採用されることが多いです。
一方、腰高窓は人が立った時に腰くらいの高さにある窓です。
適度に採光でき通風性もあります。
引き違い窓は日本の住宅で多く採用されていることもあり、規格品が豊富でコストが安いことがメリットとしてあります。
日本人であれば使い慣れており、開け方も容易です。
デメリットとしては気密性が低いことと防犯性に不安が残ること、また多くの住宅に使われていることからデザインに個性がないことが挙げられます。
おしゃれな窓は価格が高め?規格品があるものも
目にする頻度は低いかもしれませんが、前項でお伝えした引き違い窓のほかにも、さまざまな窓があります。
ここではほかの窓の種類を見てみましょう。
■すべり出し窓
縦すべり出し窓と横すべり出し窓があります。
縦すべり出し窓は上下のレールを軸にしてすべり出し、横すべり出し窓は左右のレールを軸にしてすべり出して開きます。
縦すべり出し窓は通気性にすぐれ、引き違い窓の10倍もの風を取り入れるといわれています。
また、気密性も高いため高気密住宅に採用するとさらに効率的です。
しかし窓の価格は少し高めになっています。
■FIX窓(はめ殺し窓)
主に採光目的で設置される、開かない窓です。
開けるための構造が必要ないため比較的安価で、明かりだけを取り入れたい場所に取り付けるとコストを抑えられる可能性があります。
大きなサイズであっても比較的コストが抑えられるため、大きな採光を取りたい部屋に適しています。
ただし、風を取り入れることができないため、通気性を持たせるために違う種類の窓とあわせて取り付けるのがおすすめです。
デザインも豊富で、規格品でもさまざまな形があります。
■上げ下げ窓
上下2枚のガラスサッシを上げ下げすることによって開閉する窓です。
気密性が高く、通風性にも優れています。
見た目がかわいいので家のワンポイントにもなります。
デメリットとしては窓の価格が高めであることと開閉がしづらいこと、外側の掃除がしづらいことがあります。
見た目のかわいさにつられてたくさん採用してしまうと、住宅のコストが上がってしまうかもしれません。
窓の工夫でコストダウン!サイズの変更や規格品を使おう
窓は家の明るさや通風性、快適性を大きく左右するものですから、できるだけこだわりたいですよね。
しかし、予算の問題でそうはいかないこともあるでしょう。
それでは、快適性を損なわずにコストダウンさせることは可能なのでしょうか。
窓のコストダウンは、工夫によっては可能になるかもしれません。
■窓の数を減らす
家の方角を考えてみて、西日が当たりすぎる部屋はありませんか。
西日が入りすぎる部屋は暑くなり、光熱費もかかってしまいます。
そこで、窓を減らすというのもひとつの手です。
シンプルに窓を減らすというのはコストダウンにつながります。
■サイズを小さくする
もし窓をなくすのが難しいのであれば、窓のサイズを小さくするのもコストダウンの方法として考えられます。
西日のきつい部屋や北側の窓、道路や隣家に近い窓などを換気用の窓にしてサイズダウンするのもおすすめです。
■規格品を使う
引き違い窓は規格品が豊富で安価なので採用しやすいといえます。
ほかにも上げ下げ窓やすべり出し窓にも規格品がありますのでハウスメーカーに相談してみましょう。
規格品であれば予算内の窓が見つかるかもしれません。
サイズや配置によってはおしゃれじゃなくなってしまうことも…
窓のサイズを変えたり規格品を使ったりしてコストダウンを図ることはできますが、気を付けてほしいのはコストダウンだけに気をとられないことです。
特に引き違い窓は多用しすぎると家が凡庸な雰囲気に仕上がってしまいます。
コストは抑えられますが、住み始めてからなんだかイメージと違うということも考えられます。
引き違い窓はコストダウンのためには必須な窓ではありますが、客観的に外から見たときの家の印象も考慮して配置しましょう。
例えば、家の二階に同じサイズの引き違い窓を二つ並べて配置したとします。
そうすると不思議なことに、家が人の顔のように見えてくることがありませんか。
二階の窓を人の目に見立てて、家を顔のように認識してしまうのです。
そうなると素敵な家という雰囲気にはなりません。
また、玄関近くに配置する引き違い窓にも注意が必要です。
住宅の間口が狭い面に玄関と引き違い窓が配置されていると、四角が並んでいるような平凡な印象になってしまいます。
そこを、例えば縦長の窓を並べてみるなどすると、スタイリッシュなイメージに変えることが可能です。
しかし玄関がある面に引き違い窓を配置してはいけないというわけでもありません。
間口が広い面に玄関と窓が配置されているのであればバランスが取れて明るいおしゃれなイメージの住宅にすることが可能です。
窓のサイズやラインを揃えるとすっきりデザインに
コストを抑えつつもおしゃれな家にするためには、おしゃれに見せるポイントを知っておくことが大切です。
家の窓をおしゃれをおしゃれに見せるポイントは、窓のサイズと配置を揃えることです。
縦のラインと横のラインを揃えて窓を配置することにより、家がすっきりとして外観が良く見えます。
これを無視して窓の高さを揃えずに配置してしまうと、家がガチャガチャした印象になってしまいます。
ラインを揃えるというのはシンプルで簡単なルールなので、頭に入れておくと良いでしょう。
加えて、家の窓について考える際に注意してほしいのは、間取りが決まってから窓を変えるというのは難しいということです。
間取りを考えると同時に窓のことも考えて決める必要があります。
窓が住宅の見た目や快適性をすべて左右するわけではありませんが、大きな部分を占めることになります。
採光、通風、見た目、コストなどさまざまなことを考慮し、ときには規格品も活用しながら窓を考えてみてください。
窓に求める性能を明確にする
明るくしたい、風通しを良くしたい、部屋をおしゃれに見せたい、外から見られないようにしたいなど、窓に求める性能は部屋によって異なります。
窓を設置する目的をしっかりと把握しておくと、効率的かつコストを抑えた窓にすることができるはずです。
コストをかけるところとかけないところを明確にしておくのも良いかもしれませんね。
コスト、見た目のおしゃれさ、快適性、どれも大切なことですから、窓選びはじっくりと考えて決めることをおすすめします。